重賞ウィナーレポート

2020年11月14日 デイリー杯2歳S G2

2020年11月14日 阪神競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:レッドベルオーブ

プロフィール

生年月日
2018年04月05日 02歳
性別/毛色
牡/青鹿毛
戦績
国内:3戦2勝
総収得賞金
99,073,000円
ディープインパクト
母 (母父)
レッドファンタジア(USA)  by  Unbridled's Song(USA)
馬主
(株) 東京ホースレーシング
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
藤原 英昭
騎手
福永 祐一
  • 育成馬は毎週のように重賞を勝利している
    育成馬は毎週のように重賞を勝利している
  • 先日のマイルCS(G1)では育成馬のインディチャンプが2着に入着した
    先日のマイルCS(G1)では育成馬のインディチャンプが2着に入着した

 前走の2歳未勝利戦を2歳コースレコードで勝利。続くデイリー杯2歳S(G2)では、前年にこのレースを制したレッドベルジュールとの兄弟制覇が期待されたのがレッドベルオーブである。

 「最初に厩舎に来たときは、牝馬かと思った程に線の細い馬でした。それでも乗り出しを始めると、その馬体からは想像出来ないほどにしっかりとしていたのには驚きました」と話してくれるのは、レッドベルオーブの育成を手がけた、ノーザンファーム空港の大木誠司厩舎長。兄のレッドベルジュールも空港牧場で育成されていたこともあり、関係者から色々な話も聞いていたというが、共通していたのは、「同時期の兄よりも動き、馬体共にいい」との言葉だった。

 「兄も重賞を勝っていただけに、それ以上の成績も期待できるのではと思いました。時計を出す調教にも苦労しなかったのですが、乗り込みを続けていく中で前向きさが前面に出てきて、手綱を抑えるのに苦労するようにもなってきました」

 8月8日のメイクデビュー新潟で初戦を迎えたレッドベルオーブは、終いの脚を伸ばすレースをしたものの、前の馬を捕らえられずに2着に敗れる。しかしながら、2歳未勝利戦では1000m通過57秒2という速い流れの中を早めに先頭に立ち、そのまま後続に3馬身1/2差を付ける快勝。1分33秒1という時計も驚異的だったが、鞍上の福永祐一騎手からも、「次走は重賞に挑戦してもいいぐらい」との高い評価を受けていた。

 「道中は行きたがっていながら、最後は突き放していたので、相当強い馬だなと思いました。それだけに次のレースは折り合い面で成長が見られればと思っていたのですが…」

 福永騎手の言葉通りに、未勝利優勝からの重賞挑戦となったデイリー杯2歳S(G2)。道中は中団に待機するも、前の馬を交わしたいという気持ちが出てしまったのか、しきりに頭を上げるような仕草を見せていく。最後の直線ではホウオウアマゾンとの叩き合いとなるも、アタマ差凌いでの優勝。決して優等生なレース内容ではなかったが、勝ち時計の1分32秒4は2歳コースレコードでもあり、速さだけでなく、勝負根性も示しての初重賞制覇となった。

 「まだ上のレースを戦っていくには、気性のコントロールが必要となってくると思います。それでも強いレース内容でしたし、藤原先生や厩舎の皆さん、そしてノーザンファームしがらきのスタッフの元で、心身共に更なる成長を期待しています」

 兄レッドベルジュールは咽の疾患もあり、10月17日に競走馬登録を抹消して、アロースタッドでの種牡馬入りを発表。高い能力だけでなく、血統背景も評価された形となったが、今後、全弟となるレッドベルオーブが、兄の種牡馬としての評価を、更に高めてくれそうだ。