2025年06月01日 目黒記念 G2
優勝馬:アドマイヤテラ
プロフィール
- 生年月日
- 2021年02月07日 04歳
- 性別/毛色
- 牡/芦毛
- 戦績
- 国内:9戦5勝
- 総収得賞金
- 185,089,000円
- 馬主
- 近藤 旬子
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 友道 康夫
- 騎手
- 武 豊
日本ダービー(G1)の興奮も冷めやらぬ中で行われた、今年の目黒記念(G2)。多くのファンが伝統のあるレースを見るために競馬場に残り、そしてゴール前では日本ダービー(G1)と寸分変わらないような歓声を送っていた。
その大歓声の中、最後の直線で力強く抜け出してきたのがアドマイヤテラとなる。鞍上の武豊騎手はこの勝利で、デビュー以来、39年連続重賞制覇となり、レース後の表彰式でもファンからの祝福を集めていた。
「武さんが『ダービーデーではなく、目黒記念デー』だと話していたのはさすがだなと思いました」と笑顔で話してくれるのは、アドマイヤテラの騎乗育成を手掛けた、ノーザンファーム空港の高見優也厩舎長。その高見優也厩舎長や育成スタッフが手掛けた馬が、今年の皐月賞馬となり、そして日本ダービー(G1)にも出走していたミュージアムマイルとなった。
「日本ダービー(G1)は展開も不向きだっただけでなく、距離も長かったのかもしれません。それでも能力は証明してくれただけに、秋以降の活躍が楽しみです」(高見優也厩舎長)
その悔しさを晴らした形となったアドマイヤテラは、昨年の菊花賞(G1)では3着となっただけでなく、前走の大阪-ハンブルクCでオープン初勝利を挙げるなど、年齢とレース経験を重ねながら確実に成長を遂げてきた。
「育成時は細身な馬体ということもあって、頼りなさも感じていましたが、京都新聞杯(G2)の後に北海道へと戻ってきた時には、中身がしっかりと入っていたような動きを見せるようになっていました」
高見優也厩舎長は今年の1月にノーザンファームしがらきへ研修に行った際にも、調整中のアドマイヤテラを見てきたというが、その時も馬体には充実感が溢れていたという。
「育成時は遊び遊び走っていましたが、それも解消されてきたように、精神面もしっかりとしてきました。大阪-ハンブルクCを勝った後には天皇賞(春)(G1)への出走も目されていましたが、重賞を勝つために目黒記念(G2)を選択したと聞いています」
その意味では管理をする友道厩舎も、抜かりない仕上げでレースに臨めたのだろう。2着のホーエリートとはクビ差ながらも、図ったかのように前を捉えた走りは、着差以上の強さとも言えた。
「友道先生も菊花賞(G1)の後は間隔を取りながら、大事に使ってきてくれましたし、その出来の良さもあって、1番人気の支持に繋がったのだと思います。今後のためにも勝って欲しいと思っていましたが、レースの内容も含めて、強いレースを見せてくれました」
秋には古馬中長距離G1戦線での活躍も見込まれるが、そこでは育成馬であるミュージアムマイルの戦いも見られるかもしれない。
「今年、日本ダービー(G1)と目黒記念(G2)の双方で、高い人気に支持された育成馬を送り出せたのは嬉しく思います。来年も双方の舞台に育成馬を送り出すだけでなく、次こそは日本ダービー(G1)と目黒記念(G2)を育成馬で勝ってみたいです」と次なる目標を話す高見優也厩舎長。その言葉は来年のダービーデー、いや、目黒記念デーで現実となるのかもしれない。