重賞ウィナーレポート

2020年11月22日 マイルChS G1

2020年11月22日 阪神競馬場 曇 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:グランアレグリア

プロフィール

生年月日
2016年01月24日 04歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:10戦7勝
総収得賞金
1,073,813,000円
ディープインパクト
母 (母父)
タピッツフライ(USA)  by  Tapit(USA)
馬主
(有) サンデーレーシング
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
藤沢 和雄
騎手
C.ルメール
  • 今年の牝馬クラシック戦線を沸かせたリアアメリアも育成馬となる
    今年の牝馬クラシック戦線を沸かせたリアアメリアも育成馬となる
  • 間もなく牧場全体が雪で覆われる
    間もなく牧場全体が雪で覆われる

 これで安田記念(G1)からのG1 3連勝。今年初戦となった高松宮記念(G1)でも2着に入着と、まさに今年の芝短距離界の主役を務める活躍を見せたのがグランアレグリアである。

 このマイルCS(G1)も力の違いをまざまざと見せつけたレースとなった。内枠から好スタートを決めると、1000m通過が58秒5という落ち着いた流れを好位から追走。最後の直線では前を行くアドマイヤマーズ、外から並びかけてきたインディチャンプが壁となり、抜け出す場所を失ったかのように見えたが、残り1ハロンでインディチャンプの外に進路を向けると、そこから一気に脚を伸ばしていく。

 2着に入ったインディチャンプとの着差こそ3/4馬身ではあったが、その強さと速さ、そしてどんな展開でも勝ちきる安定感は、改めてグランアレグリアの強さと、充実期に入ったことを実感させた。

 「進路が無くなったところでも、ルメール騎手だけでなく、馬も動じたところが無かったですし、その姿を見たときに勝てると思いました」と話すのは、ノーザンファーム空港の窪田淳調教主任。育成時に牧場を離れてからは、藤沢和雄厩舎とノーザンファーム天栄で調整が続けられてきたグランアレグリアであるが、今回は厩舎での管理が続けられていた。

 「状態はいいと聞いていましたし、実際にパドックを見ても、前走よりマイナス2kgという馬体重以上に馬体が締まって見えました。阪神コースも得意とする条件でしたし、メンバーこそ揃いましたが、現時点でのマイルの最強馬を決めるには、絶好の状態で臨めると思いました」

 この勝利で、史上12頭目となる春秋マイルG1制覇となり、同年度での達成は史上8頭目。また、牝馬によるマイルCS(G1)優勝は、2008年のブルーメンブラット以来、6頭目ともなった。

 「芝のマイルでは歴代でも上位にランキングされるような馬でしょうし、自分自身、これほどの馬にはそう巡り会えないと思います。馬体重にも証明されているように、最近になって、心身共に完成してきたような印象も受けますし、来年以降も強いレースを見せてくれそうです」

 来年も芝マイルどころか、スプリントも含めた、短距離戦線も席巻してくれそうなグランアレグリアであるが、窪田調教主任は更に高い目標を思い描く。

 「コロナの収束が図られてからになるのかもしれませんが、今のグランアレグリアが、世界の競馬でどこまで戦えるのかが見てみたいです」

 日本最強マイラーから世界最強マイラーへ。充実期を迎えたグランアレグリアなら、それもやすやすと叶えてくれるはずだ。