2025年03月30日 マーチS G3
優勝馬:ブライアンセンス
プロフィール
- 生年月日
- 2020年03月16日 05歳
- 性別/毛色
- 牡/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:14戦6勝
- 総収得賞金
- 133,736,000円
- 父
- ホッコータルマエ
- 母 (母父)
- ヒラボクビジン by ブライアンズタイム(USA)
- 馬主
- 林 正道
- 生産者
- 谷川牧場 (浦河)
- 調教師
- 斎藤 誠
- 騎手
- 岩田 望来
4月のアンタレスS(G3)、5月の平安S(G3)から6月の帝王賞(Jpn1)へと続くマーチS(G3)が3月30日、中山競馬場ダート1,800mを舞台に行われ、好位集団を見るような形でレースを進めた岩田望来騎手騎乗の2番人気ブライアンセンスが最後の直線で力強く脚を伸ばし、1分51秒5で先頭ゴールイン。ちょうど1年前の同レースで1番人気を裏切ってしまった雪辱を果たした。管理する斎藤誠調教師にとっては2022年のエルムS(G3)(優勝馬フルデプスリーダー)以来のJRA重賞勝利で通算11勝目。岩田望来騎手は前週のファルコンS(G3)に続く重賞勝利で通算15勝目のJRA重賞勝利となった。
セレクトセール当歳セッション取引馬ブライアンセンスの生まれ故郷は浦河町の谷川牧場。明治45年創業で、現在は生産から中期育成、後期育成までを行う総合牧場だ。生産馬のJRA重賞勝利は昨年の阪神カップ(G2)(優勝馬ナムラクレア)に続くもので2025年は初勝利。この勝利で2021年から続けられている生産馬の連続年重賞勝利を「5」と伸ばしている。
「ゴールするまでヒヤヒヤでしたが、最後まで本当によく頑張ってくれました。このレースに向けてしっかりと仕上げてくれた厩舎の努力はもちろんですが、岩田望来騎手がうまく馬群を捌いてくれたのと、最後まであきらめずに追ってくれたおかげだと思います。それだけに嬉しい勝利になりました」と声を弾ませたのは谷川牧場の谷川貴英代表だ。
「57.5キロのハンデは、2017年に本馬の叔父(母の半弟)にあたるインカンテーションが勝った時と同じ。不思議な縁を感じました。(インカンテーションの母で)本馬の祖母オリジナルスピンは2004年のタタソールズセールで購入した馬ですが、仔や孫からの活躍馬がいて、牧場にとっては宝物のような存在になりました。これからも大切にして、ファミリーを広げていきたい」と感想を述べた。自身は英国で2勝という祖母オリジナルスピン(父Machiavellian)は、1982年の英1000ギニー(G1)2着馬で、英オークス馬タイムチャーターの孫にあたる血統馬。タイムチャーターは1番人気に支持された1983年の凱旋門賞(G1)こそ約1馬身差の4着に敗れたが、この年は“Kジョージ六世&QエリザベスS(G1)”でダイヤモンドショール(本邦輸入種牡馬)を破り、フォア賞(G3)ではのちの凱旋門賞馬オールアロングを下して英国の古牝馬チャンピオンに選出された活躍牝馬だ。「手に入れようと思っても、なかなか手に入らない血統だと思います。競り落とせたのはラッキーでした」と当時を振り返ってくれた。
ホッコータルマエとの配合は「ブライアンズタイム産駒の母ヒラボクビジンがダートで4勝してくれた馬ですので、その配合相手にはダート適性の高い馬を」と選ばれた。生まれた仔は「きれいな背中のラインを持って生まれた馬で、雰囲気のある馬でした。牧場に足を運んでいただいた多くの方から褒められたのを記憶しています」と懐かしむ。
「おじインカンテーションも頑張って種牡馬となり、その産駒が活躍することで種牡馬として高い評価をいただくまでになりました。この馬も、それに続くような活躍をして欲しい」と、更なる活躍を期待している。