重賞ウィナーレポート

2026年06月07日 安田記念 G1

2026年06月07日 東京競馬場 曇 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:シックスペンス

プロフィール

生年月日
2021年04月17日 05歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:13戦6勝
総収得賞金
420,697,000円
キズナ
母 (母父)
フィンレイズラッキーチャーム(USA)  by  Twirling Candy(USA)
馬主
(有) キャロットファーム
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
田中 博康
騎手
武 豊

 ノーザンファーム早来の山内大輔調教主任は、管理していた厩舎で育成されていたロブチェンが、皐月賞(G1)に続き、日本ダービー(G1)も制覇。他の厩舎からも続々と勝馬が誕生している。

 その山内大輔調教主任が、厩舎長時代に管理していた育成馬がシックスペンスとなる。デビューからの3連勝でスプリングS(G2)を優勝。3歳時に古馬を向こうに回しては毎日王冠(G2)を優勝し、4歳時にも中山記念(G2)を優勝と、優れた能力を証明してきたが、今年の安田記念(G1)まで5度に渡って出走してきたG1レースでは、なかなか勝ちに届かないでいた。

 「2歳時は芝のマイルで強いレースを見せていましたし、その後は距離を伸ばしても、ダートのレースでも好走を続けていてくれました。関係者の皆さんも、この馬になんとかタイトルを取らせたいと思いながら、様々な可能性を探っていてくれたのだと思います」(山内大輔調教主任)

 昨年の大阪杯(G1)は敗れたと言えども、レコード決着かつ、勝ったベラジオオペラとは0秒4差であり、12着に敗れた安田記念(G1)でも、先行しながら最後の直線でも粘りを見せていた。

 転機があったとするのなら、それまで管理をしてきた国枝栄調教師が定年で引退し、今年の3月からは田中博康厩舎へと転厩したことだった。

 「右前の歩様にも現れているように、脚元に癖がある馬であり、国枝栄先生の元では常にケアをしてもらっていました。田中博康先生に管理が変わってからも、手間をおかけしていたとは思いますが、その中で様々なことに取り組んでいたと聞いています」

 名伯楽から、新進気鋭のトレーナーへのバトンタッチ。それは、能力を開花させるために、様々な準備を重ねてきたシックスペンスにとって、必要な時間だったのかもしれない。

 久しぶりの芝でのレースとなるマイラーズC(G2)では7着ながらも、勝馬とは0秒4差と、芝向きのスピードが損なわれていなかったことを証明する。そして安田記念(G1)の前日となる土曜日、陣営はシックスペンスに対して、ウッドコースで長めから追い、速い時計をマークするといった、意欲的な調教を行う。

 「G1の前日に凄いことをしているなと思いました。それも試行錯誤してきた中で、田中博康先生がまた新たな取り組みをしている証であり、レースでどんな結果が出るのだろうかと楽しみになりました」

 安田記念(G1)の前の週に行われた日本ダービー(G1)に続き、山内大輔調教主任は安田記念(G1)も自宅からの応援することにした。

 「主任になってから、引っ込み思案になっているのかもしれませんが(笑)、今回は自分が厩舎長時代に乗ってくれていたスタッフに、競馬場へ応援に行ってもらおうと思いました」

 テレビの画面越しからも、シックスペンスの状態の良さは伝わってきていた。スムーズにスタートを切ったシックスペンスは、逃げたワールズエンドをマークする形でレースを進めていく。

 「いい位置でレースを進めていると思いましたし、これまでの好走歴を見ても、前々の位置にいたほうがいい結果が出ていたので、ひょっとしたらはまるのではないかとも思いました」

 最後の直線に入ってからも、ワールズエンドのスピードに陰りは見られない。その後ろにいたシックスペンスは、じりじりとその差を詰めていく。後方からはガイアフォース、セイウンハーデス、パンジャタワーが脚を伸ばすも、ワールズエンドをゴール板手前で交わし切ったシックスペンスが、ガイアフォースの追撃も振り切り、デビュー13戦目にしてついにG1ウィナーとなった。

 「シックスペンスの勝ちパターンにバッチリとはまりました。それを引き出してくれた、武豊騎手には感謝しかありません。その武豊騎手だけでなく、前任の国枝栄先生や、当時の厩舎スタッフの皆さん、田中博康先生や厩舎スタッフの皆さん、そしてノーザンファーム天栄のスタッフと、この馬に対して色々なアプローチを図ってくれたと思います。その繋がりがG1に導いてくれたのでしょう」

 山内大輔調教主任は厩舎長時代に9世代の育成馬を担当してきた。そして、シックスペンスの安田記念(G1)優勝で、7世代の育成馬からG1馬を送り出し、G1勝利数は8勝を数えた。

 「シックスペンスの1つ下の世代まで厩舎長をしていましたが、その中でもダノンシーマは大きいところを狙える馬だけに、今後の活躍が楽しみです。勿論、シックスペンスにも更なるG1タイトルを期待しています」

 シックスペンスの次走は初の海外遠征となる、8月16日の ジャックルマロワ賞(G1)となる。ここでも武豊騎手の手綱に導かれて、海外でのG1制覇を期待したい。