重賞ウィナーレポート

2025年06月15日 宝塚記念 G1

2025年06月15日 阪神競馬場 晴 稍重 芝 2200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:メイショウタバル

プロフィール

生年月日
2021年04月20日 04歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:10戦5勝
総収得賞金
418,093,000円
ゴールドシップ
母 (母父)
メイショウツバクロ  by  フレンチデピュティ(USA)
馬主
松本 好雄
生産者
三嶋牧場 (浦河)
調教師
石橋 守
騎手
武 豊

 春のグランプリ「第66回宝塚記念(G1)」は〝父の日〟開催。2014年の第55回大会以来、11年ぶりにファン投票上位3位までが顔を揃え、G1優勝経験馬6頭含む17頭立てで6月15日に阪神競馬場芝2,200mで行われた。勝ったのは浦河町の三嶋牧場が生産した4歳牡馬メイショウタバル(父ゴールドシップ、母メイショウツバクロ)。単勝オッズは7番人気11.4倍という評価だったが、武豊騎手を背に2分11秒1(やや重)で逃げ切り勝ち。

 この勝利は父ゴールドシップとの父仔制覇で、通算成績を11戦5勝(重賞3勝)とした。管理した石橋守調教師の重賞制覇は昨年の神戸新聞杯(G2)(優勝馬メイショウタバル)に続くもので通算3勝目。武豊騎手の重賞勝利は今年の目黒記念(G2)(優勝馬アドマイヤテラ)に続くもので通算365勝目。G1勝利は昨年のジャパンC(G1)(優勝馬ドウデュース)以来で通算84勝目となった。

 メイショウタバルの生まれ故郷の(有)三嶋牧場の歴史は長く、軽種馬の生産は戦前から行っていたというが、昭和36年に法人化。以来、現在に至るまでサラブレッドの生産・育成を行っている総合牧場だ。生産馬の重賞勝利は今年のフェアリーS(G3)(優勝馬エリカエクスプレス)に続くもので通算36勝目。G1勝利は昨年のスプリンターズS(G1)(優勝馬ルガル)に続くもので通算5勝目となった。

 前日までの雨が馬場を濡らした重馬場に近い稍重。武豊騎手が絶妙なペースでメイショウタバルを導き、2着馬に3馬身差。そのレースを競馬場で見守った三嶋牧場の三嶋健一郎氏は「メイショウタバルが優勝した毎日杯(G3)は飛行機のチケットが取れず、神戸新聞杯(G2)は浦河で外せない用事があり、どちらも“現地応援できず”でしたが、今回は最高の形でメイショウタバルの初G1制覇を目の前で見ることができました」と、嬉しそうに話してくれた。

 三嶋牧場と松本好雄オーナーとの付き合いは武豊騎手の父親である武邦彦調教師からの紹介でスタートし、30年以上にも及ぶそうだ。「メイショウタバルの曽祖母メイショウサチカゼは武邦彦調教師の管理馬で、武豊騎手でデビュー戦を、武幸四郎騎手で2勝目をあげています。松本好雄オーナーは三嶋牧場が苦しい時代にも馬を買い続けくれました。そして、よく浦河まで足を運んでくれて牧場スタッフにまで声をかけ励ましてくれました。松本好雄オーナーは、三嶋牧場にとって本当に恩人です」と感謝の気持ちを言葉に込めた。

 「これまで、当牧場生産で松本好雄オーナー所有馬は、JRAのG1競走には縁がありませんでした。この勝利は三嶋昌春社長にとっても牧場スタッフにとっても、私にとっても悲願でした。この縁をとりもってくれた武邦彦さんのご子息、武豊騎手が夢をかなえてくれました。ゴールでのあの嬉しそうな笑顔と、あのガッツポーズ。私は生涯忘れることはないでしょう。これでようやくオーナーに、少し恩返しすることができました」とレースを振り返り、「今は松本好雄オーナーにもメイショウタバルにも、武豊騎手にも、石橋守調教師にも感謝の気持ちでいっぱいです。“人がいて、馬がいて、また人がいる”とはオーナーの言葉ですが、その言葉がずっしりと胸に響いています」と感謝の言葉を重ねた。