重賞ウィナーレポート

2025年07月20日 函館2歳S G3

2025年07月20日 函館競馬場 晴 良 芝 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:エイシンディード

プロフィール

生年月日
2023年05月08日 02歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:3戦2勝
総収得賞金
33,341,000円
ファインニードル
母 (母父)
エーシンエムディー  by  キングカメハメハ
馬主
(株) 栄進堂
生産者
山田 昇史 (浦河)
調教師
大久保 龍志
騎手
R.キング

 2023年生まれ世代初のJRA重賞「第57回函館2歳S(G3)」は7月20日に函館競馬場芝1,200mコースで行われ、勢いよくゲートを飛び出したR.キング騎手騎乗の9番人気エイシンディードがそのまま後続を寄せ付けず1分8秒4(良)のタイムで先頭ゴールイン。ホッカイドウ競馬からの転入初戦でビッグタイトルに輝いた。大久保龍志調教師にとっては今年の平安S (G3) (優勝馬アウトレンジ)に続くJRA重賞勝利で通算27勝目。R.キング騎手にとっては今年のフェブラリーS(G1)に続くJRA重賞勝利で通算5勝目(当時)となった。

 エイシンディードは浦河町の(有)山田昇司牧場の生産馬。その歴史は、昭和35年頃、父親である誠一さんが畑作などをしながらアラブを置き始めたことからスタートするという。現在は77歳になる昇史さんと妻と息子の3人で繁殖牝馬10頭ほか、2つの分場で数頭の上がり馬などを管理している。

 この日、昇史さんは牧草刈りや牧場に足を運んでくれた来訪者を迎えるなどの牧場仕事をしながらレースの時間を待っていたという。「生産馬ですから当然期待はしていましたが、正直いうと頑張って掲示板に乗ってくれたら馬を褒めてあげたい」。そんな気持ちだったという。

 ゲートが開いて、真っ先に飛び出したのはホッカイドウ競馬時代にエイシンディードを勝利に導いた落合玄太騎手騎乗のスペシャルチャンス。しかし、迷わずハナを主張しにいったエイシンディードとの競り合いを避けるかのように手綱を引いたために淡々とした流れになった。

 「4コーナーを回っても後続との差が詰まらなかったので、もしかしたらとも思いましたが、それでもゴールするまではヒヤヒヤでした」とレースを振り返り「中央競馬のレースは未勝利戦を勝つことも大変。まさか重賞競走に勝てるとは」と笑顔を広げた。

 キングカメハメハ産駒の母エーシンエムディーは栄進牧場の生産馬で、JRA3勝馬。スピードを武器に芝1,200mで3勝をあげており、その母エイシンルーデンスはチューリップ賞(G3)、中山牝馬S(G3)など重賞2勝の活躍牝馬。ファインニードルとの配合はオーナーサイドで決定したという。

 「素晴らしい血統と競走成績を持った繁殖牝馬を預けてくださったオーナーに感謝しています。5月生まれということもあって、ほかの馬と比べると少し細身という印象でしたが、とても元気が良く、気の強さを持ち合わせた馬でした。それが競馬で良い方向に向いているのだと思いますが、この勝利は私の後を継いだFUJIWARA STABLE、ホッカイドウ競馬の村上正和厩舎の方々、そして大久保龍志厩舎の方々のおかげです」と感謝している。

 「これからはさらに強い馬との競馬になると思うが、とにかく無事でと願うばかりです」と生産者目線でエールを送っている。