2025年03月23日 阪神大賞典 G2
優勝馬:サンライズアース
プロフィール
- 生年月日
- 2021年02月06日 04歳
- 性別/毛色
- 牡/栗毛
- 戦績
- 国内:7戦3勝
- 総収得賞金
- 147,687,000円
- 馬主
- (株) ライフハウス
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 石坂 公一
- 騎手
- 池添 謙一
レイデオロ産駒がついに中央の重賞制覇を果たした。産駒初の重賞勝馬となったのは、阪神大賞典(G2)を制したサンライズアース。育成を手掛けてきたノーザンファーム空港の田中洋二厩舎長は、知り合いの関係者に、「今週は重賞を勝ちます!」と話していた。
「その関係者の方も驚いていましたが、今回は自信がありました」と田中洋二厩舎長は笑顔を浮かべる。デビュー時から500kg超えの馬体と、育成時から馬格に恵まれていたサンライズアースであったが、その馬体の通りにパワー溢れる走りを見せていた。
「サンライズアースもそうですが、育成時におけるレイデオロ産駒は、ダートもこなせると思えた程に堅めな印象がありました。気性面でも父が出ているのか、もしくは、隣の厩舎で育成されていたセラフィックコールも一緒だったというのか、元気な印象がありました。それでこの馬格だったので、かかった時の制御が大変になることもありました」(田中洋二厩舎長)
それでいながら、サンライズアースは俊敏な動きもできていた。調教も順調に進み、夏前には本州へと移動する。ノーザンファームしがらきと、管理をする石坂厩舎でじっくりと調教されたのち、2歳10月のメイクデビュー京都で初戦を迎える。
「当初はダートでのデビューも想定していたようなのですが、追い切りに騎乗したМ.デムーロ騎手の進言もあって、芝で使うことになりました。М.デムーロ騎手も好印象を持ってくれたようであり、初戦から期待できるのではと思っていましたが、7番人気とあまり評価が高くなかったのには、正直、戸惑いました」
だが、サンライズアースは戦前の評価を感じさせないレース内容で新馬戦を快勝。続くホープフルS(G1)は左前の挫石で出走取り消しとなったものの、すみれSでは後方からのレースながらも、早めに主導権を握っていく豪快なレースで勝利。この時も7番人気だった。
ここで賞金を得たサンライズアースは、皐月賞(G1)、そして日本ダービー(G1)へと出走。厩舎長となってから2年連続での育成馬の日本ダービー(G1)参戦は、田中洋二厩舎長やスタッフにとって喜びともなった。
「しかも、日本ダービー(G1)では4着入着を果たしてくれました。この日は厩舎スタッフが応援に行ってくれたのですが、現地で観戦しても、とても興奮したと話してくれました」
ただ、好事魔多しとでもいうのか、この後の調整で夏負けを起こしてしまい、飛躍が期待されていた秋シーズンのレースを見送ることになってしまう。復帰戦となったのは今年の日経新春杯(G2)となったのだが、休養明けで一線級を相手にした競馬はさすがに荷が重たかったのか、16着に敗退。次走は自己条件(3勝クラス)の早春Sとなったが、ここで2着と復調の気配を見せる。
「早春Sのレース内容を見て、体調は戻っているなと思いました。阪神大賞典(G2)は格上挑戦ともなりましたが、例年のメンバー構成を見ても、そこまで抜けた馬はいないと思っていただけに、展開次第では十分にチャンスがあると思っていました」
ファンもまた、サンライズアースを4番人気に支持していく。その期待に応えるかのように、好スタートからレースの主導権を握っていったサンライズアースは、1周目のゴール前を先頭で通過。2周目の向こう正面で、一旦はマコトヴェリーキーに交わされるも、4コーナーで一気に加速をして再び先頭に立つと、その差をみるみるうちに広げていく。
「いいラップを刻んでいたように、展開がガッチリはまったというのもありますが、それでもあそこまでの力を見せてくれたのはビックリしました」
結果はマコトヴェリーキーに6馬身差をつけての快勝。この勝利で一気に天皇賞(G1)(春)の主役へと躍り出た。
「それでも1週前の第4コーナーを逆手前で走っていたリ、育成時からの課題だった物見もしているなど、まだまだ課題は残っています。それでも集中した時の走りは見事でしたし、まだ上手いレース運びができたのならば、更に能力が発揮できると思います」と田中洋二厩舎長。そして、取材の最後には、「この勝利によって、種牡馬としてのレイデオロの評価を高められたことを嬉しく思います。レイデオロもまた、空港牧場の育成馬だっただけに、サンライズアースもその父に近づくような活躍を見せてもらいたいです」と再び笑顔を見せてくれた。