重賞ウィナーレポート

2025年02月22日 阪急杯 G3

2025年02月22日 京都競馬場 曇 良 芝 1400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:カンチェンジュンガ

プロフィール

生年月日
2020年03月23日 05歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:17戦5勝
総収得賞金
101,091,000円
ビッグアーサー
母 (母父)
クェスタボルタ  by  ノヴェリスト(IRE)
馬主
幅田 昌伸
生産者
サンバマウンテンファーム (門別)
調教師
庄野 靖志
騎手
幸 英明

 優勝馬には高松宮記念(G1)への優先出走権が与えられる「第69回阪急杯(G3)」が2月22日、京都競馬場芝1,400mで行われ、中団の外を進んだ5歳牡馬カンチェンジュンガ(父ビッグアーサー、母クェスタボルタ)が、最後の直線で外から一気に伸びて優勝。5度目のJRA重賞挑戦で初のビッグタイトルを手中にした。勝ちタイムは1分21秒7。

 管理した庄野靖志調教師にとっては昨年のチューリップ賞(G2)(優勝馬スウィープフィート)に続く勝利で通算16勝目。手綱を取った幸英明騎手にとっては昨年の小倉2歳S(G3)(同エイシンワンド)に続く勝利で通算48勝目。生産したサンバマウンテンファームにとっては初のJRA重賞勝利となった。

 牧場テレビからの応援だったという同ファームの小澤加奈子場長は「厩舎の方々のおかげで近走は課題だったゲートが矯正されてきたので、この馬らしい競馬をして少しでも上の着順を目指して欲しいという気持ちで見ていましたので、先頭でゴールを駆け抜けた瞬間は嬉しい気持ちと、信じられないという気持ちが入り混じった不思議な感情でした」と歓喜の瞬間を振り返ってくれた。

 サンバマウンテンファームは、かつては“産馬山牧場”という名称でアラブを中心に生産活動を行っていたという。途中、生産活動を休んだこともあったが現在は、小澤加奈子場長と育成施設「グリーンマイルトレーニングセンター」の代表も兼ねる3代目当主の矢野琢也代表によって20頭前後の競走馬を生産、育成している。

 生産活動再開のきっかけとなったのがカンチェンジュンガのオーナーでもある幅田昌伸氏による繁殖牝馬の預託だったという。

 「カンチェンジュンガの母クェスタボルタはワイドファラオの半姉にあたる血統で幅田昌伸オーナーの所有馬です。ただ体質が弱かったそうで、カンチェンジュンガも生まれたばかりの頃は決して健康優良児ではありませんでした」と言う。ただ、当時から光るものを感じていたそうで「当時の私は素人同然でしたが、カンチェンジュンガの世話をすることで多くの事を学ぶことが出来ました。知識も経験もなかった私を暖かく見守ってくれた幅田昌伸オーナーや矢野琢也社長には感謝しかありません」と感謝の言葉を続け、カンチェンジュンガが頑張って、こうして結果を出してくれたことは私にとって大きな自信にもなりました。私は矢野琢也代表の人柄にひかれて、ここで働かせてもらっていますが、繁殖牝馬用の放牧地を広げてくださった矢野琢也代表の気持ちにも応えたい」と目を輝かせている。

 そんなカンチェンジュンガの次走は、春の短距離王決定戦「第55回高松宮記念(G1)」。「夢のようです。まずは無事に、そして悔いが残らないようにこの馬らしい競馬を期待したいと思います」と祈っている。