重賞ウィナーレポート

2025年06月22日 府中牝馬S G3

2025年06月22日 東京競馬場 晴 良 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:セキトバイースト

プロフィール

生年月日
2021年01月30日 04歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:14戦4勝
総収得賞金
141,921,000円
デクラレーションオブウォー(USA)
母 (母父)
ベアフットレディ(IRE)  by  Footstepsinthesand(GB)
馬主
TNレーシング
生産者
タイヘイ牧場 (静内)
調教師
四位 洋文
騎手
浜中 俊

 昨年まで関西地区で行われていたマーメイドS(G3)改め「第73回府中牝馬S(G3)」が6月22日、東京競馬場で行われ、浜中俊騎手騎乗の5番人気セキトバイーストが、最後の直線で早め先頭からそのまま押し切って先頭ゴールイン。7度目の重賞挑戦で初勝利。通算成績を14戦4勝2着4回3着1回とした。管理する四位洋文調教師にとっては2024年のシリウスS(G3)(優勝馬ハギノアレグリアス)に続くJRA重賞勝利で通算5勝目。浜名俊騎手にとっては、今年のシンザン記念(G3)に続くJRA重賞勝利で通算59勝目のタイトルとなった。

 同馬の生まれ故郷は新ひだか町のタイヘイ牧場。1936年(昭和11年)に青森県八戸市で創業した歴史ある牧場で、青森県にある本場にはかつて存在していた八戸競馬場の跡地も確認できる。現在、生産の拠点を新ひだか町の白金分場に移しており、生産馬は離乳してから本格的なトレーニングに入るまでを青森県の本場で過ごしており、これまでのおもな生産馬には高松宮記念(G1)など重賞5勝のサニングデールや、快足シルポート、重賞4勝でエリザベス女王杯2着ミスラディカル、最優秀障害馬ゴーカイなど活躍馬多数いるが、今回の勝利は2015年の阪神牝馬S(G2)(優勝馬カフェブリリアント)以来のJRA重賞勝利となった。

 レース当日、同牧場でゼネラルマネージャーを務める八尾圭樹さんは「前走の内容もよかったですし、この馬にとって良い枠順を引き当ててくれたと思っていましたので良い競馬を期待していました」と、仕事の合間にラジオから流れる実況中継に耳を傾けていたという。

 その時間だけは仕事する手を休め、ラジオから流れる実況を頭に描きながら「イメージしていたとおりの位置で競馬をしてくれていると思いました。その位置なら(勝ち負けはともかく)掲示板は間違いない。そう思って聞いていましたが、実況が先頭ゴールインを伝えてくれたときは本当に嬉しかったですが、仕事が終わった後にVTRを見たら、思っていたよりも接戦でした。リアルタイムで映像を見ていたら、相当焦ったと思います」と頭をかいた。

 母ベアフットレディは英国1000ギニー(G1)の前哨戦として位置づけられているネルグウィンS(G3)(芝7ハロン)と、カナダのカナディアンS(G2)(芝1,800m)優勝馬。現役引退後、大きな期待とともに日本に輸入されアスタービーナス(JRA2勝)やマテンロウアレス(筑後川特別)などを送り、デクラレーションオブウォーを父に持つセキトバイーストはその第8仔だ。

 その牧場時代は「生まれたときからきれいなボディラインを持ち、垢ぬけた馬。いわゆるマチュア=mature(大人びた馬)と表現できるような馬で、早い時期からの活躍が期待できるような馬」だったそうで、セレクションセールの展示会場では注目を集める馬となった。

 同セールで取引されたのち2歳7月にデビュー。2戦目で初勝利を記録するとチューリップ賞(G2)2着のち桜花賞(G1)にも駒を進めている。

 「母親はどちらかといえば放任主義的な馬ですから、大人びたところがある馬でした。セキトバイーストは早い時期から活躍してくれましたが、まだまだ強くなってくれる馬だと思います。これからは、さらに強い馬との競馬になると思いますが、自分の競馬が出来れば強い馬。さらなる活躍を期待します」とエールを送っている。