重賞ウィナーレポート

2025年05月10日 京都新聞杯 G2

2025年05月10日 京都競馬場 曇 稍重 芝 2200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ショウヘイ

プロフィール

生年月日
2022年03月15日 03歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:4戦2勝
総収得賞金
69,342,000円
サートゥルナーリア
母 (母父)
オーロトラジェ  by  オルフェーヴル
馬主
石川 達絵
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
友道 康夫
騎手
川田 将雅

 デビュー4戦目となる京都新聞杯(G2)で、重賞初制覇をあげたショウヘイ。その馬名の意味は「人名より」とあるものの、今、日本で「ショウヘイ」と言えば、ロサンゼルス・ドジャース所属する、大谷翔平選手を想像するのは自明の理だろう。

 「馬名を見た時には、名前負けしない活躍ができればいいなと思いました」と笑顔を見せるのは、ノーザンファーム早来の木村浩崇厩舎長。イヤリングから来た時期は遅くなったショウヘイではあったが、馬名登録と共に話題を集めるようになってから、日に日に状態を上げていった。

 「函館競馬場でゲート試験を受けることになったのですが、その頃には上のクラスで活躍できるかも、といった手応えを感じるようになりました。騎乗したことのあるスタッフにも感触を聞いていたのですが、総じて評価は高かったです」(木村浩崇厩舎長)

 管理をする友道康夫調教師の大江祐輔調教助手は、ノーザンファームでの勤務経験があり、木村浩崇厩舎長とも旧知の仲だった。デビューにあたり、ショウヘイの状態が気になった木村浩崇厩舎長は、大江祐輔調教助手に連絡を取った。

 「大江祐輔さんは『調教の時計も出ているし、名前からも注目を集めているけど、レースを使ってから更に良くなると思う』と話していました。1番人気を集めた新馬戦は2着でしたが、大江祐輔さんの話していたとおりに2戦目ではきっちりと勝ち上がってくれました」

 3歳初戦となったきさらぎ賞(G3)では、2番人気を集めるも4着に敗退。ただ、レース後に鞍上を務めた川田将雅騎手が、「調教通りの走りでした。良くなってこなければ、本来のパフォーマンスはできません」と話していたように、決して状態面で万全とは言えなかった。

 「厩舎やノーザンファームしがらきでもいい状態に近づけてくれたと思いますが、やはり、新馬戦から未勝利まで間隔を空けずにレースを使った疲労が抜けきっていなかったのかもしれません。京都新聞杯(G2)の前にも大江祐輔さんと話す機会がありましたが、調子は8割ぐらいには戻ってきたと言っていたので、いい結果を出してくれないかと期待をしていました」

 京都新聞杯(G2)は関西地区で行われる重賞ということもあり、日本ダービー(G1)への東上最終便とも言われることがある。今年の出走馬10頭は、連勝してきたトッピボーンとエムズ、そして重賞入着歴のあるキングスコールが上位人気に支持されていた中、ショウヘイは5番人気となっていた。

 レースはナグルファルが先手を取り、ショウヘイは2番手からレースを進めていく。前半の1,000m通過は63秒3と比較的ゆったりとした流れとなる中、最後の直線で馬場の真ん中に進路を向けたショウヘイは、川田将雅騎手のアクションに反応すると一気に加速を開始。インコースからはエムズが脚を伸ばすも、勢いの違いは明らかであり、結果は2馬身半差をつけての快勝となった。

 「思っていた以上に強い勝ち方だったので驚きました。大江祐輔さんとはレースの後にも話したのですが、8割の出来であのレースができるのならば、次のレースは更に良くなると期待をしていました」

 その「次のレース」とは、この世代の3歳馬の頂点を決める日本ダービー(G1)。木村浩崇厩舎長は18頭しかゲート入りを許されていないレースに際して、注目していることがある。

 「ショウヘイにとってはあまりいい枠とは言えませんが、もし、大谷翔平選手と同じ17番からの出走となれば、かなりの話題になると思います。その枠順で勝つことになれば、大谷翔平選手に近づけるかもしれませんね」

 まだ、この時点で枠順は発表されていないが、今年の日本ダービー(G1)は、ショウヘイがどの枠に入るかも含めて、注目を集めることは間違いない。そしてレースでは「ショウヘイ」の名の通りに、この世代の「MVP」となるような走りも期待したくなる。