重賞ウィナーレポート

2019年11月10日 福島記念 G3

2019年11月10日 福島競馬場 晴 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:クレッシェンドラヴ

プロフィール

生年月日
2014年04月14日 05歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:20戦6勝
総収得賞金
208,404,000円
ステイゴールド
母 (母父)
ハイアーラヴ(IRE)  by  Sadler's Wells(USA)
馬主
広尾レース (株)
生産者
木村 秀則 (静内)
調教師
林 徹
騎手
内田 博幸

 夏の福島開催時で行われる七夕賞(G3)とともに、福島競馬場の名物となっているハンデキャップ重賞「第55回福島記念(G3)」は11月10日、福島競馬場で行われ、新ひだか町の木村秀則牧場生産クレッシェンドラヴが直線早めに先頭にたって、そのまま後続の追撃を退けた。

 林徹調教師はJRA重賞初勝利。内田博幸騎手は春のニュージーランドトロフィー(G2)以来の重賞勝利でJRA重賞通算50勝目。2011年に北海道新ひだか町で創業した木村秀則さんの牧場にとっても重賞初勝利となった。

 木村さんの牧場は、日高町方面から浦河方面へ向かう途中の、新ひだか町の入り口近くにある。起伏に富んだ広大な土地を利用し、毎年10数頭を生産している中堅牧場だ。クレッシェンドラヴは、その3世代目。これまで17年京成杯(G3)(ガンサリュート)19年七夕賞(G3)(クレッシェンドラヴ)19年京成杯オータムハンデ(G3)(ディメンシオン)と3度の重賞2着経験を経ての初勝利となった。

 人馬ともに重賞初勝利のその瞬間を木村秀則代表は福島競馬場で立ち会うことができたと言う。「この勝利は今まで支えてくれたたくさんの方々のおかげ。今回、福島競馬場で直接お礼を言えた方、言えなかった含め、すべての方々に感謝したいです」と喜びを表現した。

 生まれた時から期待が高かった馬だという。「母ハイアーラヴはオーナーがヨーロッパの繁殖セールで、オーナーでもある広尾レース様が購入した馬です。日本での2番仔にあたるクレッシェンドラヴは、生まれたときから綺麗な形の馬でしたが、同期のガンサリュートやディメンシオンと比べるとやや奥手の印象の馬でした」と牧場時代の印象を話してくれた。実際、馬に身が入ってきたなと思ったのは1歳春。その後は日高町のファンタストクラブへと移動し、2歳秋にデビューする。

 「調教で動く馬だと聞いていましたし、デビュー戦は応援に行きました。パドックでも良い状態に見えましたし、1番人気の支持をいただいたのですが、出遅れて競馬にならず。自分自身もがっかりでしたが、会員の方々に申し訳ないような、そんな気持ちになりました」

 それでも。3歳2月に初勝利を記録してからのクレッシェンドラヴは1戦毎に成長を重ね、5歳となった今年3月に準オープン特別を勝ってオープン入り。「オールカマー(G2)も応援に行かせていただきましたが、そのときにはっきりと成長を感じました」と話し、今回、福島競馬場のパドックで愛馬との対面を果たしたときも「こんなに逞しい馬にしていただいて感謝しかありません」と言葉を続けた。

 重賞初勝利の感想を尋ねると「勝ちきれないことが続いていましたが、ずいぶんとあっさりと勝ってしまったという印象です」と愛馬の成長を称え「まだまだ強くなってくれると思います。この勝利で、少しでも恩返しが出来たのなら嬉しいですし、自分自身も成長していきたいと思います。クレッシェンドラヴは、たくさんの方々に応援されている馬でもありますし、怪我をすることなく長く、競走馬として活躍して欲しいと思っています」と期待している。