重賞ウィナーレポート

2025年03月08日 フィリーズレビュー G2

2025年03月08日 阪神競馬場 曇 良 芝 1400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ショウナンザナドゥ

プロフィール

生年月日
2022年02月18日 03歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:6戦2勝
総収得賞金
78,816,000円
キズナ
母 (母父)
ミスエーニョ(USA)  by  Pulpit(USA)
馬主
国本 哲秀
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
松下 武士
騎手
池添 謙一

 ママコチャのオーシャンS(G3)勝利から1週間後、同じノーザンファーム空港牧場D4厩舎の育成馬であるショウナンザナドゥが、フィリーズレビュー(G2)で重賞初勝利を挙げた。

 「2週続けての育成馬の重賞勝ちは本当に嬉しいです。ショウナンザナドゥはデビューも早かっただけでなく、2歳時から重賞での活躍を期待していた馬でもあるだけに、ホッとしているとの気持ちもあります」とはママコチャの取材に続いて話を聞かせてもらった、ノーザンファーム空港の橋口敦史厩舎長。ショウナンザナドゥは半姉にミスエルテ(ファンタジーS(G3))、ミアネーロ(フラワーC(G3))を持つ良血馬。2022年のセレクトセール当歳セッションでは、2億350万円(税込)という高い評価を受けていた。

 「入場した頃は小柄なイメージはありましたが、運動神経の塊といった印象がありました。フットワークの良さ、体幹の強さも申し分なく、昨年の春先に行われた2歳馬の取材では、厩舎のオススメ馬として紹介させてもらいました」(橋口敦史厩舎長)

 その後の調教も順調に進んだショウナンザナドゥは2歳6月のメイクデビュー京都(芝1,600m)に出走。ここでは年度こそ違うも、セレクトセール出身馬のダノンフェアレディを捉えきれずに2着に敗れたものの、それから中2週で臨んだ2歳未勝利戦では、単勝1.1倍の支持に応える快勝を果たす。

 「新馬戦から勝つつもりでしたが、やはり開幕週はレベルの高い馬が揃ったなあと思いました。それでも未勝利戦の勝ち方を見た時には、改めて能力の高い馬だと思いました」

 その後はアルテミスS(G3)、阪神JF(G1)、そして年明けにはクイーンC(G3)に出走。いずれも2番人気の支持を集めるも、アルテミスS(G3)では3着、阪神JF(G1)では4着、クイーンC(G3)では9着と、勝ちきれないレースが続いていく。

 「気持ちの難しさが時としてレースに出てしまうだけでなく、輸送競馬となったクイーンC(G3)では馬体を減らしてしまいました。その辺の調整の難しさを管理する松下武士先生や厩舎の皆さん、そしてノーザンファームしがらきのスタッフたちが克服させてくれたのが、フィリーズレビュー(G2)だったと思います」

 クイーンC(G3)で減らした(マイナス6kg)馬体を戻して(プラス10kg)の出走となったフィリーズレビュー(G2)。このレースは抽選を乗り越えての出走ともなったが、重賞で入着を重ねてきた実力馬だけに、ここでは役者が違っていた。

 道中は後方に待機すると、最後の直線では馬場の真ん中に進路を向けていく。そこから鞍上の池添謙一騎手のゴーサインに答えて、一気に加速していくと、上がり最速の末脚でゴール板を先頭で駆け抜けた。

 「このレースに出られただけでも運があると思っていましたが、そこで期待していた通りのレースを見せてくれました。展開も向いたとは思いますが、改めて運動神経や瞬発力をといった能力の高さを示してくれたと思います」

 この勝利で厩舎としての目標の1つでもあった、牝馬クラシックの出走馬を送りだすことともなった。

 「桜花賞(G1)も上り調子のまま望めそうですし、距離もマイルぐらいがいいのではと思います。この春のG1シーズンはママコチャにも頑張ってもらいたいですし、ショウナンザナドゥにもその活躍に続いてもらいたいです」

 関西圏で行われる桜花賞(G1)は、長距離輸送の心配も無いだけに、ショウナンザナドゥにとっては、ベストコンディションで臨めるレースともなる。

 「今まで味わったことの無いような乗り味」と称されたショウナンザナドゥが、ここで一気に世代の頂点に上り詰める可能性は十分にある。