重賞ウィナーレポート

2026年06月14日 宝塚記念 G1

2026年06月14日 阪神競馬場 雨 重 芝 2200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:メイショウタバル

プロフィール

生年月日
2021年04月20日 05歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:14戦6勝
総収得賞金
842,785,000円
ゴールドシップ
母 (母父)
メイショウツバクロ  by  フレンチデピュティ(USA)
馬主
松本 好隆
生産者
三嶋牧場 (浦河)
調教師
石橋 守
騎手
武 豊

 昨年から開催時期が早まった中央競馬の春のグランプリ第67回宝塚記念(G1)が阪神競馬場芝2,200m、18頭立てで行われた。勝ったのは5歳牡馬で2番人気のメイショウタバル。今年4月の大阪杯(G1)では勝馬からコンマ1秒差2着だったが、この日の武豊騎手は2番手追走から最終コーナーで先頭にたち、そのまま2分12秒1(重)で押し切って先頭ゴールイン。2013、2014年のゴールドシップ、2020、2021年のクロノジェネシスに続く史上3頭目の宝塚記念(G1)連覇で、通算成績を15戦6勝2着1回(重賞4勝)とした。そして、この勝利は宝塚記念(G1)初の父仔制覇にもなり、生産した浦河町の三嶋牧場にとっては3年前のファストフォース(高松宮記念(G1))、一昨年のルガル(スプリンターズS(G1))、昨年のメイショウタバル(宝塚記念(G1))に続き、4年連続のJRA G1勝利となった。

 この日、競馬場で愛馬優勝の瞬間に立ち会った三嶋牧場の三嶋健一郎専務は「昨年の宝塚記念(G1)は、亡くなった松本好雄オーナー最後のG1勝利でしたし、今年の宝塚記念(G1)は松本好隆オーナーにとっては初めてのG1優勝。生産者にとっても格別の思いでした」と喜びを表現した。

 レース前、パドックで歩くメイショウタバルに調子の良さを感じ取り、発走時刻を楽しみにしていたというが、突然、前が見えなくなるほどの豪雨に見舞われた。「経験したことがないような雨で、馬場入りの様子もモニターでは確認できないほどでした」。当初予定していた自衛隊のファンファーレも中止となり、馬場状態は良から稍重をスキップして重馬場へ。

 「こんなこともあるんだなぁ」と、なかばあっけにとられる中でメイショウタバルは、そんなアクシデントも力に変えて先頭ゴールイン。「ゴールした瞬間は、いろいろな感情が入り混じりましたが、本当に嬉しかったです」と、やや複雑な表情で相好を崩した。

 昨年夏に「メイショウ」の冠で親しまれた松本好雄氏が亡くなった。「松本好雄オーナーは、三嶋牧場の馬が走らずに経営が苦しい時代から36年もの長きに渡り、馬を買い続けてくれました。そして、よく浦河まで足を運んでくれて牧場スタッフにまで声をかけ励ましてくれました。三嶋牧場にとって恩人です」とポツリ。「レースのあと、武豊騎手が『この雨は天国から松本好雄オーナーが降らせてくれたかな』と語っていたそうですが、本当にそうかもしれません」と言葉を続けた。

 そんな松本好雄オーナーとメイショウタバルの出会いは偶然だったという。たまたま三嶋牧場に足を運んでいた松本好雄オーナーが、事務所の前を歩く「メイショウツバクロの2021」にひと目惚れ。その場で購入を決めたそうだ。

 2歳秋に無事デビューを果たし3戦目に初勝利。毎日杯(G3)に勝って日本ダービー(G1)に駒を進めたが、左後肢挫石による出走取消。秋初戦の神戸新聞杯(G2)で復活を遂げるも、菊花賞(G1)では折り合いを欠いて馬群に沈み、年明け初戦の日経新春杯(G2)も同様のレースを繰り返すなど、思うようにいかないことが多かったが「松本好雄オーナーが進言しくれたドバイ遠征(ドバイターフ(G1)5着)から馬が変わってくれました。昨年は稍重馬場で行われた宝塚記念(G1)で初G1制覇。そして宝塚記念(G1)連覇と牧場の期待を超えて大活躍してくれました。石橋調教師と武豊騎手には感謝しかありません。そういえばタバルの母メイショウツバクロは石橋調教師が現役最後の勝利を遂げた愛馬でした。〝人がいて、馬がいて、また人がいる〟という松本好雄会長の言葉ではありませんが不思議な縁ですね」と言葉を噛み締めた。「牧場を支え続けてくれた松本好雄オーナーに、少しなら恩返しができたのではないかと思います。この秋は、フランスに向かうかもしれないと聞いています。それは牧場にとってもとても名誉なことです。もし、出走するような武豊騎手にとっても、永年の目標のはず。ぜひ頑張ってほしいです」と期待に胸を膨らませている。