重賞ウィナーレポート

2008年03月23日 スプリングS Jpn2

2008年03月23日 中山競馬場 晴 良 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:スマイルジャック

プロフィール

生年月日
2005年03月08日 03歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:7戦2勝
総収得賞金
385,483,000円
タニノギムレット
母 (母父)
シーセモア  by  サンデーサイレンス(USA)
馬主
齊藤 四方司
生産者
上水牧場 (鵡川)
調教師
小桧山 悟
騎手
小牧 太
  • 殊勲の母シーセモア
    殊勲の母シーセモア
  • 母シーセモアと当歳牡馬(父タニノギムレット)
    母シーセモアと当歳牡馬(父タニノギムレット)
 むかわ町・(有)上水牧場生産馬のJRA重賞勝利は、スプリントGⅠを2勝したビリーヴ号が03年7月に函館スプリントステークスを勝利して以来4年半ぶりとなった。
 レース当日は中山競馬場へ応援に駆けつけた場長・上水明さんに喜びの声をお聞きしました。


―――― デビュー戦を勝利して以来、オープンクラスで惜しい競馬が続いていましたが、それを拭い払ってくれるような見事な勝利でしたね。おめでとうございます。

上水氏:ありがとうございます。クラシックに繋がるという意味で、このレースを勝つことが出来たことはとても嬉しいですね。レース後は沢山の人達から祝福の電話を頂いたり、牧場に沢山のお花が届けられたりして、とても嬉しく思います。


―――― レース最後の直線は応援に力が入ったと思いますが

上水氏:終始前方で競馬をしていましたが手応えも良さそうでしたので4コーナーでは1番人気のショウナンアルバはかわせるなと思ったんですが、2着になったフローテーションが直線後方から追い上げて来ていたので、逃げ切れるかどうか気になりましたね。でもゴールを通過した時は少し余裕があったようにも見えましたし、ジョッキーも非常に上手に乗ってくれたなあと思います。


―――― ハイレベルなメンバーが揃いましたが、レース前はどんな気持ちでしたか?

上水氏:パドックで見たときに、今日は100%に近い仕上げだと感じたので、勝ってもおかしくないなあと思いました。ただ他にも力のある馬も居たので半信半疑というか、勿論別の馬が勝ってもおかしくないとも思いましたね。前々走の若竹賞では3着に敗れたのですが、そのレースを勝利したショウナンアルバ号と2着のアサクサダンディ号が今回のレースで3.4着でしたので、結果的に若竹賞がとてもハイレベルだったのかなと振り返ってみて思います。


―――― デビュー以来3着以下が一度もないという堅実な成績も光りますね

上水氏:母のシーセモアが中央で1勝ですが2着8回という成績だったので、勝ちきれない部分は母に似ているなあと思っていました(笑) しかしスマイルジャックは牧場に居た頃からとてもいい馬でしたし、相当な能力を持っていそうだと感じていましたので、デビューする前に馬主さんと調教師から連絡があり「動きも良いし能力が高いので楽しみです」という言葉を頂いた時はとても期待しました。新馬戦を期待通り勝利した後、4戦目の東京スポーツ杯2歳Sの時に初めて競馬場へ応援に行ったのですが、パドックをチャカチャカして周回している姿を見て「まだ馬が幼いなあ」と感じました。そういった意味ではまだまだ伸びしろのある馬だと思うので、この勝利を機にタニノギムレットの産駒らしく、勢いに乗って一段とパワーアップをして欲しいですね。


―――― いまお話に出た母シーセモアも上水牧場の生産馬なんですね

上水氏:はい。同じサンデーサイレンス産駒でビリーヴと同期生になります。スマイルジャックは母の2番子で、初年度産駒の姉ティンバーランドは昨年ホッカイドウ競馬の重賞フロイラインカップを勝ちました。貴重なサンデーの繁殖ですし、これからもどんな子供を出してくれるか楽しみです。
普段は元気一杯なんですが、注射が苦手というか嫌いな馬ですね(笑)


―――― 今年は既に当歳馬が産まれていますね。タニノギムレット産駒で牡馬のようですが?

上水氏:はい、3月10日に無事産まれました。スマイルジャックの全弟になります。どちらかと言うとサンデー色が出ていた兄とは相変わって、当歳はタニノギムレットが強く出ていると思いますね。兄とは少しタイプが違いますが、負けず劣らずこの馬もとてもいい馬ですよ。


―――― さて、次はいよいよクラシックになりますね。

上水氏:母の血統はセントクレスピン~マルゼンスキー~サンデーサイレンスと流れていて、これはダービーを勝ったスペシャルウィークと同じ血統の流れなんですよね。スマイルジャックの父もダービー馬、そして昨年はウオッカがダービーを勝っているので、この馬もそういった意味では「ダービー向きの血統」だと言えるかと思います。皐月賞に出走してくれることは勿論ですが、その先のダービーにも出走する事が出来たらいいなと思います。


―――― 生産牧場にとってクラシックレースは特別な思いがあると思います。

上水氏:過去にスタントマンという生産馬が皐月賞を3着、ダービー5着になったのが最後ですね。その当時は僕がまだ大学在学中でしたので、牧場に戻って働きだしてからはクラシックにまだ縁がありません。でも、ビリーヴが活躍してくれたり、こうしてスマイルジャックのような馬が出てくれたりと、自分はとても運がいいなあと思いますね。
これからも生産馬が同じように活躍出来るよう頑張ってゆきたいと思います。