2025年08月24日 キーンランドC G3
優勝馬:パンジャタワー
プロフィール
- 生年月日
- 2022年02月21日 03歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:6戦4勝
- 総収得賞金
- 229,230,000円
- 馬主
- 深澤 朝房
- 生産者
- チャンピオンズファーム (新ひだ)
- 調教師
- 橋口 慎介
- 騎手
- 松山 弘平
サマースプリントシリーズ第5戦「第20回キーンランドC(G3)」は8月24日、ワールドオールスタージョッキーシリーズ開催で賑わう札幌競馬場の芝1,200mコースで行われ、道中は中団で待機していた松山弘平騎手騎乗の2番人気パンジャタワーが最後の直線で外から力強く追い込み、1分8秒2(良)で優勝。通算成績を6戦4勝(重賞3勝)とした。橋口慎介調教師のJRA重賞勝利は今年のNHKマイルC (G1)(優勝馬パンジャタワー)に続くもので通算8勝目。この勝利で史上7人目となるJRA全10場重賞制覇を遂げた松山弘平騎手にとっては今年のレパードS(G3) (同ドンインザムード)に続く重賞勝利で通算53勝目となった。
8月のエルムS(G3)に続く、生産馬のJRA重賞勝利に沸いているのは、新ひだか町のチャンピオンズファームだ。2000年に育成を中心とした牧場としてスタートし、その後2010年に生産牧場を新ひだか町静内豊畑で立ち上げ、現在は生産から育成まで手掛ける総合牧場だ。この日、札幌競馬場で愛馬優勝の瞬間に立ち会ったのは生産部門の女性スタッフ。「エルムS(G3)は仕事のため競馬場で応援することができなかったので、本当に嬉しいです。北海道シリーズの札幌開催で重賞2勝は夢のようです」と声を弾ませた。
パンジャタワーにとってはデビュー戦以来となる1,200m戦。若干の出負けもすぐに中団に取り付き、最後は外から力でねじ伏せる様は、まさに王者の走りそのものだった。「牧場のテレビから応援していたスタッフは安心して見ていられたと言っていましたが、競馬場ではまったく余裕がありませんでした。なにしろ古馬と同じ57kgで、久しぶりのスプリント戦、そして脚質的には有利とは言えない小回りの競馬場。でも、ゴールして勝利を確信した瞬間、中村代表や千歳駒岡の藤井場長、一緒に応援していたスタッフと喜びを分かち合いました。これがあるからこの仕事はやめられません」と当日を振り返り「1,200mの重賞を勝ったのはパンジャタワーにとって大事なターニングポイントになるはずです」と愛馬を称えた。橋口慎介調教師からも「まだまだ強くなる」と声をかけられたそうで「その言葉も嬉しかったです」と笑顔を広げた。
そんなパンジャタワーの牧場時代は「どちらかと言えば丸みを帯びて、コロンとした体型の馬。タワーオブロンドンに似ていると思いました。精神的にも強く、あまり物事に動じることなく人間の言う事に素直に従っていた印象があります」。当時、生産スタッフの間では「父タワーオブロンドンのように短めの距離で活躍してくれると良いね」と話していたそうで「精神的に強いからこそ、今回のような堂々とした横綱相撲が出来るのだと思います」
そして、次走は優勝賞金約5億円、豪州ランドウイック競馬場ATCゴールデンイーグル(芝1,500m)への参戦が伝えられている。「幼いころからの精神面の強さが、ああいう横綱競馬をできる背景になっていると思います。海外遠征にはいろいろリスクはつきものですがパンジャタワーには、この馬らしい走りを期待したいと思います」と夢を広げている。