2025年11月15日 デイリー杯2歳S G2
優勝馬:アドマイヤクワッズ
プロフィール
- 生年月日
- 2023年01月23日 02歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:2戦2勝
- 総収得賞金
- 45,808,000円
- 父
- リアルスティール
- 母 (母父)
- デイトライン by Zoffany(IRE)
- 馬主
- 近藤 旬子
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 友道 康夫
- 騎手
- 坂井 瑠星
アドマイヤクワッズは、京都芝1,600mで行われたデイリー杯2歳S(G2)において、1分33秒1の2歳コースレコードを樹立して、重賞初制覇を果たす。競走馬として最も大切なスピードもさることながら、このレースではゴール前におけるカヴァレリッツォとの叩き合いを制したように、勝負根性の強さも証明した。
アドマイヤクワッズの騎乗育成を手掛けたのは、ノーザンファーム空港のノーザンファーム空港のB6厩舎となる。今年に入ってから育成馬の活躍が目覚ましく、皐月賞(G1)を制したミュージアムマイルに加えて、帝王賞(Jpn1)とJBCクラシック(Jpn1)の優勝馬であるミッキーファイトや、トロヴァトーレ(ダービー卿ChT(G3))、イミグラントソング(NZトロフィー(G2))、アドマイヤテラ(目黒記念(G2))もB6厩舎の育成馬となる。
そしてアドマイヤクワッズとは同世代となる、札幌2歳S(G3)の勝馬となったショウナンガルフも、B6厩舎の出身馬である。2歳世代から2頭目の重賞馬となっただけでなく、年末に控えた2歳G1レース(朝日杯フューチュリティS(G1)、ホープフルS(G1))でも、2頭は主役を務めることとなった。
「ショウナンガルフだけでなく、アドマイヤクワッズも牧場で管理を任せてもらった時間が長かった馬だけに、この結果はスタッフと共にやりがいを感じています」と話すのは高見優也厩舎長。セレクトセール2023の当歳セッションでは、7,260万円(税込)の評価を集めたアドマイヤクワッズは、リアルスティールの産駒となる。近年、リアルスティール産駒はフォーエバーヤングの活躍に代表されるように、ダートでの活躍も目立ってきているが、育成厩舎に来た頃のアドマイヤクワッズは、芝向きと思えるような軽さと、切れのある動きをしていた。
「調教の動きも目立っていました。友道先生やオーナーとも相談した上で、函館でゲート試験を受けてから、その後の予定を決めることになりました」
無事にゲート試験に合格したアドマイヤクワッズは、再びB6厩舎へと戻ってきて、デビューへの準備が整えられていく。
「函館でもレースを使える状態にはありましたが、その頃は馬体もまだ細く、成長を促す意味でも秋開催に予定を切り替えました」
待てば海路の日和ありとの言葉通りに、ひと夏を超えて思った通りの成長を遂げたアドマイヤクワッズは、9月上旬に栗東へと移動。10月のメイクデビュー東京で初戦を迎える。関東への遠征ともなったが、輸送も難なくクリアすると、後方から鮮やかな末脚を使って快勝する。
「リラックスして走れる馬であり、距離が伸びても大丈夫だと思いますが、前進気勢も出てきたこともあって、マイルを使ってくれたのでしょう。いい勝ち方をしてくれたので、次も楽しみになりました」
そして、デイリー杯2歳S(G2)へと臨んでいくのだが、このレースで同じ単勝2.6倍で人気を分け合う形となったカヴァレリッツォは、B6厩舎のすぐ隣に育成厩舎を構える、ノーザンファーム空港B5厩舎の育成馬でもあった。
「B5厩舎の佐々木淳史厩舎長とは普段から仲が良いのですが、それだけに、レースでは負けたくないとの思いもひときわ強い存在です。今回は重賞で人気を分け合うこととなったのは光栄でもあり、改めて勝ちたいとの気持ちになりました」
最後の直線でインコースを付いて先頭に立ったのがカヴァレリッツォ。だが、その更に内に進路を取ったアドマイヤクワッズは、いったんは前に出たものの、カヴァレリッツォもそこから再度加速して馬体を並べていく。ただ、ゴール前でアタマ差先に出ていたのはアドマイヤクワッズだった。
「直線で他の馬たちが馬場の外に広がっていった中で、決して馬場が良くなかった内に進路を取って、あれだけの加速を見せてくれたことが驚きでした。勢いのままに突き抜けるかと思いましたが、カヴァレリッツォもやはり強い馬だと思いました」
それは上位争いを繰り広げた2頭と、3着とは5馬身の着差が付いたことにも証明されている。カヴァレリッツォも今後は重賞で勝ち負けの馬となっていきそうだが、晴れて重賞ウィナーとなったアドマイヤクワッズは、今週の朝日杯フューチュリティS(G1)でも1番人気が想定されている。
「レースの後、ノーザンファームしがらきへ研修に行った際に、アドマイヤクワッズを見てくる機会がありました。レコードの反動や疲れも見られず、いい調整されていました。中間の様子も良かっただけに、好調をキープしたままレースへと望めそうです」
アドマイヤクワッズが朝日杯フューチュリティS(G1)を勝利し、そしてショウナンガルフが、ホープフルS (G1)を勝つようだと、この世代から早くも2頭のG1馬を送りだすこととなるB6厩舎。有馬記念(G1)にもミュージアムマイルとアドマイヤテラが出走を控えているだけでなく、東京大賞典(G1)にはミッキーファイトの登録もある。この年末はB6厩舎の育成馬が、中央と地方のG1レースを席巻してしまう可能性は十分にありそうだ。
















