重賞ウィナーレポート

2020年02月15日 クイーンC G3

2020年02月15日 東京競馬場 曇 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ミヤマザクラ

プロフィール

生年月日
2017年05月02日 03歳
性別/毛色
牝/芦毛
戦績
国内:4戦2勝
総収得賞金
65,180,000円
ディープインパクト
母 (母父)
ミスパスカリ  by  Mr. Greeley(USA)
馬主
金子真人ホールディングス (株)
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
藤原 英昭
騎手
福永 祐一
  • ミヤマザクラの育成先となったC-5厩舎
    ミヤマザクラの育成先となったC-5厩舎
  • 今月末からは2歳馬の取材も始まる
    今月末からは2歳馬の取材も始まる

 衝撃の新馬戦ならぬ、「衝撃の未勝利戦」を勝ち上がったミヤマザクラ。札幌競馬場の芝2000mにおける勝ち時計2分2秒1はレコードタイムでもあり、しかも3コーナーからまくり上げていきながら、直線に入ってからも脚色が衰えることなく、後続との差をあっという間に広げていった。

 この圧巻のレース内容からしても、育成時からかなりの評価を受けていたのではと思っていたが、管理をしていたノーザンファーム空港の窪田淳調教主任曰く、「イヤリングから来た当初は幼さも抜けきってなく、デビューまでは時間を取った方がいいと思っていました」と意外なエピソードを教えてくれる。まだつぼみだったミヤマザクラが、才能の花を咲かせた時期。それは北海道にも春の足音が聞こえてくる3月頃だったと窪田調教主任は話す。

 「この頃から一気に力を付けてきた感もあり、動きにも芯が入ってきたような印象を受けました。動きだけでなく、馬体もしっかりとしてきたからか、調教を強めても馬体が減ることもなくなり、こちらが思い描いていたような調教ができるようになっていました」(窪田調教主任)

 その後も順調に調教が進められていったミヤマザクラは、いつしかデビューの予定時期も早められただけでなく、競馬場に入ってからも調教での動きや、血統背景なども評価される形で更に評価を高めていき、4着に敗れたとは言えども、新馬戦では1番人気の評価を集める。

 未勝利戦を勝ち上がったミヤマザクラが次に臨んだのが、初重賞挑戦となるR-NIKKEI杯京都2歳S(G3)。9頭の出走馬の中で唯一の牝馬にも関わらず、単勝1倍台という圧倒的な人気を集めたマイラプソディに続く2番人気に支持されると、2馬身差の2着に入着し、改めて能力の高さを証明する。

 「敗れはしましたが、あのメンバーを相手に2着となれたことで、改めて高い能力を持った馬だと思いました」

 それから約3か月、まさに万全の状態で臨んできた感もある、このクイーンC(G3)であったが、まさに今年の牝馬クラシック戦線の主役を狙う馬たちが、ずらりと揃ったレースともなった。

 このレース、2番人気の支持を集めたミヤマザクラは、好スタートを決めると2番手を追走。東京競馬場の長い直線で早めに抜け出すと、迫ってきたマジックキャッスルをクビ差競り落としてタイトルを掴みとる。

 「今後を考えた時にも、ここで重賞を勝ってくれたことは大きいと思いますし、改めてクラシックでも勝ち負けの能力を持った馬であることが証明できたとも思います。まだまだ成長してくれるとも思いますし、今後の活躍が楽しみです」と話す窪田調教主任。馬名の由来となった深山桜の開花時期は5月に入ってからだというが、ミヤマザクラは4月12日に桜花賞(G1)が行われる阪神競馬場で、大輪の花を咲かせるのかも知れない。