重賞ウィナーレポート

2004年06月06日 愛知杯 G3

2004年06月06日 中京競馬場 曇 稍重 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:メモリーキアヌ

プロフィール

生年月日
2000年06月12日 04歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:22戦3勝
総収得賞金
105,695,000円
トニービン(IRE)
母 (母父)
バラワキ(USA)  by  Miswaki(USA)
馬主
(株) シンザンクラブ
生産者
谷川牧場 (浦河)
調教師
湯窪 幸雄
騎手
秋山 真一郎
  • 期待の高いメモリーキアヌの半妹(2歳)
    期待の高いメモリーキアヌの半妹(2歳)
 本馬の生まれたのは、オールドファンにも馴染みの深い名門・谷川牧場。伝説の名馬シンザンが種牡馬生活を送り内国産種牡馬の価値を高めた牧場であり、タケホープなど数々の名馬を輩出してきた。この老舗の牧場は浦河町西幌別に在り、浦河から帯広方面にぬける天馬街道を3キロほど入ったところに位置する。
 道路に面した事務所の横には大きなシンザンの記念碑とタケホープ、ホクトボーイの墓碑があり訪れるファンも多い。
 ここに45町歩の土地を有し、繁殖・育成に努めるのが谷川貴英社長と26名のスタッフだ。谷川貴英社長の先代の父弘一郎氏(現浦河町長)は、軽種馬生産界の重鎮であり、関係団体との面識も広い。

 本馬の重賞初制覇は牧場にとってもチョウカイキャロル(95年中京記念)以来の重賞制覇ということで、喜びは大きい。
 自宅で応援した谷川社長は本馬のクビ差押し切り勝ちに「ヒヤヒヤものでしたよ。ゴール前は机を叩いて大変でした。いつもと違う(大胆な)パターンで乗ってくれた秋山騎手のお陰ですね」と声も弾む。
 本馬の幼駒の頃を振り返り「勝気でしたけど手をやかす事も無く、品のある体をしていました。(育成のときも)乗り味が良いと言っていましたので、楽しみにしていました」と懐かしむが、谷川社長にとって本馬の血統には深い思い入れがあるようだ。

 本馬の母バラワキ(父ミスワキ・米国産)は仏国GIIなど8戦3勝と活躍した名牝で、懇意にしてくれた馬主の橋元氏と父弘一郎氏が英国のせり市で購入した期待の繁殖馬。「母親も活躍して、その父ミスワキも祖父(Mr.Prospector)のスピードにスタミナを兼ね備えた血統でしたからね。期待していました」(谷川社長)と言う。その母バラワキは初仔に本馬の半姉メモリージャスパー(父イルドブルボンUSA)を持つが、阪神牝馬特別GIIなど10戦3勝の活躍中に事故で惨死。第7仔の本馬に今後の活躍と、血統の跡継ぎとしての期待がかかる。
 兄弟の近況だが、本馬の半妹2歳(父パントレセレブルUSA)が秋のデビューをひかえて、本牧場で調教中。最近2年は空胎だが今年は、マーベラスサンデーを交配。この2歳の半妹が「体のバランスも良く、期待できそうです」(谷川社長)とのことで育成場に案内していただいたが、とても綺麗な栗毛に品のある顔立ちをしていた。本牧場では他に、繋養馬サクセスビューティに男の仔(父ジャングルポケット)が誕生、同馬に交配したシンボリクリエスの受胎が確認されたそうで、本馬の活躍にますます勢いが付いてきた。 牝馬限定GIIIに変更された第42回愛知杯は、9番人気の伏兵メモリーキアヌが4コーナーで先頭に立つとしぶとい末脚で他馬の追撃を封じて優勝した。通算22戦3勝。重賞は初制覇。本馬の馬主は(株)シンザンクラブ、生産牧場は北海道・浦河町の谷川牧場。母バラワキ(米国産、8戦3勝))は仏GIIの勝ち馬で、本馬はその第7仔にあたる。