重賞ウィナーレポート

2019年11月03日 みやこS G3

2019年11月03日 京都競馬場 曇 良 ダ 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ヴェンジェンス

プロフィール

生年月日
2013年03月26日 06歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:25戦7勝
総収得賞金
257,766,000円
カジノドライヴ(USA)
母 (母父)
スペシャルクイン  by  スペシャルウィーク
馬主
宮川 純造
生産者
富田牧場 (浦河)
調教師
大根田 裕之
騎手
幸 英明

 優勝馬にはチャンピオンズカップ(G1)の優先出走権が与えられる第9回みやこS(G3)は、11月3日、京都競馬場で行われ、浦河町の富田牧場生産ヴェンジェンスが後方待機策から向こう正面で進出。3~4コーナーでは大外をまわりながら早めに先頭に立つと、追い上げる2着以下を抑えて優勝。25戦目で嬉しい重賞初勝利となった。

 鞍上の幸英明騎手にとっては、昨年のヴィクトリアマイル(G1) (優勝馬ジュールポレール)以来の重賞勝利でJRA通算38勝目。管理する大根田調教師にとっては昨年の阪神カップ(G2) (優勝馬ダイアナヘイロー)以来の重賞勝利で通算6勝目。父カジノドライヴにとってはJRA重賞初勝利となった。

 浦河町にある富田牧場は1940年創業。その長い歴史の中で天皇賞馬カミノテシオやダービー2着馬インターグッド、近年ではサンライズソア(18年平安S(G3))キャンディバローズ(15年ファンタジーS(G3))ケイアイレオーネ(13年シリウスS(G3))などの活躍馬を出してきた。

 代表の富田秀一さんは「(7番人気とレース前の評価はあまり高くなかったが)ダート重賞は縁があるね」と笑顔。「重賞競走は出走できるだけも名誉なことです。勝ててG1レースの優先出走権まで与えてもらえるとは、生産者冥利に尽きます」と感謝の言葉を続けた。

 母スペシャルクインはJRA4勝馬。準オープン特別の橿原Sを逃げ切るなど活躍した牝馬だった。「ウチの生産馬ではありませんが、ソシアルバターフライ系で馬格もあって、活躍した馬でした。ヴェンジェンスはスペシャルクインの初仔になりますが、カジノドライヴの初年度産駒でもあります。そのために比較が難しかったですが、十分に合格点が与えられる馬でした」。

 中期育成を経て、父カジノドライヴも扱っていたファンタストクラブへと移動。そこで鍛えられて、2歳9月の新馬戦を快勝し、3戦目の寒椿賞はクビ差敗れたものの、逃げてレコード決着を演出。しかし、レース後に骨折が判明。長期休養を余儀なくされる。育成を担当したファンタストクラブの米田氏は「最初に送り出すまでは苦労した記憶はありませんが、これからというときに骨折してしまったのが残念です。5歳夏にも休養で戻ってきたときは、馬主や調教師と相談して、とにかくリフレッシュした状態で厩舎に戻すことを念頭にメニューを組み立てました」。その甲斐あって、オープン特別を2連勝したのち、プロキオンS(G3)は3着だったが、みやこS(G3)に勝利に繋がった。

 愛馬のこうした成長に富田さんは「長い休養のあった馬ですから、待ってくれた関係者の方々には感謝の気持ちで一杯です。自分たちのような牧場にとって、重賞競走ましてG1競走は夢のような舞台、ひとつでも上の着順に頑張って欲しいという気持ちはありますが、それ以上に無事に、この馬らしい競馬をしてくれることを期待したいと思います」と晴れやかな表情で話してくれた。