2026年02月11日 クイーン賞(中央交流) Jpn3
優勝馬:テンカジョウ
プロフィール
- 生年月日
- 2021年02月03日 05歳
- 性別/毛色
- 牝/鹿毛
- 戦績
- 国内:14戦7勝
- 総収得賞金
- 215,200,000円
- 母 (母父)
- フィオレロ by エンパイアメーカー(USA)
- 馬主
- 河内 孝夫
- 生産者
- 杵臼牧場 (浦河)
- 調教師
- 岡田 稲男
- 騎手
- 松山 弘平
『グランダム・ジャパン(GDJ)2026』古馬春シーズンの開幕を告げる「クイーン賞(Jpn3)」はJRA所属のテンカジョウが2馬身半差をつける完勝。3着に敗れた昨年のリベンジを果たすとともに、昨年のエンプレス杯(Jpn2)に続く交流重賞4勝目をマークした。
「行けー」。大外から懸命に追い上げる生産馬の姿に思わず声が出た。中団8番手追走から3コーナー手前でポジションを押し上げると、上がり最速38秒7と持久力のある末脚で先行集団を飲み込んだ。現地で声援を送った生産者の杵臼牧場・鎌田正信代表は「強い競馬をしてくれてビックリしましたね」と目を細める。「斤量も一番重かったし、外を回っていたので大丈夫かなと思っていたんですけど、4コーナーを回って直線に向いたらだんだん突き放して勝ったので」。57kgのトップハンデを背負い、外を回るロスがありながらライバルたちをねじ伏せた強さに酔いしれた。
テンカジョウの祖母グリーンインディは、父エーピーインディの米国産馬。昨年4月に急逝した杵臼牧場2代目の信一さんが繁殖セールで購入した馬だ。そして母となり、杵臼牧場の代表生産馬でもあるテイエムオペラオーと配合して産まれたダイナミックグロウはダートオープンの阿蘇Sに優勝。その半弟ナリタシルクロード(父スペシャルウィーク)もダートオープンのブリリアントSを制した。さらにテンカジョウの母フィオレロも産み、杵臼牧場の大事な血脈のひとつとして紡がれてきた。「オペラオーのお母さんやグリーンインディなど、父は良い繁殖を買って残してくれていたんですよね」と3代目の正信さんは思いを馳せる。
テンカジョウの母フィオレロが誕生した背景には、正信さんの信念があった。「海外でエーピーインディの血が入っているエンパイアメーカーの仔が走っていたので、エンパイアメーカーが日本に来たら絶対、この繁殖(グリーンインディ)につけようと思っていたんです」。エンパイアメーカーは日本で5年しか供用されなかったが、限られたチャンスを生かした。「調教中に故障して競走馬としては残念な形で終わってしまいましたが、繁殖としては成功でした」。
そのフィオレロには毎年違う種牡馬を配合しており、サンダースノーとのかけ合わせで2番仔として産まれたのがテンカジョウ。「実馬(サンダースノー)がすごく良かったのと、競走成績から面白そうだと思って。ドバイワールドC(G1)を2連覇している馬も他にいないですしね」。その狙いは「思った通りの感じで出てきた」とズバリとはまり、交流重賞で4つのタイトルを積み重ねるまでに育った。
2026年の産駒はいないが、父オルフェーヴルのフィオレロ2025(牝1歳)は中期育成中で、父クリソベリルのノイエスジール(牡2歳)はデビューを目指して調整中だ。「1歳の方はどちらかというと、オルフェーヴルというよりはお母さんっぽい感じが出ていますね。2歳の方はそろそろ地方でデビューする予定で楽しみです」と弟妹の活躍にも期待を膨らませる。
5歳になったテンカジョウも重賞4勝と充実一途。「無事に牧場に帰ってきてくれたら。その時、何か大きいタイトルがあれば、もっといいかな」と正信さんは大舞台へ夢を膨らませる。フィオレロの名の由来はイタリア語で“小さな花”。浦河の名門へと築き上げた信一さんの思いを受け継いで正信さんが膨らませた小さなつぼみは今、大きな花を咲かせようとしている。
















