重賞ウィナーレポート

2026年05月10日 NHKマイルC G1

2026年05月10日 東京競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ロデオドライブ

プロフィール

生年月日
2023年03月21日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:4戦3勝
総収得賞金
171,830,000円
サートゥルナーリア
母 (母父)
ビバリーヒルズ  by  スニッツェル(AUS)
馬主
吉田 勝己
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
辻 哲英
騎手
D.レーン

 ロデオドライブの能力を、最も高く評価していたのは競馬ファンだった。

 NZトロフィー(G2)での2着入着はあるものの、その時点でのレース経験は3戦2勝のみ。初勝利をあげた昨年の12月21日の同じ阪神競馬場では、朝日杯フューチュリティS(G1)も行われており、そのレースの勝馬となったカヴァレリッツォや、同レースの3着馬で、昨年のデイリー杯2歳S(G2)を勝利したアドマイヤクワッズも、今年のNHKマイルC(G1)には名を連ねていた。

 「レース当日のパドックを見ていましたが、トモの張りは抜群であり、周回を重ねていく雰囲気とか歩き方は、本当にいい状態でこの舞台に来れたなという印象がありました。これまでのレース内容だけでなく、その姿もファンの皆さんには感じ取ってもらえたのかもしれません」と話すのはノーザンファーム早来の伊藤隆行厩舎長。ロデオドライブの父である、サートゥルナーリアの育成も手掛けてきた伊藤隆行厩舎長であるが、イヤリング厩舎から来た頃のロデオドライブについては、「非常に憶病な性格をした馬でした」と当時の印象を振り返る。

 「繊細な面があっただけでなく、何かに驚いた時の反応が過敏でした。ただ、彼自身の中にはスイッチも持っていて、オフに切り替えた時にはこちらの指示も聞き入れてくれました」

 調教を重ねていく中で、伊藤隆行厩舎長がパドックでも高く評価していたトモの大きさは目立っており、また、走る馬に共通する背中の良さも感じられていた。

 「その一方で脚元の疲れも出ていたので、馬に無理させることなく、時にはリフレッシュも取り入れる形で調教を行ってきました。その中で馬体が更にボリュームアップして、非常に見栄えのする馬体へと変わっていきました」

 ただ、臆病な性格もあってかゲートに入るのは苦手であり、その情報を共有していたノーザンファーム天栄のスタッフだけでなく、厩舎に入ってからも管理を行う辻哲英調教師や厩舎スタッフが、丁寧なアプローチで不安を取り除いていった。

 「NHKマイルC(G1)でも厩舎スタッフの方が待機場まで行って、一緒に歩いてくれたそうです。ノーザンファーム天栄を含めて、関係者の皆さんには感謝しかありません」

 ロデオドライブ自身、負けたレースからも次のレースに向けての準備を整えていった。1番人気で敗退したNZトロフィー(G2)だが、直線で伸びあぐねたのは、手前を変えてなかった影響もあったのではと、伊藤隆行厩舎長は話す。

 「最後の直線で津村明秀騎手が外では無く、内に進路を向けたのも、それが原因だと思いました。ただ、デビュー戦からの走りを含めて、あの時期の中山コースで優れたパフォーマンスを見せるのはデビューまで管理してきたモーリスと同様であり、ロデオドライブもまた、相当な活躍ができるのではと更に期待が膨らんでいきました」

 NHKマイルC(G1)で手綱を取るD.レーン騎手を乗せた最終追い切りでは、スムーズに手前を変えただけでなく、仕掛けた時には反応の良さも示すなど、申し分ない状態でNHKマイルC(G1)と臨んでいく。

 レースは1,000m通過が56秒9という速い流れとなる中、ロデオドライブは後方でじっくりと脚を溜めていく。

 「リズムよく走れていただけに、あとは直線で手前を変えてくれたのならば、確実に伸びてくると思っていました」

 残り1ハロンを過ぎた時、馬群からダイヤモンドノットが抜け出しを図る。それを目標としたかのように後続勢も一気に脚を伸ばしてくる中、大外に進路を取ったロデオドライブは、同じ8枠に入っていたアスクイキゴミと併せ馬をするかのように、ゴール板を駆け抜けていった。

 「その前に行われていた天皇賞(春)(G1)は先に抜け出していたクロワデュノールに凱歌が上がりましたが、今回は後ろから来たロデオドライブが差し切っていると思いました。その後でスロー画面が出て、勝利を確認した時には改めて喜びが湧いてきました」

 初重賞制覇がいきなりの初G1制覇ともなったロデオドライブだが、その可能性は未知数だと伊藤隆行厩舎長は話す。

 「この勝利によって今後の可能性が広がりましたが、ロデオドライブ自身もまだまだ強くなる馬だとも思っています。育成厩舎としても色々なスタッフがこの馬の背中に跨ってきただけに、G1制覇の喜びをみんなで共有できているのも嬉しいです」

 デビューからコンスタントにレースを使われてきたこともあり、現在は休養に入っているロデオドライブであるが、復帰初戦は更に逞しさを増しただけでなく、その馬体に見合った素晴らしい末脚をファンの前で見せてくれるのだろう。