重賞ウィナーレポート

2025年02月23日 レジーナディンヴェルノ賞(GDJ)

2025年02月23日 高知競馬場 晴 良 ダ 1900m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:サンオークレア

プロフィール

生年月日
2019年05月23日 06歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:31戦14勝
総収得賞金
50,595,000円
バンブーエール
母 (母父)
デンジャーマネー  by  マンハッタンカフェ
馬主
(株) 加藤ステーブル
生産者
株式会社 加藤ステーブル (門別)
調教師
田中 一巧
騎手
石川 倭
  • 加藤ステーブル豊郷分場の1歳放牧地
    加藤ステーブル豊郷分場の1歳放牧地
  • 加藤ステーブル豊郷分場の1歳放牧地
    加藤ステーブル豊郷分場の1歳放牧地
  • 加藤ステーブル豊郷分場の厩舎
    加藤ステーブル豊郷分場の厩舎

 『グランダム・ジャパン2025』古馬春シーズンの第3戦「レジーナディンヴェルノ賞(高知)」は、兵庫からの遠征馬サンオークレアが2馬身半差の快勝。後方2番手追走から向正面で一気にポジションを上げていき、3~4コーナーで先頭に立ってそのまま押し切る見事なまくり勝ち。昨年のヒダカソウカップ(門別)、グランシャリオクイーンズ(門別)につづく重賞3勝目を飾った。

 「レジーナディンヴェルノ賞は、うちの会長、社長、育成スタッフといっしょに現地へ応援に行っていたんです。私は高知競馬場へ行くのが初めてで、終始ドキドキしながらレースを見守っていたのですが、本当にかっこいい勝ち方をしてくれて感動しました」と歓喜の瞬間を思いだすのは、サンオークレアの生産者でありオーナーでもある(株)加藤ステーブルの加藤芽衣さん。加藤芽衣さんは創業者である現会長・加藤信之さんの娘で、現社長・加藤天明さんの姉。〝走る馬づくり〟を目標に掲げ、スタッフとともに牧場を盛り立てている。「高知の馬場は初めて走る馬にとって難しいと聞いていたので、後ろの方を走っている時は『やはり厳しいのかな』と思っていたんです。そしたら向正面からの超ロングスパートでゴールまで駆け抜けましたからね。石川倭騎手も追いっぱなしでしたから、ゴール後は酸欠状態のようになっていたそうです(笑)」とレースを振り返る。

 サンオークレアの母デンジャーマネーはタイヘイ牧場(静内)の生産馬で、姪に今年のチューリップ賞(G2)を制したクリノメイがいる血統。現役引退後もタイヘイ牧場で繁殖生活を送っていたが、2018年に(株)加藤ステーブルが購入。その時にバンブーエールの仔をお腹に宿しており、翌年生まれた牝馬がサンオークレアだった。ただ残念なことに、サンオークレアを出産した翌日、デンジャーマネーは天へと旅立ってしまった。「サンオークレアがデンジャーマネーの最後の仔となってしまいました。母がいない状態で育ちましたが、当歳時は放牧地を元気に走り回ってやんちゃなお転婆娘という印象の仔でした。もともと線が細い馬で、育成に移ってからは牝馬特有の神経質な面も見せていたようです」と牧場で育った時期について話してくれた。

 その後、2歳10月にJRAデビューを果たしたサンオークレアだが、3歳春にホッカイドウ競馬へ移籍。五十嵐冬樹騎手(当時)が主戦を務め、3歳時に門別で4勝を挙げる活躍を見せる。3歳秋には川崎へ転厩。南関東でも7勝を挙げて、5歳春に再びホッカイドウ競馬へ。開業2年目の五十嵐冬樹厩舎で管理され、5月のヒダカソウカップで五十嵐冬樹調教師に初重賞タイトルをプレゼントしている。「五十嵐冬樹調教師とはとても縁があって、騎手生活最後のレースとなった2022年の道営記念をうちの所有馬サンビュートに乗って優勝してくれたんです。厩舎の皆さんもみんなサンオークレアのことを可愛がってくれていて、安心してお任せすることができています」と、普段から親身になってサンオークレアの世話をしてくれているスタッフに感謝する。

 6歳シーズンは兵庫へ移籍し、高知へ遠征してレジーナディンヴェルノ賞に優勝。ダートグレードの兵庫女王盃(Jpn3)でも地方最先着の4着と好走をつづけていたサンオークレアだが、2025年のホッカイドウ競馬開幕とともに門別・五十嵐冬樹厩舎へと戻ってきた。「今年いっぱいで現役を終えて繁殖入りする予定なので、最後は五十嵐冬樹調教師の下で競走生活を締めくくらせてあげたいという気持ちです。サンビュートのように最後に大きなサプライズがあると最高ですが、とにかく無事に競走生活を全うして牧場に戻ってきてほしいという思いが強いです」と愛情たっぷりにエールを送る加藤芽衣さん。生まれ故郷に近い門別競馬場の厩舎で過ごすサンオークレアに、加藤芽衣さんの想いは届いているはずだ。