2020年10月11日 京都大賞典 G2
優勝馬:グローリーヴェイズ
プロフィール
- 生年月日
- 2015年03月02日 05歳
- 性別/毛色
- 牡/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:11戦4勝
- 総収得賞金
- 308,978,000円
- 母 (母父)
- メジロツボネ by スウェプトオーヴァーボード(USA)
- 馬主
- 有限会社シルク
- 生産者
- レイクヴィラファーム (洞爺湖)
- 調教師
- 尾関 知人
- 騎手
- 川田 将雅
秋の中距離G1戦線へと続く「京都大賞典(G2)」が10月11日、京都競馬場で行われ、先行馬を見るような位置でレースを進めた川田将雅騎手騎乗の3番人気グローリーヴェイズが早めに抜け出して優勝。昨年暮れの香港ヴァーズ(G1)に続く重賞制覇で、通算成績を12戦5勝2着3回とした。同馬の生まれ故郷は北海道洞爺湖町のレイクヴィラファーム。同牧場生産馬による重賞制覇は今年5月のスズカプレスト以来、今年3勝目となった。
同ファームの岩崎義久さんは「もちろん期待はしていましたが、今年に入ってからは遠征したドバイでレースが使えなかたり、帰国初戦となった宝塚記念(G1)ではまったく良いところがなかったりと、良いところがなかったので、正直言えば半信半疑でした」。昨年の天皇賞(春) (G1)ではフィエールマンとともに3着以下を大きく引き離して一騎打ちを演じた実力馬だけに、そのコメントからも期待も大きく、復活にかける思いが伝わってくる。
それだけに「この馬にとって決して有利な条件がそろっていたわけではないと思いますが、強い競馬だったと思います。嬉しい」と3つめの重賞タイトルに白い歯を見せた。
母メジロツボネは、三冠牝馬メジロラモーヌの血を引く貴重な繁殖牝馬。スウェプトオーヴァーボード産駒らしいスピードを武器に、芝の短距離レースで4勝を挙げたスピード馬だった。
「今でも運動量が豊富な馬で、放牧地では仔馬と一緒に走りまわるスパルタ教育お母さんです。グローリーヴェイズもずいぶんと鍛えられていました」と冗談交じりに牧場時代のことを振り返ってくれた。離乳を経て、すくすくと育ったグローリーヴェイズこと、メジロツボネ2015は、セレクトセール1歳市場に上場されて、(有)シルク・ホースクラブによって落札されている。
「メジロラモーヌのファミリーからの活躍馬という意味でも感慨深いものがあります。いま、レイクヴィラファームではこの馬の母メジロツボネだけが、メジロラモーヌの血を伝える繁殖牝馬なのです。もちろん、残したいとは思っていますが、今のレイクヴィラファームの繁殖レベルを考えると、繁殖牝馬として戻す基準を高くせざるを得ないのです」とポツリ。血の更新は、牧場を発展させていくうえでは不可欠なもので、淘汰選択の基準に妥協は禁物だ。「ただ、メジロツボネがこうして初仔から素晴らしい馬を出してくれたのは心強いです。グローリーヴェイズが頑張ってくれることが、これから生まれてくる弟や、妹の価値をあげてくれますし、当然、配合種牡馬も変わってくると思います。メジロツボネもまだ12歳。初仔から3頭連続で牡馬を産んでくれていますので、血を残すためには牝馬が欲しいですね」と苦笑い。淘汰選択を繰り返しながら、血を継承させていかなければならないサラブレッド生産の難しさが窺い知れる話もしてくれた。
「グローリーヴェイズは、年齢の割にはキャリアも少なく、まだまだ成長が見込める馬だと思います。次走はジャパンカップ(G1)と聞いています。相手は強いですが、頑張ってほしいし、種牡馬への道を切り拓いて欲しい」。
「競馬場に行けない分、テレビの前で精一杯応援するつもりです」と締めくくってくれた。