重賞ウィナーレポート

2025年02月23日 小倉大賞典 G3

2025年02月23日 小倉競馬場 曇 良 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ロングラン

プロフィール

生年月日
2018年02月09日 07歳
性別/毛色
せん/鹿毛
戦績
国内:25戦6勝
総収得賞金
160,588,000円
ヴィクトワールピサ
母 (母父)
ノッテビアンカ(FR)  by  Kendargent(FR)
馬主
梅澤 明
生産者
社台ファーム (千歳)
調教師
和田 勇介
騎手
丹内 祐次
  • まだ放牧地には雪が残っていた
    まだ放牧地には雪が残っていた
  • 重厚感のある門構え
    重厚感のある門構え

 馬名そのままにとでもいうのか、2歳11月のデビューから、7歳を迎えた今年の小倉大賞典(G3)まで、実に25戦を戦い抜いたロングラン。8戦目の重賞挑戦にて、ついに初タイトルを掴み取った。

 「和田勇介先生や厩舎の皆様が、馬の成長を導き続けてくださったことだけでなく、過去2年の悔しさを払うかのような、丹内祐次騎手の素晴らしいエスコートのおかげで初の戴冠に至りました」と話すのは社台ファーム東礼治郎場長。その東礼治郎場長の言葉にもあるように、ロングランは丹内祐次騎手を背に過去2度に渡り、小倉大賞典(G3)に出走。2023年は4着、2024年は2着となり、3度目の正直となる今年、同じコンビで重賞へと上り詰めた。

 ロングランはセレクトセール2018の当歳セッションの取引馬となる。その際は1,836万円(税込)で、同馬のオーナーでもある梅澤明氏によって落札された。

 父は社台ファームの生産馬であるヴィクトワールピサであり、母ノッテビアンカにとっては2番仔となる。きょうだいはコンスタントに中央で勝ち鞍をあげており、半妹のボンヌソワレは今年のフィリーズレビュー(G2)で3着入着を果たしている。

 初勝利は2戦目のダート戦となるなど、デビュー後のロングランはダートを中心にレースを使われており、2021年のジャパンダートダービー(Jpn1)にも出走している。ただ、3歳秋の2勝クラスのレース後に騙馬となると、スタートで後手を踏むことも無くなっていき、デビュー戦以来の芝のレースとなる、4歳6月の三木特別(2勝クラス)を優勝。続くレインボーS(3勝クラス)も勝利して、オープン入りを果たす。

 その後は芝の中距離重賞やオープンで活躍を続けていくと、2023年のディセンバーSではオープン初勝利をあげる。年齢を重ねるごとに確実に末脚を使えるようになっていくと、昨年の中京記念(G3)でも上がり最速の末脚を使って4着に入着していた。

 今年の小倉大賞典(G3)は外枠から仕掛けていったセルバーグが、単騎逃げの形に持ち込んでいく。1,000m通過が58秒5のハイペースかつ、縦長の展開ともなったが、ロングランは後方で末脚をため込んでいく。

 直線の短い小倉競馬場かつ、残り1ハロンでも逃げ粘るセルバーグとの差は10馬身近くあった。だが、ロングランは馬群から直線勝負にかけていたショウナンアデイブと馬体を併せると、一気にセルバーグを交わしていく。ゴール前では更に一延びして、ショウナンアデイブにはクビ差をつけての勝利となった。

 「年齢を重ねながら着順を上げての重賞勝ちとなったように、競走馬としてのポテンシャルの高さが感じられます。この馬名のとおりに、まだまだその存在を誇示してくれると信じています」(東礼治郎場長)

 ホルモンバランスが変わることで、長期間に渡って活躍できるともされる騙馬だが、ロングランのロングランな競走生活は、まだまだ続いていきそうだ。