重賞ウィナーレポート

2025年02月02日 根岸S G3

2025年02月02日 東京競馬場 曇 稍重 ダ 1400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:コスタノヴァ

プロフィール

生年月日
2020年04月03日 05歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:9戦6勝
総収得賞金
240,891,000円
ロードカナロア
母 (母父)
カラフルブラッサム  by  ハーツクライ
馬主
吉田 勝己
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
木村 哲也
騎手
横山 武史

 昨年末から毎週のように生産馬が重賞を勝利しているノーザンファーム。その中でもホープフルS(G1)(クロワデュノール)、中山金杯(G3)(アルナシーム)と育成を手掛けた馬の活躍が目立っているのが、ノーザンファーム空港のB-5厩舎(以前のC-3厩舎含む)である。

 そして、1着馬にはフェブラリーS(G1)の優先出走権が与えられる根岸S(G3)でも、B-5(C-3)厩舎出身のコスタノヴァが優勝。3歳牡馬クラシック、古馬のG1戦線に続き、ダートG1でも有力馬が誕生した。

 「ここまでの育成馬の活躍は、ひとえに厩舎関係者や騎手の皆さん、そしてノーザンファーム天栄やしがらきといった、関係者の皆さんのおかげです。ただ、それが立て続けに続いているのは嬉しいとしか言いようがありません」とノーザンファーム空港B-5厩舎の佐々木淳吏厩舎長は表情をほころばせる。

 コスタノヴァは2020年4月3日にノーザンファームで誕生。父は芝の短距離戦を中心に、幾多のG1ホースを送り出したロードカナロアであり、母カラフルブラッサムは中央芝の中距離戦で3勝。兄弟も芝での活躍が目立っているが、コスタノヴァの才能が開花したのは砂の上だった。

 「育成時代はゆっくり目の成長曲線ながらも、気持ちの強い馬であり、その乖離をどう埋めていくかを考えながら調教を進めていきました。動きはどちらかというと堅さがあり、走りもピッチ走法だったのですが、まずは芝を試してみようということだったと思います」(佐々木淳吏厩舎長)

 心身の成長も考慮される形で、デビューは2歳の12月と遅くなったコスタノヴァは、芝1,600mのメイクデビュー中山に出走。そこでは11着に敗れるも、年明け3月の3歳未勝利戦ではダート1,800mの条件に出走し、鮮やかな逃げ切り勝ちで初勝利をあげる。

 「あの勝ち方を見た時に、やはり適性はダートなのかなと思いました。その後は間隔を取りながらレースを使っていますが、脚元を固めるだけでなく、気性面での更なるも考慮されたそうです」

 未勝利戦を勝利した後、ほぼ3か月に1度のローテーションでレースに臨んでいったコスタノヴァは、4歳2月の白嶺Sで勝利してオープン入りを果たすと、続く欅Sも優勝。初の重賞挑戦となるクラスターC(Jpn3)こそ6着に敗退し、出走を予定していた武蔵野S(G3)は左眼下の外傷の腫れが引かずに回避したものの、十分な間隔を取って臨んだ根岸S(G3)では、重賞勝馬たちを向こうに回したどころか、2着のロードフォンスに4馬身差をつけて勝利する。

 「武蔵野S(G3)から立て直しの一戦となっただけでなく、フェブラリーS(G1)に向かうようなメンバーも揃っていただけに、ここは試金石だと思っていました。東京のダートは得意な条件であり、地の利を生かした走りができないかなと期待をしていましたが、想像以上に強いレースでした」

 これで9戦6勝。そのうち、東京のダートでは5戦5勝と無類の強さであるが、得意な条件を走ってきたのではなく、ベストな状態でレースに臨ませたのが、この成績に現れたとも言える。

 「結果論になってしまうのかもしれませんが、牧場だけでなく、ノーザンファーム天栄、そして木村厩舎と関係者が共通の認識を持ちながら、馬に合わせてじっくりとやってきたことが、この結果に繋がったと思います。近年は早い時期から能力を開花させる馬もいますが、その一方で成長曲線を見極めながら、パフォーマンスを高めていくのも大事だと、コスタノヴァから教わった気もしています」

 次走は得意とする東京コースで行われるフェブラリーS(G1)。ダート1,600mでも3戦3勝と距離の不安も無い。

 「デビュー以来、初めて詰まったローテーションで臨むレースとなるだけに、テンションを含めた、レース後のケアをどうしていくかが課題とはなります。ただ、前走を使ったことで更にいい状態でレースに臨めると思うので、最高の結果を期待しています」

 注目の鞍上はレイチェル・キング騎手に決定。人馬共に初の中央G1制覇が叶えられるか注目の一戦となる。