重賞ウィナーレポート

2025年12月28日 有馬記念 G1

2025年12月28日 中山競馬場 晴 良 芝 2500m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ミュージアムマイル

プロフィール

生年月日
2022年01月10日 03歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:10戦5勝
総収得賞金
961,799,000円
リオンディーズ
母 (母父)
ミュージアムヒル  by  ハーツクライ
馬主
(有) サンデーレーシング
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
高柳 大輔
騎手
C.デムーロ

 競馬界だけでなく日本国内においても、年末の一大イベントとなっている有馬記念(G1)だが、今年は競馬ブームの再燃と、競馬を題材としたドラマの「ザ・ロイヤルファミリー」がそこに拍車をかける形となったことで、レース前から注目度は高まっていた。

 この日の中山競馬場には、事前にインターネットで指定席、もしくは入場券を購入した観客のみの来場となったが、ボックスシートの抽選は461.7倍を記録。当然のように多くの落選者が出た。

 有馬記念(G1)当日はウインズやパークウインズにも多くの来場者があり、ネット販売を合わせた売り上げは、前年比で29・5%増の713億4,520万6,100円を記録。これは有馬記念(G1)としては歴代第8位の売り上げとなるが、2000年以降ではテイエムオペラオーが勝利した2000年の有馬記念(G1)(583億8,460万900円)を大きく上回り、令和初の700億円突破ともなった。

 日本国民の大多数が注目したドリームレースを制したのは、単勝3番人気のミュージアムマイル。今年の皐月賞(G1)を制して、セントライト記念(G2)も勝利した中山コース巧者が、第70回有馬記念(G1)の勝ち馬として、その名を改めて知らしめた。

 ミュージアムマイルの管理を行ってきたのは、ノーザンファーム空港のB6厩舎。2025年はミュージアムマイルの活躍だけでなく、ミッキーファイトが帝王賞(Jpn1)とJBCクラシック(Jpn1)を制して、ダート界のトップホースとして名を馳せた。

 その他にも2025年の競馬界において、育成馬たちは常に重賞を沸かしてきたが、その集大成を年末の大一番で果たしたのがミュージアムマイルとなった。

 「芝2,500mは初めての距離となったことで、多少は不安こそありましたが、C.デムーロ騎手も戦前に大丈夫だと話していただけでなく、行きたがる馬でもなかったので、こなしてくれるのではないかと思っていました」と話すのはB6厩舎の高見優也厩舎長。中山コースもまた、育成時のピッチ走法からも、小回りを苦にしないような器用さを感じていたという。

 「天皇賞(秋)(G1)の後に、自分がノーザンファーム天栄へ研修に行ったのですが、その時にミュージアムマイルに騎乗させてもらう機会がありました。以前に跨った時よりも堅さが抜けていただけでなく、天栄のスタッフからもいい状態を保っていると言っていました」

 また、ミュージアムマイルを高柳大輔厩舎で担当している友道優一調教助手は、ノーザンファーム空港での勤務していた頃に、高見優也厩舎長の元で騎乗スタッフを務めていた。

 「入厩してから友道君と話す機会があったのですが、レースに向けての調整も常にいい状態で来ていると話していました。最終追い切りでの動きも良く、抽選会での枠もいいところ(2枠4番)を引いただけに、いい結果に繋がるのではとの期待も膨らみました」

 レースは自宅への帰省中にスマホ観戦となった高見優也厩舎長だが、ミュージアムマイルはパドックを周回する姿も良く見えただけでなく、前走からプラス2kgの馬体重も含めて、力を出し切れるとの予感を持たせてくれていたという。

 ゲートが開くと、注目の先行争いから抜け出したのは、前走のAR共和国杯(G2)を逃げ切ったミステリーウェイ。だが向こう正面で、春のグランプリ宝塚記念(G1)を押し切ったメイショウタバルがレースの主導権を奪い返したことで、場内が盛り上がりを見せる中、後方に待機していたミュージアムマイルは3コーナー過ぎから進出を開始。最後の直線では馬群の外に進路を構える。

 「天皇賞(秋)(G1)でもいい末脚を使っていたので、あの位置からでも届くだろうと思っていました。直線の坂を上ってきた時に、それが確信へと変わりました」

 先に抜け出していたのはコスモキュランダであったが、中山競馬場が大歓声に包まれる中、ミュージアムマイルはゴール前で図ったかのように差し切りを見せる。

 「今年の有馬記念(G1)は注目度も高かっただけに、そこで勝てたのは嬉しかったです。育成馬としても2021年の皐月賞(G1)を制したエフフォーリアと同じく、3歳での有馬記念(G1)優勝となりました」

 今年、待望の初年度産駒をデビューさせる、エフフォーリアに続くような活躍が期待されるミュージアムマイルであるが、成長力だけでなく、この有馬記念(G1)で距離適性の幅も示したことで、2026年は更なる活躍が期待される。

 次走は3月28日に行われるドバイターフ(G1)を予定しているが、有馬記念(G1)を制したことで、日本国中にその名を広く知らしめた今、次は世界のホースマンにその名を轟かすようなレースを見せてもらいたい。