重賞ウィナーレポート

2025年07月27日 関屋記念 G3

2025年07月27日 新潟競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:カナテープ

プロフィール

生年月日
2019年02月21日 06歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:17戦5勝
総収得賞金
142,912,000円
ロードカナロア
母 (母父)
ティッカーテープ(GB)  by  Royal Applause(GB)
馬主
C.フィプケ
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
堀 宣行
騎手
R.キング

 デビューから17戦目、そして2度目の重賞挑戦となった関屋記念(G3)で、カナテープはついに重賞タイトルを掴み取った。

 母のティッカーテープは、現役時にアメリカンオークス(G1)、クイーンエリザベス二世チャレンジC (G1)とG1レースを2勝。その母にカナテープは初めての重賞タイトルを授けてみせた。

 父はリーディングサイアーを沸かすロードカナロアでもあり、2019年のセレクトセール当歳セッションでは、9,072万円(税込)という高い評価を受けている。

 「育成厩舎に来た頃は馬体のシルエットこそ美しかったものの、線の細い馬という印象がありました。また、体質がそこまで強く無かっただけでなく蹄の不安もあったので、ゆっくりめの調整を続けてきました」とはノーザンファーム早来の野崎孝仁厩舎長。現在は牡馬厩舎の管理を手掛けている野崎孝仁厩舎長であるが、カナテープは牝馬厩舎を任せられていた最後の世代ともなる。

 ノーザンファームしがらきに移動してからも、体質強化や蹄の管理に時間を要したことで、デビューは3歳の1月に行われた未勝利戦となり、そのレースを勝利してからも間隔を取りながらレースを使われていった。

 「こちらから送り出す頃には、血統馬らしい動きを見せてくれるようになりました。初勝利を挙げたレースの内容も良かっただけに、いいところまでいけるのではとの期待を持つようにもなりました」(野崎孝仁厩舎長)

 2勝目をあげたのは、デビュー3戦目となる3歳の10月。その後も間隔を空けながら出走していくも、そのほとんどで掲示板に入る安定した走りを見せていく。

 今年の2月に3勝クラスを勝利してオープン入りを果たすと、6月には初めての重賞挑戦となる府中牝馬S (G3)に出走。勝馬となったセキトバイーストから0秒2差の2着に入る。

 「これも堀先生や厩舎の皆さんと、ノーザンファームしがらきのスタッフがしっかりと管理をしてくれたおかげだと思います。府中牝馬S (G3)のレース内容も良かっただけに、牝馬限定戦ならば重賞を勝てるチャンスがあるのではと思うようになりました」(野崎孝仁厩舎長)

 ついに歓喜の瞬間は訪れる。R.キング騎手を背に関屋記念(G3)へと出走したカナテープは、歴戦の牡馬を相手に1番人気の支持を集めると、見事にその期待に応えて優勝。R.キング騎手の手綱捌きも見事ながら、カナテープも後方から上がり最速となる32秒5の末脚を使ってみせた。

 「レースはよくあの位置から届いたなと思いました。R.キング騎手もこの馬の能力を引き出す騎乗をしてくれただけでなく、デビュー時から約30㎏も馬体重が増えているように、馬もここに来て完成を迎えたのかもしれません」(野崎孝仁厩舎長)

 レース後は再び間隔を取られた上で、秋競馬では更なる重賞タイトル奪取と、そしてG1戦線へ名乗りもあげていくカナテープ。遅咲きのヒロインの走りに注目したい。