重賞ウィナーレポート

2025年07月20日 小倉記念 G3

2025年07月20日 小倉競馬場 晴 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:イングランドアイズ(GB)

プロフィール

生年月日
2020年04月01日 05歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:16戦4勝
総収得賞金
105,698,000円
Kingman(GB)
母 (母父)
ヌーヴォレコルト  by  ハーツクライ
馬主
原 禮子
生産者
Hara Reiko Racing Co. Ltd (英国)
調教師
安田 翔伍
騎手
松若 風馬

 イングランドアイズの父は世界各国で活躍馬を送り出しているだけでなく、日本でもNHKマイルC(G1)の優勝馬でもあるシュネルマイスターや、チューリップ賞(G2)を制したエリザベスタワーなどを送り出しているKingmanとなる。

 その母の名は「Nuovo Record」となっているが、これは2014年のオークス馬となったヌーヴォレコルトである。母は日本で父にロードカナロアを持つドンナセレーノを誕生させた後にイギリスへと渡り、 Frankelを父に持つキュルキュマの後に誕生したのが、イングランドアイズとなった。

 「本馬は原オーナーのご希望もあり、ニューマーケットに移動してキングマンを配合した後に、誕生した産駒となります。原オーナーご自身も渡英してヌーヴォレコルトに会いに行くなど、馬に駆けるその情熱と、驚異的なフットワークの軽さには本当に驚かされます」と社台ファーム山元トレーニングセンターの上水司場長。イギリスで誕生したイングランドアイズは、その後、当歳の11月に社台ファームへとやってきて、デビュー前の調整を行われていく。

 2歳時には阪神競馬場の芝2,000mで行われた新馬戦を勝利すると、3歳時にはクイーンC(G3)、フローラS(G2)、そしてオークス(G1)にも出走。秋には自己条件である1勝クラスで経験を重ねながら、昨年の7月には若戸大橋特別を優勝。そして今年の3月には2勝クラスの千里山特別も勝利した。

 3勝クラスに入ってからは、クラスの壁を打ち破れずにいたが、陣営は果敢に格上挑戦の小倉記念(G3)への出走を決める。

 ハンデ戦ということもあって、イングランドアイズの斤量はメンバー中で最も軽い51kg。スタートが切られると、道中はインコースから前目のポジションを取っていく。先手を取ったグラティアスが大逃げを打つ展開となったが、イングランドアイズ折り合いの不安も無く追走を続けていく。

 第3コーナーで逃げていたグラティアスの脚色が鈍ると、後続勢が一気に押し寄せる。イングランドアイズは荒れているインコースを避けて、直線では幾分外目に進路を取ると、そこから軽ハンデをスピードに変えて抜け出しを図る。ゴール前で迫ってきたのは社台ファーム生産馬であり、こちらも3勝クラスからの格上挑戦となったシェイクユアハート。それでもイングランドアイズは、シェイクユアハートとの4kgの斤量差を生かしたかのように、スピードを維持したままゴール板を駆け抜けた。

 「2歳の9月に山元トレーニングセンターに入場してからは、ずっと、こちらで調整を行っています。その都度、成長過程も見守ってきました。今回は格上挑戦かつ、重賞出走ともなりましたが、直線に入ってからの勝負根性は素晴らしかったですね。ヌーヴォレコルト産駒では、待望の重賞勝ちともなっただけに、感激しています」(上水司場長)

 果敢に重賞へと挑戦させた、陣営の判断も素晴らしかったといえるが、これもイングランドアイズが山元トレーニングセンターでの調整を経て、しっかりと成長を遂げた証とも言える。次走は9月13日に行われる阪神チャレンジC(G3)を予定しているが、重賞馬としてどんな走りを見せてくれるのか楽しみでならない。