重賞ウィナーレポート

2025年03月23日 愛知杯 G3

2025年03月23日 中京競馬場 晴 良 芝 1400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ワイドラトゥール

プロフィール

生年月日
2021年05月03日 04歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:10戦4勝
総収得賞金
84,790,000円
カリフォルニアクローム(USA)
母 (母父)
ワイドサファイア  by  アグネスタキオン
馬主
幅田 昌伸
生産者
フジワラフアーム (静内)
調教師
藤原 英昭
騎手
北村 友一

 春の女王決定戦ヴィクトリアマイル(G1)の重要な前哨戦だった京都牝馬ステークス(G3)が名称を愛知杯(G3)と改めて行われた1戦は3月23日に中京競馬場で行われ、レース前半は後方に位置していた北村友一騎手騎乗の10番人気ワイドラトゥールが最後の直線で大外から脚を伸ばして優勝。5度目の重賞挑戦で重賞初勝利を記録した。管理する藤原英昭調教師のJRA重賞勝利は昨年のスワンS(G2)(優勝馬ダノンマッキンリー)に続くもので通算64勝目。手綱をとった北村友一騎手のJRA重賞勝利は昨年のホープフルS(G1)(同クロワデュノール)に続くもので通算35勝目となった。

 勝ったワイドラトゥールの生まれ故郷は新ひだか町のフジワラファーム。1958年に創業され、現在は生産から中期育成、調教などを行う総合牧場として、年間約50頭を生産。一貫教育による強い馬づくりを目指している。

 レース当日、牧場から声援を送っていたという同牧場の藤原俊哉代表は「最後は良い脚を使ってくれる馬。今回、人気はありませんでしたが前走の淀短距離S、前々走のターコイズS(G3)よりは条件が良かったので、もしかしたらチャンスはあるかも」と期待を胸にレースを待っていたそうだ。

 レースは代表が思い描いていたとおりのハイペース。手応えよく後方で脚を溜めていたワイドラトゥールは最後の直線で大外に持ち出されると最後は手綱を抑える余裕を見せての先頭ゴールイン。最後はゴールに向けての加速ラップだっただけに価値が高い。

 「終わってみれば得意な距離で力を示してくれたし、父カリフォルニアクロームにとっても価値ある勝利だったと思います」と白い歯をこぼした。

 半兄ワイドファラオがニュージーランドトロフィー(G2)、ユニコーンS(G3)に勝った翌年に配合されて生まれた本馬。当然ながら牧場の期待も大きく「牧場時代からバランスが良くきれいな馬で、育成に入ってからもすこぶる順調でした」という「ただ、牝馬特有の気性を併せ持っていたために、なかなか体重が増えて来なかったのが悩みでした」と振り返る。

 期待どおりに新馬戦に勝ち、デビュー3戦目には紅梅Sに優勝。桜花賞(G1)でも420kg台の体ながらも勝ったステレンボッシュに0秒3差まで迫っているが、デビューから減り続ける馬体を回復させようと早めに春を切りあげる措置が取られている。

 「気性的な事もあってなかなか体重が増えてきませんが、しっかり間隔を空けながら大事に使っていただいてきたことが、この勝利につながったと思う。厩舎の方々が馬をしっかりと作ってくれたおかげだと思います」と感謝の言葉を続けた。

 「この勝利でヴィクトリアマイル(G1)へ向かうと聞いてます。気性的なこともあってベストの条件ではないかもしれないが、まったくダメな条件だとも思っていません。持ち味を生かして、何とか頑張って欲しい」と密かに楽しみしている。