重賞ウィナーレポート

2005年07月31日 関屋記念 G3

2005年07月31日 新潟競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:サイドワインダー

プロフィール

生年月日
1998年04月02日 07歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:28戦8勝
総収得賞金
316,704,000円
馬主
(株) 協栄
生産者
タバタファーム (門別)
調教師
北橋 修二
騎手
福永 祐一
  • 母ゴールデンジャックと当歳の半弟
    母ゴールデンジャックと当歳の半弟
  • 母ゴールデンジャック
    母ゴールデンジャック
  • 当歳の半弟
    当歳の半弟
本馬のふるさとは門別町・美原のタバタファーム。2年前の台風10号の大災害に遭った厚別川(あっぺつかわ)の地域にあるが、幸いに美原の本場と新冠町・共栄の育成場(中期育成)はともに被害が少なかったという。現在、同美原にも繁殖用の分場を持ち、先代の田端勝氏から引き継いだ修氏が中心になり家族と2名のスタッフで12頭の繁殖牝馬を飼養している。過去には、本場の母ゴールデンジャック(’94サンスポ4歳牝馬特別GII、報知4歳牝馬特別GII、オークス2着)を輩出しているが、母子での重賞制覇に田端社長の喜びは大きい。

レースを自宅のテレビで、奥さんと観戦した田端社長は、後方から直線一気の快勝に「直線に入っても、画面に映りませんでしたからね。強烈な脚で一気にせまり、ダイワメジャー(2着馬)に並んだ時は勝てると思いました。そこからゴールまでは力が入り、叫んでいましたね。(上がり3F)32秒6でしょ、凄いですね」と、本馬の殊勲に笑顔が弾ける。

しかし、7歳での、この重賞3勝目(’02京阪杯、’03京都金杯)までには苦難の日々(蟻洞=ツメに穴が開く病気で約1年1カ月休養)があった。田端社長は「引退も考える病気ですから心配しましたよ。こんなにまで、立ち直らせてくれた先生(北橋修二調教師)や厩舎スタッフの方には感謝しています。復帰した3走前の安田記念には、東京競馬場まで駆けつけましたが、元気に走ってくれましたので、凄く嬉しかったですよ」と振り返る。今回の完全復活には「これからも無事に走り続けて貰いたいですね。是非、秋のGⅠ(マイルCSの予定)で頑張り、母の成しえなかったGⅠ獲りに挑戦して貰いたい」と夢を膨らます。

母ゴールデンジャック(母の父アフリート)は同牧場産だが、祖母コマーズ(CAN)の持ち込み馬(受胎付輸入馬)。米国のキーンランド・ノベンバーセールで「牝系に欲しかったBuckpasserが入り、父が当時種牡馬入りして、活躍馬を出し始めていたDanzigだったので、カタログを見て競り落としました」と見事に田端社長の思いが実り、重賞戦線で活躍をした。
母と祖母は早くも同牧場の代表血統後継馬になったようだ。
本馬は第1仔だが、兄弟では、6歳半弟のシークレットボーイ(父ブライアンズタイム、中央2勝・地方11勝)と4歳半妹のセントクリスマス(父コマンダーインチーフ、地方6勝)が現役で活躍中。2歳半弟(父タイキシャトル)は二風谷軽種馬共同育成センターでデビューに向け調教中で、1歳半弟(父ダンスインザダーク)は同牧場育成センターで中期育成中だ。今年は、最近ファーストクロップの活躍の目立つアグネスタキオンの仔が4月14日に誕生して、その後、再びダンスインザダークを配合したそうだ。

「知らない人を見たら怒ります。手強いですよ。」という、母ゴールデンジャック(繁殖牝馬のため見学不可)の撮影に繁殖の分場に案内してもらった。広い放牧地に入れてもらうと、5組ほどの親子が田端社長をみて近寄ってきた。頭部の白斑がそっくりな(ともに流星鼻梁大白鼻大白)親子が、本馬の母と弟だという。早速、母は私を見て、耳を後ろに伏せて威嚇の表情を見せていたが、14歳の母は、肌の張りも若々しく元気一杯。早々に引き上げた。

自ら導入した、繁殖馬からの親子の活躍に、田端社長の表情は最後まで明るい。
本馬の殊勲に、弟妹の活躍が期待されそうだ。第40回を迎えた夏の新潟マイル重賞・関屋記念(GIII)は、福永祐一騎乗で2番人気に推されたサイドワインダー(牡7歳、父トニービン)が、後方待機策から直線では大外から豪快な末脚を繰り出し、ゴール前で1番人気ダイワメジャーを交わして優勝した。