2025年06月29日 函館記念 G3
優勝馬:ヴェローチェエラ
プロフィール
- 生年月日
- 2021年03月05日 04歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:11戦5勝
- 総収得賞金
- 134,339,000円
- 父
- リアルスティール
- 母 (母父)
- イプスウィッチ(IRE) by Danehill Dancer(IRE)
- 馬主
- 合同会社TO RACING
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 須貝 尚介
- 騎手
- 佐々木 大輔
不滅の記録かと思われた、函館競馬場の芝2,000mのコースレコード。サッカーボーイがその記録を樹立してから37年後の今年、その37年前にサッカーボーイが優勝した函館記念(G3)において、ヴェローチェエラが1分57秒6のタイムを記録。コースレコードを0秒2更新してみせた。
ノーザンファームの生産馬であるヴェローチェエラは、ノーザンファーム早来の木村浩崇厩舎で管理が行われてきた。
「大阪-ハンブルグCの後に牧場へと戻ってきたのですが、5月上旬に須貝先生が馬を見に来た際に、函館記念(G3)への出走を目指すことになりました」と話すのはノーザンファーム早来の木村浩崇厩舎長。函館記念(G3)は6月29日に行われる。10日前に函館競馬場への入厩と考えると、一か月ほどしか時間は無かったが、木村浩崇厩舎長とスタッフたちは、調教に向けてのピッチを上げていく。
「こちらでやれることは限られていましたが、元々高い能力を感じ取っていた馬でもあり、メンバー的にも重賞を勝てるチャンスだとは思っていました」(木村浩崇厩舎長)
実は函館記念(G3)は木村浩崇厩舎長にとって、験のいいレースでもあった。
2020年にはアドマイヤジャスタ、そして、2022年にもハヤヤッコが勝利。ヴェローチェエラも3歳時の京都新聞杯(G2)では2番人気で3着となり、1勝クラスからの3連勝で臨んだ、今年の日経新春杯(G2)でも1番人気の支持を集めていたほどの実力馬でもあった。
「正直、いい状態で競馬に臨ませるには、時間が足りないのではとも思っていました。しかも10日競馬ということもあり、こちらで競馬場の追い切りに近いところまで仕上げる必要もありました。ただ、須貝先生に任せてもらったからには、勝ち負けができるところまで仕上げたいとも思っていました」
入厩の前にはノーザンファーム早来の屋内坂路で、自己ベストに近い時計を出せるところまで仕上げられていたヴェローチェエラであるが、木村浩崇厩舎長の見解としては、あと1周あれば更にベストな状態で送り出せたとの感覚もあった。
「これからレースでも恰好が付けられるのではと思いました。函館競馬場に入ってからの記事も見ましたが、まだ緩さも残っているとも書いていたので、あとは地力で何とかしてほしいと思っていました」
これまでのレースでは3番人気以下になったことが無かったヴェローチェエラではあったが、今回はデビュー戦以来となる芝2,000mのレースとなったこともあってか、10番人気の評価に落ち着いた。
「阪神大賞典(G2)のレース後に川田騎手は敗因として距離をあげていましたが、長い距離もこなせるだけの能力もあるのでしょうが、やはり、古馬の一線級を相手にすると、距離適性がよりはっきりとしてくるのかもしれませんし、2,000mという距離がヴェローチェエラにとって、不利になるとは思いませんでした」
今年の函館競馬場は幾つもコースレコードが塗り替えられるほどの高速馬場となっていたが、今年の函館記念(G3)も1,000m通過が58秒6のハイペースで流れていく。中団でレースを進めていたヴェローチェエラではあったが、3コーナーから一気に捲っていき、その勢いのままに直線では先頭に躍り出る。
上がり3ハロンも34秒7でまとめあげると、直線では迫ってきたハヤテノフクノスケに1馬身半差をつけて勝利。ゴール後、電光掲示板にレコードの文字が表示された時にはどよめきも起こった。
「函館記念(G3)で捲って勝ちきる馬はあまりいなかったので、上がっていた時には大丈夫か?と思っていました。ただ、須貝先生と佐々木騎手はこのレースを想定していたらしく、直線に入ってもスピードが落ちなかったのを見た時に勝てると思いました」
レース後、ヴェローチェエラは木村浩崇厩舎に戻ってきて、札幌記念(G2)に向けての調整が行われた。今回は前回よりも万全の状態で送り出せたとのことであり、重賞連覇、そしてG3からのG2勝利となる準備は整っている。