重賞ウィナーレポート

2010年02月14日 ダイヤモンドS G3

2010年02月14日 東京競馬場 曇 良 芝 3400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:フォゲッタブル

プロフィール

生年月日
2006年04月03日 04歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:13戦4勝
総収得賞金
265,271,000円
馬主
金子真人ホールディングス (株)
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
池江 泰郎
騎手
武 豊
 スターホース不在、特に古馬で次代の競馬界を背負って立つ馬が現れてこないとの声も聞こえていた中で、血統や実績共に申し分ない馬が、今年のダイヤモンドS(G3)を勝利した。その馬とは、父に菊花賞馬ダンスインザダーク、母にG12勝(天皇賞(秋)(G1)、オークス(G1))馬のエアグルーヴを持つフォゲッタブルである。

 「ファンの皆さんから1番人気の支持こそ集めましたが、この条件を得意とする馬も集まっていましたし、初めての東京コース、その上ハンデ戦ということで、戦前は全く楽観視していなかったですね」とノーザンファーム事務局の中尾義信さん。

 昨年の菊花賞(Jpn1)で2着に入り頭角を現したフォゲッタブルは、続くステイヤーズS(G2)で初重賞制覇。有馬記念(G1)でも強豪相手に4着とこの血統ならではの成長力の高さを証明する。年明け初戦となるこのダイヤモンドS(G3)は、今後の試金石となるレースという意味合いもあった。

 「結果を見れば軽量馬が上位に来ていたわけですから、フォゲッタブル自身、ハンデ差をはね飛ばすほどのレースを見せてくれたのではないのでしょうか。パドックでも躍動感がありましたし、馬体にも若々しさが見られ、この4歳という年齢を迎えて充実期に入ったような印象を受けました」(中尾さん)

 外から一気に差し切ったフォゲッタブルではあるが、実はこの日の東京競馬場の芝コースはインコースが有利であり、外を回ってきた馬のほとんどが伸びきれずにいた。決して有利ではないどころか、むしろ不利な条件下で自分の力を出し切ったフォゲッタブルを見ていると、やはり競馬は血統なのかなという気もしてくる。

 「レースの後、鞍上を務めていた武豊騎手から『心身共に成長してきましたとの言葉が聞かれていましたが、私も同じ感想を持ちました。セレクトセールの頃から注目を集めていた馬ですし、この勝利で改めてファンの皆様からの声援や期待に応えることが出来たのではとも思います」(中尾さん)

 武豊騎手と池江泰郎厩舎、そして金子真人オーナーというのは、あのディープインパクトと一緒でもある。ディープインパクトも4歳時の天皇賞(春)(G1)を勝利しているだけに、フォゲッタブルにも天皇賞(春)(G1)での初G1タイトルへの期待がかかる。

 「ディープインパクトの活躍に証明されているように、一流のスタッフが接してくれているので何の心配もありません。この重賞勝利で、芝中長距離戦線でも五指に上げられる馬となったのは間違いありませんし、天皇賞(春)(G1)でもいいレースを見せてくれるのではと思っています」(中尾さん)

 フォゲッタブルの次走は、3月21日に阪神競馬場で行われる阪神大賞典(G2)を予定。このレースでも勝利を遂げた暁には、ディープインパクトに並び立つほどの人気で天皇賞(春)(G1)を迎えることとなりそうだ。