重賞ウィナーレポート

2025年09月27日 シリウスS G3

2025年09月27日 阪神競馬場 晴 良 ダ 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ホウオウルーレット

プロフィール

生年月日
2019年05月19日 06歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:25戦6勝
総収得賞金
170,308,000円
ロージズインメイ(USA)
母 (母父)
オメガフレグランス  by  ゴールドアリュール
馬主
小笹 芳央
生産者
岡田スタツド (静内)
調教師
栗田 徹
騎手
岩田 康誠

 チャンピオンズC (G1)に向けての重要な前哨戦に位置づけられている「第29回シリウスS(G3)」を勝ったのは、道中最後方を進んだ岩田康誠騎手騎乗の8番人気ホウオウルーレット。新馬戦を7馬身差で逃げ切り、2戦目の黒竹賞は2番手から楽に抜け出して6馬身差圧勝するなど早くから頭角を現し、3歳春からはダート中距離路線を賑わしてきたが、デビュー25戦目、7回目のJRA重賞挑戦で嬉しい初勝利となった。管理する栗田徹調教師にとっては2023年日経賞(G2) (優勝馬タイトルホルダー)以来のJRA重賞勝利で通算9勝目。手綱を取った岩田康誠騎手にとっては2025年マイラーズC(G2) (優勝馬ロングラン)に続く重賞勝利で今年2勝目、通算115勝目となった。

 ホウオウルーレットを生産したのは新ひだか町の岡田スタッド。1984年に法人化された総合牧場で、JRA重賞勝利は2025年9月の京成杯オータムH (G3)(優勝馬ホウオウラスカーズ)に続いて今年2勝目。なお、この勝利によって生産者岡田スタッドは2023、2024年の勝馬ハギノアレグリアスに続き同一重賞3連覇となり、ホウオウルーレットにとっては2018年の本レースを制している半兄オメガパフュームとの兄弟制覇となった。

 2頭のJRA重賞勝馬を送りだした母オメガフレグランスは1982年に社台ファームが導入したセイリングビューティにさかのぼるファミリー。祖母ビューティーメイクは芝の長距離を中心に7勝をあげた活躍牝馬で、祖父ゴールドアリュール産駒の母オメガフレグランスはダート中距離で3勝を記録している。2015年秋の(株)ジェイエス繁殖馬セールに上場されたところ「当時は8歳とまだ若く、血統、そして競走成績から候補に入れていた馬ですが、実際に馬を確認したところ、とても見栄えがする馬でした。迷わず購入を決めました」と評価した岡田スタッドによって702万円(税込)で落札されている。

 ホウオウルーレットは、そんなオメガフレグランスにとっての第5仔。岡田スタッドでの第3仔だ。「ホウオウルーレットの時は受胎に苦労させられたうえに出産予定日よりも1か月近く遅れて周囲をヤキモキさせました。生まれる前年秋には半兄オメガパフュームがシリウスS (G3)、東京大賞典(G1)に勝っており、ホウオウルーレットは生まれた時、生まれる前から期待の大きな馬でした」と当時のことを振り返りながら「無事に生まれてほっとした事と、産まれてきた仔は誰もが褒めてくれるような馬だった事で、スタッフとともに喜んだのを今でも覚えています」と当時の事を話してくれた。

 そうした思いは本格的な育成をスタートさせると確信めいたものに変わって来たという。「いわゆる〝エリート〟として育てた馬です。馬もそれに応えてくれて、坂路コースではパワフルで瞬発力のあるところを見せてくれていました。極端なことを言うと、この馬で結果を出せなかったら自分の相馬眼に対して自信を失ってしまうとまで思わせる馬でした」とその成長ぶりに目を細めていたという。そうした生産者の期待を乗せてデビューしたホウオウルーレットは、デビューからの2連勝で一躍スポットライトが当たる存在となった。「ほっとすると同時に、夢が膨らむ2連勝でした」と岡田代表。期待が大きかった分、思うような結果を出せない時期もあったが、「前走のBSN賞で久しぶりに見どころのある競馬をしてくれた。厩舎サイドでもいろいろと工夫をしてくれていたようで、それが結果に結びついたのだと思うし、今回はこの馬を知り尽くしている岩田康誠騎手ならではの騎乗だったと思う」と、嬉しい勝利に感謝の言葉を重ねた。そして「オメガパフュームも長く活躍したように奥手で、使い減りしない血統。ホウオウルーレットもまだまだ強くなってくれると思うし、いつかは偉大な兄の後を追えるような存在になって欲しい」と期待に胸を膨らませている。