2020年10月12日 マイルChS南部杯(中央交流) Jpn1
優勝馬:アルクトス
プロフィール
- 生年月日
- 2015年05月02日 05歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:17戦8勝
- 総収得賞金
- 299,643,000円
- 父
- アドマイヤオーラ
- 母 (母父)
- ホシニイノリヲ by シンボリクリスエス(USA)
- 馬主
- 山口 功一郎
- 生産者
- 須崎牧場 (新冠)
- 調教師
- 栗田 徹
- 騎手
- 田邊 裕信
優勝馬の馬主には、江戸時代に盛岡藩を治めていた南部家の当主から優勝杯が手渡されるというマイルチャンピオンシップ南部杯(Jpn1)。盛岡競馬場のワンターンコースを使った迫力あるレースが、毎年のように展開される。
今年も6頭のG1/Jpn1勝ち馬が顔を揃える豪華メンバーとなったが、勝ったのは田邊裕信騎手騎乗の6番人気アルクトス。優勝タイムの1分32秒7は、ダート1600mの日本レコードとなった。
また、この日の売上げは24億3,734万9,100円。第14回JBC盛岡を除く、岩手競馬の売り上げレコードとなり、南部杯1レースでも17億7,595万900円と、過去最高を記録した。
記録にも、記憶にも残るレコード決着となった「第33回マイルチャンピオンシップ南部杯(Jpn1)」を勝ったアルクトスの生まれ故郷は、新冠町の須崎牧場。かつて、ホッカイドウ競馬からデビューし皐月賞(G1)に勝ったドクタースパートを送り出した牧場としても有名だ。毎年10~15頭程度の生産馬を送り出している。
場主の須崎孝治さんは「コロナの関係もあって牧場での応援となりましたが、今回は例年にない豪華メンバー。そんな馬たちを相手に、どんな競馬をしてくれるのか期待半分、不安半分の気持ちで見ていました」。レースの前からずっと降り続いていた雨がレースの直前になって一気に激しくなり、テレビの画面を通しても雨がはっきりと見えるようになったが、田辺騎手に導かれたアルクトスは先行集団をマークするような位置をキープする。「4コーナー手前で2着馬に馬体を併せに行けたので、これならと思いましたが、さすが相手もしぶとかった。ゴールするまで勝てるとは思いませんでした」とレース史上に残るような激戦を振り返った。
アルクトスは、須崎さんが副組合長を務める日高軽種馬農協が主催するセレクションセールの取引馬だ。祖母のコンキスタドレスを海外のせりで買い求め、大切に育ててきた血統で「せりに上場させるとき、すでにアドマイヤオーラの産駒は結果を出していましたし、この馬自身も雄大な馬格でバランスが良く、とてもきれいな馬でした。自信をもってセールに上場させて、山口オーナーと巡りあったのも運がよかったのだと思います。落札されたとき、とても嬉しそうだったのが、今でも印象に残っていますし、乗り替わりが当たり前の時代にデビュー4戦目から田辺騎手が乗り続けてくれていることも、この馬を高く評価してくれているみたいで嬉しい」と声を弾ませている。
次走についてお聞きすると「チャンピオンズカップ(G1)と聞いています。同じ左回りでも距離が延びますし、相手は一段と強くなると思いますが、それでもG1競走の舞台に立てるだけでも生産者にとっては大変なこと。ケガをしないのが1番ですけど、この馬らしい、悔いの競馬をして欲しい」と話している。