2025年04月05日 ダービー卿ChT G3
優勝馬:トロヴァトーレ
プロフィール
- 生年月日
- 2021年04月30日 04歳
- 性別/毛色
- 牡/青鹿毛
- 戦績
- 国内:10戦6勝
- 総収得賞金
- 140,063,000円
- 父
- レイデオロ
- 母 (母父)
- シャルマント by エンパイアメーカー(USA)
- 馬主
- (有) サンデーレーシング
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 鹿戸 雄一
- 騎手
- J.モレイラ
レイデオロの初年度産駒が、4歳春を迎えて本格化を迎えている。
阪神大賞典(G2)でサンライズアースが重賞制覇を果たし、オープンの大阪-ハンブルクCを優勝したアドマイヤテラは、6月1日に東京競馬場で行われる目黒記念(G2)で重賞初制覇を目指す。
サンライズアースとアドマイヤテラが、父の活躍した芝の中長距離で結果を出す中、父譲りのスピードを芝のマイル戦で証明したのが、ダービー卿チャレンジT(G3)を優勝したトロヴァトーレとなった。
「育成時の印象としては気性的に行きたがる面もあったので、短い距離の方が集中して走れるのではと思っていました。それだけに新馬戦、葉牡丹賞と続けて芝2,000mのレースで連勝してくれた時には、自分の印象よりも距離は持つのかなと思っていました」と話すのは、ノーザンファーム空港B6厩舎の高見優也厩舎長。重賞初挑戦となった弥生賞ディープインパクト記念(G2)でも1番人気の支持を集めるも、道中の不利に加えて、直線で伸びを欠いたこともあり6着に敗れてしまう。
「青葉賞(G2)も負けてしまいましたが(11着)、やはりこの馬としては距離が長かったのかもしれません」(高見優也厩舎長)
それを感じ取っていたのは陣営も一緒だった。6月の芦ノ湖特別では芝のマイル戦に戦いの場を移すと、初対戦となる古馬も退けて勝利。その後も芝のマイル戦を使っていきながら、連対を外さないレースぶりで9月の秋風Sを勝利してオープン入り。次の年のニューイヤーSも制して、リステッドレースでも勝利をあげる。
「こちらにいた頃は気性もあったのか、身になりづらい馬だっただけに、レースを使われながら馬体重が増えてきたのは良かったなと思っていました。また、牧場にいた頃から高い能力を感じさせていながらも、コントロールが難しかったのですが、それもレースを重ねる中で解消されていきました」
昨年の秋、高見優也厩舎長はトロヴァトーレの調整が行われていた、ノーザンファーム天栄に研修で出向いている。その際には実際に背中に跨って乗り味を確かめたというが、育成時よりも動きには安定感が生まれていた。
心身ともに成長を遂げて迎えたダービー卿チャレンジT(G3)となったが、ここでの重賞制覇に大きな手助けを果たしたのが、3月29日から単騎免許で来日していた、J.モレイラ騎手となった。
スタートのタイミングが合わず、後方からのレースとなっただけでなく、最後の直線でも馬場の内側に閉じ込められたような形となってしまう。だが、そこから柵沿いにビクトリーロードを見つけると一気に加速。この日は9レースから連勝を重ねていたJ.モレイラ騎手が、ダービー卿チャレンジT(G3)の後に行われた12レースも勝利。4連勝かつ、この日5勝という固め打ちの中でも、「モレイラマジック」が特に冴えわたったのがこのダービー卿チャレンジT(G3)となった。
「J.モレイラ騎手が上手く乗ってくれました。それも内で空くのを我慢していただけでなく、他の馬がどんな走りをするのかまで考えているからこそ、あの騎乗に繋がったと思いますが、本当にマジックを見せてもらいました」
ただ、トロヴァトーレ自身も強くなっているのは事実である。このレースはゲートで待たされただけでなく、ゲートを出る際にも突進して鼻血を出していながらも闘争心は衰えることが無かった。
「早い時期から重賞を勝てる馬だと思っていましたが、時間はかかったものの、それが証明できて良かったです。次はG1(安田記念)を予定していますが、父の種牡馬としての評価を更に高めるようなレースを期待しています」
サンライズアースやトロヴァトーレなどの重賞での活躍を受ける形で、レイデオロの元には配合の申し込みが続々と届いているという。産駒は中長距離だけでなく、芝のマイル適性の高さもトロヴァトーレが安田記念(G1)で証明してくれるはずだ。