2008年06月22日 マーメイドS G3
優勝馬:トーホウシャイン
プロフィール
- 生年月日
- 2003年05月17日 05歳
- 性別/毛色
- 牝/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:22戦3勝
- 総収得賞金
- 71,084,000円
- 母 (母父)
- ホークズフォーチュン(USA) by Silver Hawk(USA)
- 馬主
- 東豊物産 (株)
- 生産者
- 竹島 幸治 (門別)
- 調教師
- 崎山 博樹
- 騎手
- 高野 容輔
1000万クラスでも連対した事の無い、最低12番人気の本馬の快挙には驚ろかされたが、生産牧場の竹島幸治牧場にとってはさらに大きな衝撃だったようだ。
同牧場の2代目の幸治さん一家と3人の若手スタッフにとっては、今回が牧場生産馬の中央重賞初制覇でもあり喜びが弾けている。
竹島さんは「まさか、本馬が重賞で走るとは夢にも思っていなかったし、最低人気で競馬場に応援に行くのも諦めていましたからね。」と予期せぬ愛馬のビッグプレゼントに満面の笑みを浮かべ、飯田場長、能重さん、北亦(きたまた)さんたち3人の本州から来たスタッフも口をそろえて「ビックリしました。初体験でもありますし、本当に嬉しかったですよ。仕事のやりがいを感じました。」と喜びで一杯だ。
同牧場は門別庫富にあり、日高門別川の広い河川敷に本場と分場を持つ。創業は昭和38年、35haほどの敷地に17頭の繁殖牝馬を飼養している。
5年前には、日高地方に大災害をもたらした台風10号により川沿いの牧草地を流される被害があったが、その年に本馬は誕生している。現在は河川敷の復旧工事も終わり、復興した放牧地には綺麗に牧草が生え揃っている。本馬の優勝は竹島さん等の復興の努力を報う勝利でもあった。
スポーツ新聞に“奇跡”とも記された本馬の大快挙を、竹島さんにレースを追って感想を聞いてみた。「レース前は1頭でも前に(最下位でなく)来てくれたらと思っていました。まずまずのスタート、でも、向場面では最後方3頭で団子状態となり、やはりこのメンバーでは無理だと諦めかげんでした。3角で内ラチにぴったりとつけていたので、4角で前が開かないかと見ていたら直線で開きましたよね。でも、さすがに脚は残っていないだろうと見ていたらトップギアが入りましたからね。一瞬にして伸びて来た時は、あの馬がこんな脚を持っていたのかとビックリ。もう心臓が飛び出るような気持ちでした。あとはゴールまで何がなんだか分かりませんでしたよ。」と“奇跡?”に興奮。竹島さんの喜びが激しく伝わってくる。
重賞レースに勝つと、ゴールの間際から祝福の電話やら、お祝いの花などが届くのだが、竹島さんも「とにかく初めての経験。多くの人からのお祝いでビックリしましたね。優勝とお祝いと2度ビックリですよ。」と笑顔が絶えない。
本馬の活躍が竹島さんを喜ばせている事がまだある。一つは、本馬の母ホークズフォーチュン(母の父シルヴァーホーク)は、竹島さんが仲間と米国キーンランドに行った時にサンデーサイレンス系にあわせられる父系の血統と、肌に産駒の活躍が目立つGraustarkが入る血統に魅力を感じて導入した馬。本馬は日本での4番仔になるが、成績の目立つ兄姉はいなかっただけに期待を担っていた本馬が結果を出して荷を降ろした様子だ。
半弟の3歳カシノマルス(父デヒア)も前日(21日阪神6R未勝利戦)2着と健闘して、2週連続2着と好走を続けている。2歳の半妹は間もなくデビュー予定のマリナデルレイ(父ボストンハーバー)、今年はバランスオブゲームの初仔となる牡馬が産まれている。
この当歳は、すっきりとバランスの取れた馬体を持ち、覇気のある雰囲気で元気に走り回っていた。
本馬の父はスペシャルウィークだが、これは竹島さんが、本州から来て熱心に働いてきた場長の飯田さんと将来の夢を持とうと配合したもの。飯田さんはスペシャルウィークの現役時代の活躍を見て競走馬にとり付かれて同牧場に就職したという。
「今回は、運良く勝ったと言われないように、夏の間、しっかりと充電して秋に良い結果を残してもらいたい。」と言う竹島さんだが、この言葉は、竹島さん一家と一生懸命になって働く3人の若いスタッフの気持ちも代弁しているようだ。
追)牧場の若手スタッフが綴るブログが人気になっています。今回の優勝のことも楽しく書かれていますのでご覧下さい。
竹島牧場のとねっこ通信
同牧場の2代目の幸治さん一家と3人の若手スタッフにとっては、今回が牧場生産馬の中央重賞初制覇でもあり喜びが弾けている。
竹島さんは「まさか、本馬が重賞で走るとは夢にも思っていなかったし、最低人気で競馬場に応援に行くのも諦めていましたからね。」と予期せぬ愛馬のビッグプレゼントに満面の笑みを浮かべ、飯田場長、能重さん、北亦(きたまた)さんたち3人の本州から来たスタッフも口をそろえて「ビックリしました。初体験でもありますし、本当に嬉しかったですよ。仕事のやりがいを感じました。」と喜びで一杯だ。
同牧場は門別庫富にあり、日高門別川の広い河川敷に本場と分場を持つ。創業は昭和38年、35haほどの敷地に17頭の繁殖牝馬を飼養している。
5年前には、日高地方に大災害をもたらした台風10号により川沿いの牧草地を流される被害があったが、その年に本馬は誕生している。現在は河川敷の復旧工事も終わり、復興した放牧地には綺麗に牧草が生え揃っている。本馬の優勝は竹島さん等の復興の努力を報う勝利でもあった。
スポーツ新聞に“奇跡”とも記された本馬の大快挙を、竹島さんにレースを追って感想を聞いてみた。「レース前は1頭でも前に(最下位でなく)来てくれたらと思っていました。まずまずのスタート、でも、向場面では最後方3頭で団子状態となり、やはりこのメンバーでは無理だと諦めかげんでした。3角で内ラチにぴったりとつけていたので、4角で前が開かないかと見ていたら直線で開きましたよね。でも、さすがに脚は残っていないだろうと見ていたらトップギアが入りましたからね。一瞬にして伸びて来た時は、あの馬がこんな脚を持っていたのかとビックリ。もう心臓が飛び出るような気持ちでした。あとはゴールまで何がなんだか分かりませんでしたよ。」と“奇跡?”に興奮。竹島さんの喜びが激しく伝わってくる。
重賞レースに勝つと、ゴールの間際から祝福の電話やら、お祝いの花などが届くのだが、竹島さんも「とにかく初めての経験。多くの人からのお祝いでビックリしましたね。優勝とお祝いと2度ビックリですよ。」と笑顔が絶えない。
本馬の活躍が竹島さんを喜ばせている事がまだある。一つは、本馬の母ホークズフォーチュン(母の父シルヴァーホーク)は、竹島さんが仲間と米国キーンランドに行った時にサンデーサイレンス系にあわせられる父系の血統と、肌に産駒の活躍が目立つGraustarkが入る血統に魅力を感じて導入した馬。本馬は日本での4番仔になるが、成績の目立つ兄姉はいなかっただけに期待を担っていた本馬が結果を出して荷を降ろした様子だ。
半弟の3歳カシノマルス(父デヒア)も前日(21日阪神6R未勝利戦)2着と健闘して、2週連続2着と好走を続けている。2歳の半妹は間もなくデビュー予定のマリナデルレイ(父ボストンハーバー)、今年はバランスオブゲームの初仔となる牡馬が産まれている。
この当歳は、すっきりとバランスの取れた馬体を持ち、覇気のある雰囲気で元気に走り回っていた。
本馬の父はスペシャルウィークだが、これは竹島さんが、本州から来て熱心に働いてきた場長の飯田さんと将来の夢を持とうと配合したもの。飯田さんはスペシャルウィークの現役時代の活躍を見て競走馬にとり付かれて同牧場に就職したという。
「今回は、運良く勝ったと言われないように、夏の間、しっかりと充電して秋に良い結果を残してもらいたい。」と言う竹島さんだが、この言葉は、竹島さん一家と一生懸命になって働く3人の若いスタッフの気持ちも代弁しているようだ。
追)牧場の若手スタッフが綴るブログが人気になっています。今回の優勝のことも楽しく書かれていますのでご覧下さい。
竹島牧場のとねっこ通信