2020年03月15日 金鯱賞 G2
優勝馬:サートゥルナーリア
プロフィール
- 生年月日
- 2016年03月21日 04歳
- 性別/毛色
- 牡/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:9戦6勝
- 総収得賞金
- 523,585,000円
- 馬主
- (有) キャロットファーム
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 角居 勝彦
- 騎手
- C.ルメール
完成度の違いと言うよりも、同世代の馬たちとの能力の違いを示したホープフルS(G1)。休み明けなど関係なく、むしろクラシックのタイトルさえ、この馬にとって通過点であることを証明したかのような皐月賞(G1)。
この2つのレースを見てきただけに、その後の日本ダービー(G1)、そして、天皇賞(秋)(G1)における、サートゥルナーリアの走りに、なんとも言えない思いを持っていたファンは多かったに違いない。それは、育成を手がけてきた、ノーザンファーム早来の伊藤隆行厩舎長も一緒だった。
「今回は自分自身の戦いだと思いながらレースを見ていました。牧場では右回りも左回りも関係なく走れていましたし、勿論、角居厩舎の皆さんや、ノーザンファームしがらきのスタッフなど、様々なホースマンの方が工夫をされて調教を行われてきたはずです。それだけに、なぜあの2戦でああいったことになってしまったのかが分かりませんでした」
この金鯱賞(G2)も日本ダービー(G1)、天皇賞(秋)(G1)と同じく左回りの競馬。だが、新型コロナウイルスの影響もあり、無観客での開催が続いている中でのレース施行となった。
「ファンの方が入っていないこともあったのか、パドックだけでなく輪乗りも落ち着いて歩けているように見えました。あとはレースでも違和感を持たずに走ってくれればと思っていましたが、強かったとしか言い様がない競馬でしたし、改めてサートゥルナーリアは素晴らしい馬であることを実感しました」
まさに完勝と言っていいレース内容だった。デビュー以来、最高の斤量となる58㎏を背負ってゲートを飛び出したサートゥルナーリアは、1000m通過が63秒6というスローペースでも自分のリズムを崩すことのない走りを見せていく。最後の直線では外に進路を向けていき、そこから一歩、また一歩と加速を続けていくと、あっという間に馬群を置き去りにしていく。上がり3ハロンの33秒2は、勿論、メンバー中最速の時計。4歳を迎えての初戦で、改めて「日本最強馬」クラスの馬であることを証明した。
しかしながら「本当のサートゥルナーリアの走りはこんなものではありません」と伊藤厩舎長は話す。「まだ、目一杯に仕上げてはいなかったと思いますし、ペースが一気に上がった4コーナーでの動きにも重さが残っていました。それだけに次のレースではまだ調子が上がってくると思いますし、競走馬としても、更に成長した姿を見せてくれるはずです」
次走は宝塚記念(G1)を予定。ここで改めて古馬を退けたその時、サートゥルナーリアは「真の日本最強馬」となるのだろう。