重賞ウィナーレポート

2020年06月09日 東海ダービー(DS2020)

2020年06月09日 名古屋競馬場 晴 良 ダ 1900m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ニュータウンガール

プロフィール

生年月日
2017年05月07日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:11戦8勝
総収得賞金
40,618,000円
スズカコーズウェイ
母 (母父)
サジッタ  by  ネオユニヴァース
馬主
(有) 新生ファーム
生産者
新生ファーム (門別)
調教師
井上 孝彦
騎手
佐藤 友則
  • ニュータウンガールの母サジッタと今年生まれた当歳馬
    ニュータウンガールの母サジッタと今年生まれた当歳馬
  • 母サジッタは世界的名牝グロリアスソングからつながる牝系出身
    母サジッタは世界的名牝グロリアスソングからつながる牝系出身
  • ニュータウンガールの半弟(牡当歳、父ディスクリートキャット)
    ニュータウンガールの半弟(牡当歳、父ディスクリートキャット)
  • 休養で牧場に戻っていたニュータウンガールの半兄フォアフロント(牡4歳、父スターリングローズ)
    休養で牧場に戻っていたニュータウンガールの半兄フォアフロント(牡4歳、父スターリングローズ)
  • 新生ファームの放牧地
    新生ファームの放牧地

 『ダービーシリーズ2020』の第5戦「東海ダービー(名古屋)」は、1.3倍の圧倒的人気に応えて笠松所属の牝馬ニュータウンガールが優勝。昨年末のライデンリーダー記念(笠松)からつづく重賞連勝記録を「5」に伸ばすとともに、5月の駿蹄賞(名古屋)と合わせて東海クラシック二冠をなし遂げた。

 ニュータウンガールの生まれ故郷は、日高町の新生ファーム。生産馬のダブルオーセブンとシーギリヤガールは共にホッカイドウ競馬の所属馬としてJRA札幌の2歳芝オープン・すずらん賞に優勝(2010年と2012年)。その他、ネガティヴが2014年のエーデルワイス賞(Jpn3)で3着するなど、門別デビューから全国へ羽ばたく活躍馬を多数送り出してきた。近年は、ジェネラーレウーノが2018年の京成杯(G3)とセントライト記念(G2)を制してJRAのクラシック戦線で活躍。そして今年、オーナーブリーディングホースのアクアリーブルが南関東牝馬二冠を達成。生産から育成までを一貫して手掛ける新進気鋭の総合牧場だ。

 「今年のダービーシリーズには生産馬4頭が出走しました。結果的に勝てたのはニュータウンガールだけでしたが、ピアノマン(東北優駿2着)、ハイタッチガール(石川ダービー5着)、ファルコンウィング(東京ダービー10着)もそれぞれ頑張ってくれたと思います。やはりダービーは、関係者にとって特別なレースですからね」と話すのは、新生ファームの2代目社長・木村敬生さん。「ニュータウンガールは圧倒的人気になっていましたが、ダービーは他陣営も必死になって獲りにきますし、何が起きるかわからないのでドキドキしながら応援していました。大きなプレッシャーのなかで、レースまで無事に持っていってくれた厩舎の皆さんの力が大きかったと思います」とニュータウンガールに関わった厩舎スタッフに感謝する。

 ニュータウンガールは、母サジッタの3番仔として2017年に誕生。父スズカコーズウェイの4世代目産駒となる。「スズカコーズウェイはサンデーサイレンスの血を持たないので配合しやすく、先代の時代から期待してよく種付けしていた種牡馬なんです。母のサジッタは3代母に世界的名牝グロリアスソングがいて、仔出しも優秀な繁殖牝馬です」と母馬を紹介してくれたのは、繁殖責任者の平野稔史さん。「ニュータウンガールは生まれたときから脚長で見栄えのする体型をしていました。牝馬特有のうるさい面もありましたが、怪我や病気もなく順調に育ってくれました」と牧場で過ごした時期を振り返る。

 ニュータウンガールの1歳上には同じ笠松・井上孝彦厩舎に所属するフォアフロント(牡4歳、父スターリングローズ)がいて、笠松の重賞・ぎふ清流カップを制したのちに東海ダービー(名古屋)3着、西日本ダービー(高知)2着と活躍。そして牧場では1歳の牡馬(父バゴ)と当歳の牡馬(父ディスクリートキャット)が元気に育っている。「今年生まれた牡馬は体も大きくて、走りそうな雰囲気を持っていますね。兄姉を超える活躍を期待しています」と未来に夢を膨らませている。

 「今後は馬の体調と相談しながらになるでしょうが、とりあえずは8月の岐阜金賞(笠松)で東海三冠を目指してほしいと思います。それから秋のダービーグランプリ(盛岡)やロジータ記念(川崎)でアクアリーブルと対戦するような機会があれば、我々にとっては夢のような話ですね」と笑顔を見せる木村さんと平野さん。2か月違いで生まれて同じ放牧地で育った牝馬が、3年後に地方競馬のトップを争うレースで再会する。それが実現すれば、両馬のオーナーブリーダーである新生ファームにとってはもちろん、全国の競馬ファンにとっても最高の夢舞台となるはずだ。