2025年03月29日 日経賞 G2
優勝馬:マイネルエンペラー
プロフィール
- 生年月日
- 2020年03月13日 05歳
- 性別/毛色
- 牡/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:20戦5勝
- 総収得賞金
- 172,582,000円
- 父
- ゴールドシップ
- 母 (母父)
- マイネテレジア by ロージズインメイ(USA)
- 馬主
- (株) サラブレッドクラブ・ラフィアン
- 生産者
- ビッグレッドファーム (新冠)
- 調教師
- 清水 久詞
- 騎手
- 丹内 祐次
優勝馬には天皇賞(G1)(春)への優先出走権が与えられる「第73回日経賞(G2)」が3月29日に有馬記念(G1)と同じ中山競馬場芝2,500mコースで行われ、好位を追走した丹内祐次騎手騎乗の2番人気マイネルエンペラーが最後の直線でしぶとく伸びて優勝。デビュー20戦目、3度目の重賞挑戦で嬉しい初勝利となった。管理する清水久詞調教師にとっては昨年のステイヤーズS(G2)(優勝馬シュヴァリエローズ)に続くJRA重賞勝利で通算29勝目、コンビを組んだ丹内祐次騎手にとっては今年2月の小倉大賞典(G3)(同ロングラン)に続くJRA重賞勝利で通算9つめのビッグタイトルとなった。
同馬を生産したのは新冠町のビッグレッドファーム。1974年に岡田繁幸氏が立ち上げた牧場で1982年に法人化。現在は北海道と茨城県に計7つの牧場を構えて「業界屈指のハードトレーニングでタフな競走馬をつくる」ことを目標に生産、そして育成に励んでいる総合牧場だ。
同ファームの蛯名聡マネージャーは「図らずも、このレースには生産馬3頭を出走させることができました。それぞれにチャンスがあると思っていました」とレースの発走時間を楽しみにしていたそうだ。スタートは互角だったが、マイネルエンペラーは気合を付けながら好位をキープし、スタートは出たものの行き脚が付かなかったマイネルウィルトスも好枠を利して好位集団に取りつき、末脚勝負にかけるマイネルクリソーラは後方待機。それぞれがレース前に思い描いていたポジションをキープしたが、その中で最も積極的なレースをしたのがマイネルエンペラーだった。4角手前で先頭に並びかけ、粘るライバルを競り落とし、後続の追撃を封じ込めた。
「消耗戦のようなレースとなって、決して良い手応えとは言えなかったと思うのですが、最後は本当によく我慢してくれました。正直に言えば、大外から脚を伸ばしてきたマイネルクリソーラの勢いが良かったので、そちらに目が奪われてしまったのですが、マイネルエンペラーは長く良い脚を使ってくれました。先頭でゴールを通過したときは嬉しかったです。頼もしくなったと思いました」と相好を崩した。
牧場時代は心身ともに健康優良児。「良い意味で、あまり目立たないような馬でした」と振り返るが、オークス馬ユーバーレーベンの全弟で、新潟記念(G3)に勝ったマイネルファンロンの半弟。豪州から競走馬として輸入してきたマイネプリテンダーが唯一残した後継繁殖牝馬から広がるファミリーだけに喜びもひとしおだ。
「新馬戦に勝つことができましたので、何とかクラシックレースに出走できないかと厩舎の方々が努力してくださいましたが、その期待に応えることができませんでした。その後、キャリアを重ねながら体重も増え、強くなってくれた、ゴールドシップ産駒らしいと言えばらしい馬ですが、自分たちが理想とする馬づくりを具現化してくれるようなところも嬉しいです」と感想を述べた。
そして、いよいよ天皇賞(G1)(春)へと挑む。
「まずは無事に。天皇賞(G1)(春)は相手も強くなると思いますが、父のゴールドシップも勝っているレースで、京都競馬場の外回りコースも得意。人馬そろってのG1制覇を見たいですね」と期待に胸を膨らませている。