重賞ウィナーレポート

2025年03月22日 フラワーC G3

2025年03月22日 中山競馬場 晴 良 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:レーゼドラマ

プロフィール

生年月日
2022年05月12日 03歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:4戦2勝
総収得賞金
44,167,000円
キズナ
母 (母父)
シアードラマ(USA)  by  Burning Roma(USA)
馬主
(有) 社台レースホース
生産者
社台ファーム (千歳)
調教師
辻野 泰之
騎手
戸崎 圭太
  • 競馬ファンには馴染みのある、縦縞の勝負服
    競馬ファンには馴染みのある、縦縞の勝負服
  • 冬場でも馬場や通路の除雪は、しっかりと行われていた
    冬場でも馬場や通路の除雪は、しっかりと行われていた

 レーゼドラマの馬名の由来とは、上演を目的とせず、表現に重きを置くことで、読まれることを目的とした脚本とされる。

 だが、競走馬のレーゼドラマは、多くの競馬ファンが注目する今年のフラワーC(G3)にて優勝。一躍、今年の牝馬クラシック戦線の舞台の主役候補として名乗りを上げた。

 「5月12日生まれということもあってか、騎乗調教を始めた頃は、心身の両面で幼さがありました」と話すのは、レーゼドラマの騎乗育成を手掛けてきた、社台ファームの本多泰成調教厩舎長。レーゼドラマは騎乗育成を進めていく際に、ハミ受けで敏感な面を見せたかと思えば、乗り込みを続けていく中で「スクミ」が出てくるなど、下積みの時間を長く要することともなった。

 「それでも焦すことなく、本馬の成長を阻害しないように意識づけながら、調教に取り組んできました。それが今日の活躍に繋がっていたとするのなら、これほど嬉しいことはありません」(本多泰成調教厩舎長)

 デビュー戦となった昨年11月のメイクデビュー京都では、中団から脚を伸ばせずに6着に敗退。その時は勝馬から1秒7差を付けられていたものの、2戦目となる3歳1月の未勝利戦では、先行して抜け出すという正攻法のレースぶりを見せると、2着馬に5馬身差、タイムで言うと0秒9差を付けての快勝。10番人気の低評価を覆すかのような強いレースを見せた。

 続くゆりかもめ賞も先行していったレーゼドラマではあったが、芝2,400mの距離も影響したのか、直線で失速して6着に敗れる。だが、その先行力を遺憾なく発揮できる舞台となったのが、中山競馬場の芝1,800mで行われるフラワーC(G3)だった。

 このレース、レーゼドラマは5番人気での出走となった。主役と言うべき1番人気を集めたのは、2歳未勝利戦、つばき賞と連勝を重ねてきたパラディレーヌであり、2番人気のミッキーマドンナ、3番人気のジョスランは、共に前走のフラワーC(G3)で人気を集めていた。

 だが、好スタートを切ったレーゼドラマは連勝の勢いや、レースの格など関係無いかのように、逃げたハードワーカーをマークするかのように2番手を追走。それどころか3コーナーを過ぎたあたりで先頭に立つと、直線でもその走りに陰りは見られない。ゴール前の急坂も難なく登り切り、その勢いのままに先頭でゴール板を駆け抜けた。

 「レース後に鞍上を務めてくれた戸崎騎手から、『タフな馬なので、自分から仕掛けていきました』というコメントを目にしました。まさにタフさが証明されたレース内容だったと思います」

 騎乗育成を始めた頃は、重賞どころか、メイクデビューの舞台に上がる日はいつになるのかと思えた日もあったが、それでも本多泰成調教厩舎長は、その中で見せる競走馬としてのポテンシャルの高さを信じ続けた。

 「戸崎騎手の言葉は、レーゼドラマの成長を信じて、スタッフ一丸となって取り組んできたことが、間違ってなかったよと言ってもらえたような気がしました。本当に嬉しかったです」

 レース後、陣営は豊富なスタミナを生かせる舞台として、この後はオークス(G1)を目標にすることを発表。一度は苦汁を飲まされた、東京競馬場芝2,400mの条件ではあるが、オークス(G1)に出走するほとんどの牝馬がこの条件を経験していないだけに、むしろアドバンテージに働く可能性がある。

 「オークス(G1)も楽しみですが、レーゼドラマの本領発揮は、まだまだこれからだと思っています」と本多泰成調教厩舎長は将来性を高く評価する。オークス(G1)で主役を務めた先のG1の舞台では、レース後の主役として常にレーゼドラマの名前が出てくるのかもしれない。