2025年04月20日 福島牝馬S G3
優勝馬:アドマイヤマツリ
プロフィール
- 生年月日
- 2021年02月06日 04歳
- 性別/毛色
- 牝/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:9戦5勝
- 総収得賞金
- 100,521,000円
- 馬主
- 近藤 旬子
- 生産者
- スマイルファーム (門別)
- 調教師
- 宮田 敬介
- 騎手
- 田辺 裕信
優勝馬にはヴィクトリアマイル(G1)への優先出走権が付与される第22回福島牝馬S(G3)が4月20日、福島競馬場芝1,800mで行われ、田辺裕信騎手騎乗の1番人気アドマイヤマツリが後続を突き放して先頭ゴールイン。初の重賞挑戦で重賞ウィナーの仲間入りを果たし、通算成績を9戦5勝2着3回とした。管理した宮田敬介調教師のJRA重賞勝利は昨年の府中牝馬S(G2)(優勝馬ブレイディヴェーグ)に続くもので通算6勝目。田辺裕信騎手にとっては昨年のラジオNIKKEI賞(G3)(優勝馬オフトレイル)に続く重賞勝利で通算46勝目。なお、この勝利で田辺裕信騎手は福島競馬場の4重賞完全制覇となった。
アドマイヤマツリの生まれ故郷は日高町のスマイルファーム。2009年創業という比較的新しい牧場だ。年間の生産頭数は約20頭ほどだが、その間に中山金杯(G3)に勝利したラーグルフや兵庫ジュニアグランプリ(Jpn2)2着アスターソード、デイリー杯2歳S(G2)3着ダイシンラーなどのほか3勝クラス特別を勝ち上がったヴィーダやアスターマリンバ、あるいはホッカイドウ競馬のダービー「北海優駿」勝馬アベニンドリームなどを送りだしている。
この日、同ファームの中村代表は「条件戦のころから、強い馬たちを相手に競馬をしてきた馬とはいえ、格上げ初戦で重賞初挑戦。1番人気には驚かされましたし、以前、出遅れたことがあったので、1番枠も少し気になっていました」と期待半分、不安半分といった気持ちで、繁忙期を迎えている牧場から愛馬のレースを見守っていたそうだ。
しかし、そんな生産者の心配をよそに愛馬は互角のスタートから、先行集団を前に見るような位置のインコースでレースを進めると、勝負どころからは前を射程圏内に置くポジションまで押し上げ、最後はジョッキーのゴーサインに応えるように伸びて、後続を突き放した。
「田辺裕信騎手がスムーズにリードしてくれましたし、4角での手応えも十分でした。その時に勝利を確信しましたが、それにしても抜け出してからは福島の直線が長く感じました」と喜びを表現した。
牧場時代のアドマイヤマツリを「すばしっこい馬でした」だったそうだ。母アドマイヤナイトは420~30kg台と馬格には恵まれなかったもののデビューから5戦で3勝を記録した好素質馬。全4勝を芝1,400m以下で記録し、芝1,200mの3勝クラス特別で2着4回というスピード馬だった。「当牧場でアドマイヤマツリをお預かりさせていただいたのは当歳まででしたが、母同様に機敏な細かい動きで加速できるような馬でした。当時は、もしかしたら母と同じような短距離馬になるのではないかと思ったほどです」と懐かしむ。
「キタサンブラック産駒なので、牧場では〝マツリ〟って呼んでいたのです。それを知ったオーナーが、そのまま馬名の一部にしてくれました。なので、愛着もひとしお。オーナーには感謝しています。素晴らしい繁殖牝馬をお預けいただいたことも含め、この勝利で少しでも恩返しが出来たなら嬉しいです」と話し「次走(ヴィクトリアマイル(G1))はこれまでとは違ったメンバーになると思いますので、まずは無事に。もちろん勝ってくれれば嬉しいのですが、次につながるような悔いのない競馬をして欲しいです」とレースを心待ちにしている。