2025年11月18日 ローレル賞(GDJ)
優勝馬:アンジュルナ
プロフィール
- 生年月日
- 2023年01月19日 02歳
- 性別/毛色
- 牝/鹿毛
- 戦績
- 国内:6戦4勝
- 総収得賞金
- 23,050,000円
- 父
- Tiz the Law(USA)
- 母 (母父)
- アイワンダーアズアイワンダー(USA) by アメリカンファラオ(USA)
- 馬主
- 竹下 浩一
- 生産者
- 株式会社 千里ファーム (三石)
- 調教師
- 小久保 智
- 騎手
- 野畑 凌
『グランダム・ジャパン2025』2歳シーズンの第5戦「ローレル賞(川崎)」は、1番人気に応えてアンジュルナ(浦和)が快勝。2番手追走から直線で先頭に立つと、後続を見る見る引き離してゴールでは4馬身差。デビュー4戦目からの3連勝で2歳牝馬重賞を制し、早くも来年の南関東牝馬クラシックを意識させる存在となった。
アンジュルナの生まれ故郷は、新ひだか町三石の(株)千里ファーム。サラブレッドセール情報サイト・馬市ドットコムや競走馬サプリメント開発会社(株)ハンマーを営む齊藤宗信さんと、浦河町で育成牧場山口ステーブルを営む山口裕介さんが2人で出資し、2019年10月に法人化した共同経営の生産牧場だ。現在は繁殖牝馬15頭を管理し、功労馬2頭も繋養している。
「ローレル賞は出張先で懇意にしている方々と一緒にモニター観戦だったのですが、オーナーサイドから調整は順調で好勝負できると聞いていたので、『勝って欲しい』という強い気持ちで観ていました。好スタートを切って2番手に付けた段階で、内心『これはいけそうかな』と落ち着いてレースを観ることができました。直線突き放した時にはみんなから握手攻め(笑)。祝福のメッセージも多数いただきました」とレース当日を振り返る齊藤宗信さん。「生産を始めて以来、1つ勝つことの難しさを痛感させられっぱなしだったので、嬉しいやらホッとしたやら…。いろんな想いが込み上げてきました」とその時の心境を話す。
アンジュルナの母アイワンダーアズアイワンダーは、米国の繁殖セールで千里ファームが(株)ジェイエスを通じて落札したアメリカンファラオ産駒。その祖母には、2002年のエクリプス賞年度代表馬に輝いた名牝アゼリの名前がある。「アゼリの血脈を探している中で、2022年のキーンランドノーベンバーセールに上場されたアイワンダーアズアイワンダーに目をつけました。アメリカンファラオ産駒はカフェファラオやダノンファラオなどの活躍で日本に合うのは証明済みでしたし、アイワンダーアズアイワンダー自身の血統構成も好みでした。私はせり会場に行けなかったのですが、(株)ジェイエスの大西さんに大変ご尽力いただき、手に入れることができたんです」と繁殖導入の経緯を話す。
その時、お腹の中に入っていたのがティズザロウの仔。ティズザロウは2020年のベルモントS(G1)をはじめ米G1を4勝し、コロナ禍で9月の開催となったケンタッキーダービー(G1)でも2着。2021年から種牡馬入りしているので、お腹の仔は2世代目となる。「翌年1月19日に牝馬が産まれました。『皮膚が薄くて非常に品のある牝馬が生まれたな』というのが第一印象でした。それがのちのアンジュルナです」と誕生時のことを思いだし、「産まれた直後から知場直也場長がその仔を非常に高く評価していたんです。成長とともに骨量やパワーが際立つ存在になり、場長と相談してセレクトセール当歳市場への上場を目指すことになりました」と話す。
そしてアイワンダーアズアイワンダーの2023は、無事にセレクトセール当歳市場へ上場することができた。「当日は複数のバイヤー様が競りに参加してくださり、最後は竹下浩一オーナーに落札していただきました。我々の生産馬に興味を示していただいた皆さま、そして落札していただいた竹下浩一オーナーには感謝の気持ちでいっぱいです」と生産馬が競走馬への第一歩を踏み出した瞬間を振り返り、オーナーへの感謝の気持ちを述べる。
「次走は大晦日の東京2歳優駿牝馬に向かうと聞いています。前走後、さらに成長して良くなっているそうなので、このまま無事にいってくれることを願っています」と生産馬を思いやる齊藤宗信さん。2025年にはアンジュルナの半妹(牝、父インディチャンプ)も産まれ、名牝アゼリの血脈が新ひだか町三石の地で着々と育まれている。新進気鋭の生産牧場の挑戦は、まだ始まったばかりだ。
















