2025年11月01日 ファンタジーS G3
優勝馬:フェスティバルヒル
プロフィール
- 生年月日
- 2023年01月08日 02歳
- 性別/毛色
- 牝/栗毛
- 戦績
- 国内:3戦2勝
- 総収得賞金
- 44,785,000円
- 馬主
- 吉田 勝己
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 四位 洋文
- 騎手
- C.デムーロ
今年の皐月賞馬となったミュージアムマイル。その半妹となるフェスティバルヒルも、この血統の優秀さを証明するかのように、デビュー3戦目となるファンタジーS(G3)で重賞初制覇を飾った。
騎乗育成を行ったのは、7月から厩舎運営を任されているノーザンファーム空港の山田翔太厩舎長。フェスティバルヒルは厩舎長補佐だった頃の育成馬ともなる。
「能力の高い馬だとは思ってきましたが、C.デムーロ騎手も馬の能力を引き出すような、素晴らしい騎乗をしてくれました」と山田翔太厩舎長は厩舎長としての初重賞制覇に笑顔を見せる。
フェスティバルヒルが育成厩舎に来たのは1歳の秋となる。順調に騎乗調教を進めていく一方で、半兄のミュージアムマイルは未勝利戦、黄菊賞と連勝し、暮れの朝日杯フューチュリティS(G1)では2着入着を果たしていた。
「イヤリングから来た頃はまた、ミュージアムマイルが活躍する前だったのですが、その頃から能力の高さが感じられていました。ミュージアムマイルが勝鞍を重ねていく姿を見て、更に期待が高まっていきました」
その後の調教も順調に進められ、3月中旬にはノーザンファームしがらきへと移動。5月末に管理を行われている四位厩舎に移動していくと、6月22日にはメイクデビュー阪神に出走する。
その約2か月前にはミュージアムマイルが皐月賞(G1)を勝利。クラシック勝馬の妹として注目だけでなく、調教における動きの良さも評価される形で、単勝オッズは1.5倍という圧倒的な支持を集める。
「移動が早くなったこともあり、デビュー時期もおのずと早くなるなとは思っていましたが、それでも競馬で勝ち負けになるとの自信はありませんでした。その新馬戦の勝ち方が良かったので、これは重賞でも期待ができるのではと思うようになりました」
メイクデビュー阪神ではレースセンス良く前目に付けると、最後の直線で馬場の真ん中から末脚を伸ばしていくと、ゴール前では更に一伸びしての勝利。続く新潟2歳S(G3)は先行したリアライズシリウスが勝利する展開となった中、後方からのレースとなってしまう。それでも上がり最速の末脚(32秒5)を使って、3着に入着する。
「展開的にも不向きなレースになってしまいましたが、それでも能力の高さは証明してくれたと思いました」
新潟2歳S(G3)では3番人気の支持に止まったものの、ファンタジーS(G3)ではメイクデビューと同じく1番人気の評価を集める、ちなみに兄のミュージアムマイルは、新潟2歳S(G3)から3週後に行われたセントライト記念(G2)を勝利。ファンタジーS(G3)の次の日に行われた天皇賞(秋)(G1)でも、歴戦の古馬を向こうに回して3番人気に推されていた。
2枠2番からの出走となったフェスティバルヒルではあったが、スタートで後方に置かれて、今回も後方からのレースとなってしまう。それでも最内で脚を溜めていくと、最後の直線では進路が開けたかと思うと、一気に加速を開始。先に向けだしていたメイショウハッケイを交わし去り、後ろから脚を伸ばしてきたショウナンカリスの追撃も振り切って、見事に重賞初勝利をあげる。
「直線に入った時は正直、届くのかなと思っていました。それでも上手に馬群を縫ってきてくれたので、ゴール前では行ける!との確信に変わりました」
2着との着差はクビ差ながらも、上がり3ハロンの時計(33秒1)はメンバー中2位と、ここでも末脚の鋭さを証明する形となった。
「今回は芝1,400mのレースとなりましたが、マイルは圏内だと思っています。この勝利は自分の前に管理を進めてくれた厩舎長や、共に働いてきた厩舎スタッフのおかげでもあり、みんなで喜びを分かち合いたいと思いました」
レース後は阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)の出走を目指してきたフェスティバルヒルであるが、先日、左第1指骨剥離骨折が判明。3か月以上の休養となったことで、復帰は来春となった。阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)でその走りが見られないのは残念でならないが、その時の無念は来年のクラシックの舞台で晴らしてもらおう。
















