2020年12月26日 阪神C G2
優勝馬:ダノンファンタジー
プロフィール
- 生年月日
- 2016年01月30日 04歳
- 性別/毛色
- 牝/鹿毛
- 戦績
- 国内:13戦6勝
- 総収得賞金
- 401,901,000円
- 母 (母父)
- ライフフォーセール(ARG) by Not for Sale(ARG)
- 馬主
- (株) ダノックス
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 中内田 充正
- 騎手
- 藤岡 佑介
近年屈指のレベルと言えるのが、2016年世代の牝馬たち。クロノジェネシスは2020年の両グランプリ(宝塚記念(G1)、有馬記念(G1))を優勝し、JRA賞の特別賞を受賞。安田記念(G1)、スプリンターズS(G1)、マイルCS(G1)と短距離G1を3勝したグランアレグリアは、JRA賞の最優秀短距離馬に選ばれた。
同じ2016年世代の牝馬で、2018年の最優秀2歳牝馬となったのがダノンファンタジーである。2歳時は阪神JF(G1)優勝など4戦3勝。3歳時もチューリップ賞(G2)を優勝し、桜花賞(G1)でも1番人気を集めていたが、その年の牝馬クラシックは桜花賞(G1)でグランアレグリア、オークス(G1)でラヴズオンリーユー、そして秋華賞(G1)ではクロノジェネシスの後塵を拝する。
今年に入ってからも未勝利が続いたものの、2歳時のファンタジーS(G3)以来となる芝1400mの条件で行われた阪神C(G2)を見事に優勝。3歳時のローズS(G2)以来となる勝利をあげた。
「本質的に高いスピード能力を兼ね備えていながら、ローズS(G2)のレース内容にも現れたように、我慢をさせて距離の克服も図れてはいました。ただ、最近のレースを見ていると、短い距離の方が合っているのではとも感じていました」とはノーザンファーム早来の村上隆博厩舎長。スプリント巧者からマイル重賞の勝ち馬まで、スピード自慢が揃ったこの阪神C(G2)となったが、好スタートを決めたダノンファンタジーは、1000m通過が56秒7という速い流れを好位のインコースから追走。第4コーナーでもロス無く立ち回ると、最後の直線では鮮やかに抜け出してみせた。
「レースぶりだけでなく、大人びてきた馬体を見ても、しっかりと成長してくれていると思います。そこに精神面での成長が加わったことで、この勝利に繋がったのでしょう。調整をしてくれたノーザンファームしがらきのスタッフや、仕上げてくれた中内田先生、そして厩舎の皆さんのおかげです」
レース後、中内田調教師からは、「年明けの番組を見ながら考えていこうと思いますが、選択肢が広がりましたね」とのコメントも聞かれていたが、その中には芝短距離路線も視野に入っているに違いない。
「2021年はダノンファンタジーにとって、充実の年になると思いますし、やはり2歳以来のG1タイトルを取ってもらいたいです。このまま短距離戦線を中心に戦っていったとするならば、グランアレグリアとの再戦もあるかと思いますが、新馬戦、桜花賞(G1)と負けているだけに、今度は勝ちたいですね」
2016年世代における、遅れて来た天才少女の反撃が、今年から始まろうとしている。