2025年10月11日 サウジアラビアRC G3
優勝馬:エコロアルバ
プロフィール
- 生年月日
- 2023年04月30日 02歳
- 性別/毛色
- 牡/栗毛
- 戦績
- 国内:2戦2勝
- 総収得賞金
- 40,787,000円
- 母 (母父)
- スターアクトレス by フレンチデピュティ(USA)
- 馬主
- 原村 正紀
- 生産者
- 藤原牧場 (静内)
- 調教師
- 田村 康仁
- 騎手
- 坂井 瑠星
「日本・サウジアラビア外交関係樹立70周年記念」と銘打たれて行われた第11回サウジアラビアRC(G3)を勝ったのは、坂井瑠星騎手騎乗の2番人気エコロアルバ。立ち遅れ気味のスタートを切った事もあって序盤は離れた最後方を進んでいたが、4角をまわって大外に持ち出されると矢のように伸びて、追い上げてきた2着馬に1馬身1/2の差を付けて優勝した。勝ちタイムは1分33秒8(良)。管理する田村康仁調教師にとっては2022年菊花賞(G1)(優勝馬アスクビクターモア)以来のJRA重賞勝利で通算15勝目。坂井瑠星騎手にとっては今年8月の新潟記念(G3)(シランケド)に続くJRA重賞勝利で今年4勝目、通算23勝目のタイトルとなった。
エコロアルバの生まれ故郷は北海道新ひだか町の藤原牧場。1902年(明治35年)創業という歴史ある牧場で、その歴史の中で日本ダービー馬ウイニングチケットをはじめ、2冠馬サクラスターオー、天皇賞馬サクラユタカオー、皐月賞馬ハードバージ等を生産している。
現在は10名程度のスタッフで年間の生産頭数は約20頭。1頭々々に対して十分に手をかけた丁寧な馬づくりを実践しており、牧場は2017年のシルクロードS(G3)(優勝馬ダンスディレクター)以来の重賞勝利に沸いている。
東京競馬場で愛馬優勝の瞬間に立ち会った藤原悟郎代表は「7月のデビュー戦はテレビ観戦でしたが、当時よりも少しだけ気合を表に感じさせながらパドックを歩く姿は大人びて見えました。最後の直線を迎えるまでは大丈夫かなとハラハラしていましたが、終わってみれば、ここでは力が違うかのような勝ち方だったと思います。まるで、馬がゴール板を知っているかのようなレースで、ウイニングチケットがホープフルSを勝ったときを思い出しました」と喜びを表現した。
この馬は、北海道市場サマーセール取引馬。千歳市の社台ファームに購買され、翌年の千葉サラブレッドセールにて現オーナーが落札した。
母スターアクトレスはダンスディレクターの半妹で、曾祖母スカラシップはウイニングチケットの全妹。さらにさかのぼれば藤原牧場の代名詞ともなっている名牝スターロッチへとさかのぼるファミリーラインだ。
「当牧場では大切にしている母系で、母スターアクトレスも期待している繁殖牝馬です。そこから活躍馬が出てくれたことも嬉しいです」と白い歯を見せ「牧場時代は少しコロンとした馬で、どちらかと言えば、母親似のイメージがありました。体型的にも、血統的にモズアスコットはあっていると思って配合し、そのイメージにどおりに生まれてくれた馬です。サマーセールに上場させるまでの間、大きなケガや病気をすることなく順調に過ごすことが出来ました」と牧場時代のことを話し「厩務員の方に『扱いやすい馬』と言っていただいた事も嬉しかったです。良い育成時代を過ごし、そして田村康仁厩舎の方々も一生懸命にやってくださっているのだと思います。かつて、この血統を多く手掛けてウイニングチケットやロイヤルタッチを育ててくれた伊藤雄二先生も『しっかりと手をかけないと扱いに困ることになる血統だけれども、手をかければそれに応えてくれる血統」とおっしゃっていました。今回のレースは、そんな事も思い出させてくれました」と話してくれた。
そして、この1勝は、来年のクラシックにむけて、その出走権利をほぼ確定させる大きな1勝にもなった。
「生産者の立場から言えば、とにかく無事に次走を迎えて欲しいと思います。これからは、もっと強い馬たちとの競馬になると思いますが、この馬らしいレースを期待したいと思います」と夢を広げている。
















