2026年04月12日 桜花賞 G1
優勝馬:スターアニス
プロフィール
- 生年月日
- 2023年02月04日 03歳
- 性別/毛色
- 牝/栗毛
- 戦績
- 国内:5戦3勝
- 総収得賞金
- 253,027,000円
- 馬主
- 吉田 勝己
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 高野 友和
- 騎手
- 松山 弘平
名馬は名ホースマンを育てる。阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)に続き、桜花賞(G1)も制したスターアニスの育成を手掛けた、ノーザンファーム早来の山根健太郎厩舎長も、騎乗スタッフ時代に幾多の名馬に跨った経験を、競走馬育成に反映させてきた。
「スターアニスの牧場での管理に際しては、騎乗スタッフである中大路晃成君が、一生懸命に調教を行ってくれたことが大きかったと思います」と話す、山根健太郎厩舎長は、厩舎で主にスターアニスの育成調教に跨ってきた、中大路晃成騎乗スタッフの貢献を話し出す。
「中大路晃成君は入社したばかりの頃から、真面目に仕事をしてくれるスタッフだと思っていました。自分が厩舎長になり、一緒に働く機会ができた時に、彼にもホースマンとしての自信になるような馬を、出会わせてあげたいと思うようになりました」
山根健太郎厩舎長がスターアニスの担当スタッフとして、中大路晃成騎乗スタッフをパートナーに据えたのは、自信をつけさせるだけではない。当時のスターアニスは乗り難しい面があった中で、粘り強く我慢を覚えさせていくには、中大路晃成騎乗スタッフの真面目かつ、一所懸命な仕事ぶりが必要だと感じ取っていたからだった。
「スターアニスはその後の活躍にも証明されているように、力強さに加えて元気もあったので、調教コースに入ったばかりの頃は、誰が乗っても手にあますような面もありました。中大路晃成君はただ我慢を教えていくだけでなく、スターアニスに騎乗していく中で、騎乗技術も向上していっただけでなく、その中でずっと、スターアニスと向き合いながら調教を行ってくれました」
入厩の目処が経った春先に、山根健太郎厩舎長は久しぶりにスターアニスの背中に跨る。すると、体力面だけでなく精神面も含めて、素晴らしい成長を遂げたことが確認できた。
「過去に跨ってきた馬との比較でも、これなら大丈夫だ、必ずいいところまでは行けると思いました。ただ、中大路晃成君としてはこうした成功体験を持ち合わせていなかっただけに、『この状態ならば大丈夫だよ。そして、この感覚をした馬が、競馬でも走ってくると思えるようなライダーになってほしい』とも伝えました」
その山根健太郎厩舎長の言葉は現実となる。デビュー4走目となった阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)でG1制覇を果たしたスターアニスであったが、これは中大路晃成騎乗スタッフにとって、初めての重賞勝馬となった。
そして、約4か月ぶりのレースとなる桜花賞(G1)の追い切りでも、抜群の動きを見せただけでなく、1番人気で迎えられたレースでも、圧巻の走りを披露する。
「魔の桜花賞ペース」との言葉もあるように、気持ちが逸る3歳牝馬の芝マイル戦は、速い流れとなることも多いが、今年の桜花賞(G1)も1,000m通過は57秒2というハイラップを刻んでいく。その中で中団で折り合いをつけたスターアニスは、馬群の外を回って直線に向かうと、残り300mの地点から、満を持して仕掛けを開始。残り1ハロンで先頭に躍り出ると、そのまま後続との差を広げていく。
結果は2着となったギャラボーグに2馬身半差を付ける快勝。また一つ、名馬の階段を駆け上がった。
「中間の管理をしてくれていた、ノーザンファームしがらきの厩舎長からも、頻繁に報告が来ていました。また、桜花賞(G1)の前には研修でその厩舎長が、自分の厩舎にきてくれたのですが、その時には充実した調整ができたと話していました。パドックでも見せた、久々を感じさせない馬の張りや、阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)から更に成長を遂げたと感じさせる雰囲気。前走からこの桜花賞(G1)への直行を選択した、陣営や関係者の判断が正しかったと、改めて思いました」
実はこの桜花賞(G1)に、山根健太郎厩舎の育成馬はスターアニス、アランカール、ディアダイヤモンドと3頭が出走していた。
「スターアニスが勝った結果だけでなく、18頭しか出走できない桜花賞(G1)の舞台に、育成馬3頭を送り出せたのは、育成厩舎としての自身となりました。そして、3頭の育成馬全てが勝てると思いながら、3頭全てに声援を送っていました」
レースはスターアニスの完勝となったが、それは、鞍上を務めた松山弘平騎手の手綱捌きによるところも大きかったと、山根健太郎厩舎長は話す。
「レース前にアクシデントもありましたし、久々のレースということもあったのか、スタートを出てからかかり気味のレースともなりましたが、そこは久々の分と、ノーザンファームしがらきのスタッフからも、いいスタートを切らせて、より流れに乗りやすい取り組みをしてくれていたとのことなので、それが、手綱を抑えるような走りになったでしょう。松山弘平騎手も阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)よりも、更にスターアニスの能力を信じ切っているような騎乗だったと思いますし、直線で進路ができてからは、どれほど伸びてくれるのかと思っていました」
この桜花賞(G1)勝利は、中大路晃成騎乗スタッフだけでなく、ノーザンファームしがらきの若き騎乗スタッフにも、またとない喜びと経験になった。
「しがらきの厩舎長に聞いたところ、向こうでも若い騎乗スタッフにスターアニスを担当させただけでなく、馬と向き合っていく中で、そのスタッフは、今後、どんなレースをさせていきたいのか、そのためには中間の管理をどうしていくのかを、厩舎長と共に相談しあったそうです。スターアニスの活躍だけでなく、中大路晃成君や、しがらきのスタッフなど、この馬の活躍を通して、成功体験を得たのは大きいと思いますし、その体験を今後の馬作りに生かしてもらえれば嬉しいです」
次走はどの出走馬にとっても初めてとなる、東京芝2,400mの舞台となるが、山根健太郎厩舎長はスターアニスのアスリートとしてのポテンシャルの高さをまず、口にする。
「能力の高さは大前提として、恵まれた馬格やメンタルの強さなど、競走馬としてのステージが相当高いところにある馬だと思います。そこに身体的な成長も遂げていますし、人の思いとか、託している夢を、全て受け止めてくれるような器がスターアニスにはあるように感じます。決して芝2,400mの距離がスターアニスにとって、いい材料であるとは言えませんが、レースの後には自分たちの想像をはるかに超えていても不思議では無いと思います」
オークス(G1)はどの馬にとっても未知の条件となるからこそ、絶対的な強さを持っている馬こそが、勝つレースでもある。圧倒的な1番人気の評価も期待される中、そのファンからの思いに応えるような走りを、スターアニスには期待したい。
















