重賞ウィナーレポート

2025年09月07日 セントウルS G2

2025年09月07日 阪神競馬場 晴 良 芝 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:カンチェンジュンガ

プロフィール

生年月日
2020年03月23日 05歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:20戦6勝
総収得賞金
161,225,000円
ビッグアーサー
母 (母父)
クェスタボルタ  by  ノヴェリスト(IRE)
馬主
幅田 昌伸
生産者
サンバマウンテンファーム (門別)
調教師
庄野 靖志
騎手
川田 将雅

 サマースプリントシリーズ最終戦「産経賞セントウルS(G2)」は9月7日、阪神競馬場芝1,200m戦で行われ、道中は後方を進んでいた川田将雅騎手騎乗の8番人気カンチェンジュンガがメンバー最速の末脚を繰り出して1分7秒4(良)で優勝。今春の阪急杯(G3)に続く重賞勝利で通算成績を20戦6勝(重賞2勝)とした。管理する庄野靖志調教師にとっては今年の阪急杯(G3) (優勝馬カンチェンジュンガ)に続くJRA重賞勝利で通算17勝目、川田将雅騎手にとっては今年のクイーンS(G3) (同アルジーヌに続くで通算148勝目の重賞勝利となった。

 カンチェンジュンガは日高町のサンバマウンテンファームの生産馬。昭和38年に矢野国太郎氏が創業した矢野牧場を前身としその頃はアラブを中心に生産活動を行っていたが、あとを継いだ矢野勇氏が現在の産馬山地区に移転した2001年に名称変更。時代の変化とともにサラブレッドの割合が増え、生産規模を縮小したこともあったが、現在は年間約20頭を生産している。JRA重賞勝利は、今年の阪急杯(G3) (優勝馬カンチェンジュンガ)に続いて2回目。牧場は歓喜に沸いている。

 矢野琢也代表は「途中、生産規模を縮小して育成牧場(グリーンマイルトレーニングセンター)をメインとした時期もありましたが、10年ほど前に小澤加奈子場長を迎え幅田オーナーのご理解をいただきながら、放牧場を拡張したり施設を改修したり、また繁殖牝馬も増やしたり、ようやくここまで辿りつきました。カンチェンジュンガは生まれたときから恵まれた馬体の持ち主でしたが、体質が弱く獣医さんのお世話になってばかりでした」と当時を振り返りながら「この馬のおかげで総合牧場にまで発展させて良かったなあと感謝しています。でも馬産地は慢性的な人手不足なので、もうこれくらいの規模で(繁殖牝馬30頭以内)でしっかり維持していきたいと想います」と地に足を付けた経営を強調。

 このレースを牧場テレビから応援していたという小澤加奈子場長は「開幕週でもあり、追い込みを武器にするカンチェンジュンガには厳しいかなと思っていたのですが、今では馬には申し訳なかったと思います。外のトウシンマカオ、内のウイングレイテストとの狭い間を割って出てきたときは、本当に感激しました。馬を導いてくれた川田将雅騎手はもちろんですが、リフレッシュ休養させてもらったキャニオンファーム様のおかげで馬体重も戻り、この馬らしい競馬が出来たと思います」と笑顔。「幅田オーナーにも恩返しが出来ましたし、私たち牧場スタッフの大きな自信にもつながりました」と言葉を続けた。そして「社長も話していたとおりに牧場時代は、すぐに熱発して獣医さんのお世話になってばかりの馬でした。私も苦労させられましたが、反面、馬の健康管理に対する知識もたくさん得ることができました」と今では感謝しているという。

 そして次走はスプリンターズS(G1)への挑戦が発表されている。「この馬にとって2度目のG1競走挑戦となります。出走するだけで名誉な事だと思いますが、この馬らしい競馬を期待したいと思います」とエールを送っている。