重賞ウィナーレポート

2026年05月31日 日本ダービー G1

2026年05月31日 東京競馬場 晴 良 芝 2400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ロブチェン

プロフィール

生年月日
2023年04月09日 03歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:5戦4勝
総収得賞金
640,320,000円
ワールドプレミア
母 (母父)
ソングライティング(USA)  by  Giant's Causeway(USA)
馬主
フォレストレーシング
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
杉山 晴紀
騎手
松山 弘平
  • ロブチェンも充実した夏を過ごしている
    ロブチェンも充実した夏を過ごしている
  • 旧知のカメラマンから送られてきた、日本ダービー(G1)の写真
    旧知のカメラマンから送られてきた、日本ダービー(G1)の写真

 7,944頭(持込馬、輸入された外国産馬を含む)のサラブレッド。その頂点を決める日本ダービー(G1)を制したのは、皐月賞(G1)を制して、この舞台に臨んできたロブチェンとなった。

 育成を手掛けてきた、ノーザンファーム早来の加我烈士厩舎長にとっては、この3歳世代が育成厩舎長として初めて手掛ける世代でもあり、また、ロブチェンの父であるワールドプレミアは、育成スタッフだった頃に騎乗してきたG1馬ともなる。

 皐月賞(G1)は厩舎スタッフの応援を任せた加我烈士厩舎長であるが、日本ダービー(G1)は自らが東京競馬場へと応援に出かけていた。

 「皐月賞(G1)の1番人気も光栄なことでしたが、日本ダービー(G1)でも1番人気に支持していただいたことは、感無量な思いがありました。これまでにも育成スタッフだった頃には、日本ダービー(G1)の応援に行っていましたが、今回はまた違った緊張感がありました」(加我烈士厩舎長)

 ただ、加我烈士厩舎長はパドックでのロブチェンの姿を見た時に、1番人気の評価とはまた違った意味で、ここにいる18頭の中で、ロブチェンが特別な存在であると確信する。

 「毛艶の良さは申し分なく、レースに臨むにあたり、研ぎ澄まされたような馬体に見えました。落ち着きの良さも含めて、100%を超える、120%の状態で出てきたような印象を受けました」

 ただ、芝の2,400mはロブチェンにとって初めての条件であり、何よりも大外の17番枠は、これまでの日本ダービー(G1)の結果からすると、決して好ましい枠とは言えなかった。

 「枠番が決まる前に、厩舎スタッフと『外枠に入るのは嫌だけど、その中でも最も良くないのは17番枠に入ることだな、と冗談交じりで話していました。結果はその通りとなってしまったので、ゲートが開く前まで、どんなレースをするのだろうかとの思いはありました」

 加我烈士厩舎長は外枠ながらも、共同通信杯(G3)のように前目でレースをするのではないかと想像していた。だが、ロブチェンは中団の外目につけると、そこで脚を溜めながら、最後の直線へと向かっていく。

 最後の直線で先頭に立っていたのは、皐月賞(G1)で2着となっていたリアライズシリウス。それを目標としたかのように、後続勢が一気に襲い掛かる。その中でも脚色がよかったバステールが先頭に躍り出るも、それに迫ってきたのが、日本ダービー(G1)を含めた東京芝2,400mの条件で、圧倒的な成績を残している、C.ルメール騎手を鞍上に据えたパントルナイーフだった。

 「道中の位置取りが思ったよりも後ろになっていただけに、最後の直線はドキドキしました。ただ、僕ら以上に松山騎手がロブチェンの能力を信じていた結果が、最後の末脚に現れたのかもしれません」

 ゴール板の手前、まさに図ったかのようにアタマ差だけ先に抜け出していたのがロブチェンだった。

 「確定が出た瞬間は、本当に特別な馬だと思いました。正直、一番苦しい競馬にはなったのではとも思いますが、アタマ差でもパントルナイーフを差し切った強さや勝負根性。そこに持久力もあって、末脚も備えていて、凄い馬だと思います」

 加我烈士厩舎長はゴール前のスロー映像が出た時、ファンと一緒のタイミングで歓声を上げると、芝の上で行われた口取り式へと向かう。

 「厩舎を任せてもらった初年度の世代から、物凄い感動をさせてもらっていると思いました。こんな景色はそうそう見られないなと思った一方で、だからこそ、またこんな感動を味わいたいとも思いました」

 レース後の6月11日にノーザンファーム早来へと戻ったロブチェンは、秋に向けての調整が行われていった。

 「目立った疲れも無かったので、すぐに乗り運動を再開できました。自分が手綱を取っているのですが、ハミにグングンと伝わってくるパワフルさと、スピードに乗ると沈み込むような走りも含めて、改めていい馬だと思いました」

 秋には史上9頭目の牡馬三冠制覇の期待もかかるが、牧場でもオンとオフの切り替えができているとのことであり、父が菊花賞馬であることからしても、距離が伸びてもなんら問題は無さそうだ。

 「クラシック2冠は杉山厩舎の皆さんと、ノーザンファームしがらきのスタッフがタイトルへと導いてくれました。向こうの関係者の皆さんに渡したバトンが、今回は返ってきただけに、しっかりとした状態に馬を仕上げて、そのバトンを渡した上で、菊花賞(G1)では先頭でゴール切れるような結果になってくれたら最高だと思います」と加我烈士厩舎長は力強く言葉を返してくれる。次走は9月21日に行われる神戸新聞杯(G2)からの始動を予定。ここでも二冠馬の強さを遺憾なく発揮して、父子菊花賞(G1)制覇と、三冠制覇へとひた走る。