重賞ウィナーレポート

2026年05月30日 葵S G3

2026年05月30日 京都競馬場 晴 良 芝 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:デアヴェローチェ

プロフィール

生年月日
2023年02月10日 03歳
性別/毛色
牝/芦毛
戦績
国内:7戦3勝
総収得賞金
69,367,000円
マテラスカイ(USA)
母 (母父)
ミニーアイル  by  ミッキーアイル
馬主
合同会社TO RACING
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
上村 洋行
騎手
北村 友一

 デアヴェローチェの父であるマテラスカイは昨年、初年度産駒がデビュー。ダートを中心とした産駒の活躍もあって、ダートのフレッシュサイアーランキングでは首位に輝いている。

 マテラスカイは一昨年の6月に3世代の産駒を残して早世してしまったのだが、デアヴェローチェが葵S(G3)を制して、天国の父に芝では初めてとなる重賞タイトルを授けた。

 「この世代が初年度産駒というのもありますが、デアヴェローチェが初めて接した、マテラスカイの産駒となります」と話すのは、育成を手掛けたノーザンファーム空港の佐藤信乃介厩舎長。当初、佐藤信乃介厩舎長は現役時の父のような筋肉質の逞しい馬をイメージしていたが、イヤリングから移動してきたデアヴェローチェは、そのイメージとは正反対と言える、可愛らしさを残した小柄な馬だった。

 「見た目もスラっとしていただけでなく、初めて乗った時の印象も、手先に軽さが合って、仕掛けた時の反応も、芝向きと思えるような素軽さがありました」

 馬体の成長も考慮した上で当初、本州への移動は遅らせる予定となっていたものの、順調に調教も進められたこともあって、本州が本格的な暑さを迎える前には入厩を果たす。

 「気性面も前向きさが出てきたので、それも考慮しながら、じっくりと進めてきました。デビュー戦からセンスのいい走りを見せていただけに、そう遠くない時期に勝ちあがれるなと思ってはいましたが、厩舎でも気性をコントロールしながら調教してもらえたことが、現在の活躍に繋がっていると思います」

 芝向きの馬と思っていた佐藤信乃介厩舎長の見解と同じように、上村調教師もまた、デアヴェローチェをデビューから一貫して芝でのレースを使ってきた。デビュー3戦目となる、2歳未勝利戦で初勝利をあげると、その後は桜花賞(G1)出走を目指して、エルフィンSとフィリーズレビュー(G2)に出走。勝利や優先出走権を取ることはできなかったものの、どちらのレースでも掲示板を確保してみせた。

 「決して恵まれた馬体をしてはいませんが、陣営が馬体重だけでなく、常にいい状態をキープしながら、レースに臨ませてくれているのは凄いと思いました。桜花賞(G1)の権利も取れるのではと期待をしていましたが、今回の重賞の結果を見ても、現時点では芝のスプリントがあっているのでしょう」

 デビュー6戦目となる、芝1,200mで行われた3歳1勝クラスを勝利したデアヴェローチェは、葵S(G3)に出走。重賞馬やリステッドでの勝馬を相手に5番人気の評価にとどまったものの、前目でレースを進めながら、ゴール前で鮮やかに抜け出すセンスの良さで、見事に重賞初制覇を飾った。

 「相手なりに走ってくれる印象もあっただけに、好走は出来ると思っていました。直線を迎えた時には勝ち負けの競馬だと思っていましたが、ここで重賞を勝てたのは嬉しかったですね」

 次走は北九州記念(G3)に出走。古馬とは初対戦となるが、過去に葵S(G3)を勝利してこの舞台に臨んだ、2024年のピューロマジックは優勝、2025年アブキールベイは3着となっており、好走どころか、重賞連勝も十分に期待できる。

 「相手は強くなると思いますが、いいレースを期待しています」とエールを送る佐藤信乃介厩舎長。追い切り後、管理をする上村調教師からは、「ここで勝ち負けをするようならば、スプリンターズS(G1)に行かせたい」との言葉も聞かれていただけに、G1制覇へと繋がるような走りを見せてもらいたい。